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大きな葉の裏(白)に彩り豊かな・・・葛の花

はぎ・すすき・ききょう・なでしこ・ふじばかま・おみなえし+くず(葛)   山上憶良

秋の七草の仲間クズの花です。空き地でよく見かけるクズの葉は通常厄介者として知られています。


その花は都会では花屋に売っているわけではない。生い茂った場所に、しかも葉の裏に隠れて、高い場所に咲いています。


エキゾチックな彩りで、とても良い香りがします(窓から甘い香りが風と共に・・・)紫のグラデーションに少量のはっきりした黄色はいつも何かに使いたいなぁ~ と羨望の的です。

葛は大変身近な植物です。

「くず粉」はこの根で作られています。用途は片栗粉に似ていますが、くず粉は精製するにはかなりの手間がかかり高価なものになります。

しかし”本葛”のスィーツは流石です。一方、片栗粉はジャガイモの澱粉からとるため安価で家庭料理には助かります。


一日に1m以上伸びるともいわれる茎の繊維を取り出し細かくつなぎ合わせて糸にして「葛布」と言われる布に織られます。

私も興味本位の経験がありますが織る前の過程が大変でした。(織る事が好きなので)

植物染料としてのクズも利用価値はあります。「草木染 染料植物図鑑」(山崎青樹)にアルカリ水で緑色に染色する技法が記載されています。

植物で緑を得ることは不可能と言われていた緑に挑戦しました。かなり前の事です。


他の用途は蔓のまま使った籠を編みました。

なるべくまっすぐ伸びた蔓を半分に裂いて使います。アケビや他の蔓にない素朴なマットな感じがすきです。

「編み」も織物に共通していますが一気に立体が出来上がり布と違った魅力があります。

いろいろな素材を使って籠編みも長く続けましたが糸と違って”相手”は堅く指が痛くなり挫折です。籠編みされる方は”尊敬もの”です。



夏の終わり頃、秋の初めに葛の花は咲きます。

地を這うような場所には花は咲かず手の届きにくい場所、高いところ(画像)に咲きます。紫色が青空に冴えます。

マメ科なので咲き終わると「海ほうずき」(画像)のように幾重にも並んだ豆の種になります。


葛の絵本は多く出ています。


葛はなるべく小さい人々には役に立つ草としてお話したいものですが、繁殖力が旺盛なため日本でも嫌われます。

持ち込まれたクズの繁殖は侵略的外来種としてアメリカではモンスター扱いにされています。生態系も違っているのでしょう。

「世界の侵略的外来種ワースト100」に入っています。

万葉集の昔から詠み継がれてきた七草の花の一つ「葛 クズ」

皆で手を掛け(空き地などで繁殖させないなど・・・)て嫌われ者の汚名を返上できないものかと悩ましく・・・


  



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