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映画「こどもかいぎ」を保育者が見た話

みなさんこんにちは。
記事を開いていただき、ありがとうございます。

私は幼稚園で働いている、やまもです。
幼稚園では主任として子どもを中心とする園の運営や職員の働きをサポートしながら、4月からは働きながら大学院に通い始めたり、保育者を養成する大学に講師として呼ばれて講義をしたりもしています。毎日楽しいです。

インターネット上では”保育主任やまも”として「子どもを面白がる、保育を面白がる」をテーマに発信をしています。【Twitter
個人的には、音声での発信が好きです。【stand.fm


職場の幼稚園でも”保育主任やまも”としても(一児の父としても)、目の前の子どものために最も良い影響を与えられる大人の姿の答えは出ません。

それぞれの大人が考える「子どものため」という言葉の意味が少しずつ違っていたり、一人一人の子どもが望む大人の姿が違っていたりします。

私たち保育者は毎日、何が子どものためになる”言葉”なのか、何が子どものためになる”行動”なのかを、悩んだり話し合ったりしながら過ごしています。

そんな中、映画「こどもかいぎ」が公開されました。ご覧になりましたか?オフィシャルサイトを貼っておきます。


令和4年7月22日から順次公開されていて、私の地域は8月5日からでした。私は公開初日に行ってきました。面白かった。また、この映画には、色々な意味が込められていると感じました。

今日はその「面白さ」のおすそ分けと、私が感じたことを書きます。保育者の方にも、子どもを園に預けている保護者の方にも、普段は子どもとの関わりが少ない方にも、読んでいただけると嬉しいです。


映画「こどもかいぎ」の面白さと意味

映画の概要はオフィシャルサイトや他の方の記事を見ていただけると分かります。例えば、こゆめさんのこちらの記事などなど。

私としては「こどもかいぎ」「喧嘩」「見守る大人」をキーワードに映画を見たなぁという感想に留めておきます。


ここからは映画について考えたことをあれこれと書きます。


1.見る人によって見方が違う映画

この映画は、色々な人の視点から見ても面白い映画です。
「保育者」にも「子どもの保護者」にも、「子どもとの接点が少ない方」にも「保育学生」にもおすすめします。


保育者にとっては公開保育のように感じるかもしれません。自園と比べたり、「あ、あの関わり方いいな」と学べたりします。

私がキーワードに挙げた「見守る大人」というのも学びです。

私たち保育者は子どもを”お世話する仕事”と思いがちですが、実はそれだと手を出しすぎなのかもしれません。子どもの”今”に寄り添って一緒に考えることはもちろん、その前に一歩引いて、子どもが何をどう考えるのかを見守って理解してあげるのが大切なんだなぁと私は学びました。

もっと具体的に書きたいですが、ネタバレも嫌なのでやめておきます。もどかしい…。



保護者や一般の方にとっては、驚きのある映画になると確信しています。「え、5歳でそんなこと考えるの!?」と思ったり、「園でそんなふうに過ごしているの!?」と思ったりするでしょう。いい意味でもちょっぴり悪い意味でも…?笑。

保育者としては、この驚きがたくさん世間に広まってほしいです。

子どもって、すごいんです。
子どもなりに色々と考えて、真剣に、本気でその瞬間を生きています。大人からすると空想だったりすでに答えが分かっていることも、子どもは本気で考えて信じています。

その場面の一つが、映画のタイトルにもなっている「こどもかいぎ」です。私たち大人は、ここまで子どもの話をまっすぐに受け止める機会が少ないです。子どもの言葉をまっすぐに聞いたらどうなるのか、映画で見ることができます。

また、子どもは喧嘩も真剣です。
映画でも本気で喧嘩をしています。仲良しの子どもでもお構いなしです。その瞬間の自分に正直に生きている感じがして、私は好きでした。ここも映画のポイントです。



保育学生や、まだその道に進む前の高校生には保育の世界の面白さを感じてもらえると思います。先ほど話した「お世話をする」だけが保育じゃないということに気付けてもらえるでしょうし、子どもと過ごすことのワクワクが伝える映画になっています。

ただ、現場の保育者として伝えたいのは、全ての園の目指しているところが映画に出てくる園ではない、ということです。映画を見ると「あの園の保育者のように働きたい!」と思って就職をする学生さんも多いと思います。その時に「あれ?違う」となることもあるかもしれません。それが怖いです。

現場の各園の目指す方向は同じ(はず)です。
子どもがまんなかにいる保育、子どものための保育です。

ですが、その考え方やプロセスは違ったりします。園でも違うし、一人一人の保育者でも違う。まだ模索している園もあるかもしれません。なので、映画に出てきた保育も一つの引き出し(方法・アイディア・武器)としてみなさんの心に置いてもらえると嬉しいです。
かなり言葉を選びましたが、映画を美化(理想に)しすぎて現場に失望しないでね。ということでした。「こどもかいぎ」を見た先輩がいたら考え方が近くて盛り上がれるぞ!というアドバイスでもありました笑。また、SNSにも保育者仲間はたくさんいます。今の時代は仕事もオンラインの繋がりを持てて一緒に保育を考えることができます。これ、大事です。


このように、見る人の立場で面白さの違うのが映画「こどもかいぎ」の魅力です。


2.なぜ公開されたのか

少し、世間から見た「保育」について話します。

この映画は「保育」という一般的に内容のよく分からないものの中身を世に出してくれました。保育と子育ての何が違うのか分からないという疑問の答えを担ってくれました。保育と託児との違いもそうです。

私たち保育者は「保育」をうまく発信できませんでした。なので、子どもと遊んでいたらそれで良い簡単で楽な仕事だと思われていました。ICTによって保護者に発信ができてきましたが、それ以上の広がりはまだまだこれからです。

この映画を見た人が「保育」について面白い、なるほどと思ってもらえると嬉しいです。

私は、この映画にそんな願いを重ねていました。



まとめ

いかがでしたか?

映画「こどもかいぎ」に興味をもってもらったり、「保育」「保育者」に興味をもってもらえたら幸いです。

………

いや、何より「子ども」ですね。
子どもが面白いことを分かってほしい!
途中話が逸れましたが、これが結論です。

………

子どもは面白いし色々なことをよく考えているから、大人は話を聞け!
なんでも先に喋るな!子どもにもっと喋らせろ!喋らせる工夫をしろ!
子どもの考えが正しいとか正解とかじゃない!だから間違いとかもない!
自分の考えをそのまま口に出すことに意味があるんだ!
わがままとか言っていないで受け止めろ!子どもの本心だぞ!大切にしろ!


これが本心です。

今日は家族と職員と、みんなで「こどもかいぎ」を見に行きます。
私は2回目の「こどもかいぎ」です。
ではでは。

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