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4年に一度!島のカード祭り!

もう自粛はこりごりだ。

4年に一度のオリンピックが延期となった。Jリーグもプロ野球も延期が続く。阿波踊りやねぶた祭をはじめ、日本全国のお祭りも早々に今年は中止となった。

日本国内だけではない、サッカーのヨーロッパ選手権も1年延期になるなど、世界中の催し物が延期や中止を余儀なくされている。

もはや通常どおり開催されたのは、ヤマザキ春のパン祭りくらいではなかろうか。

しかし先日、4年に一度の「祭り」を予定通り開始した場所がある。

それはいち早くCOVID-19を克服した、フェロー諸島だ。

フェロー諸島は北大西洋に浮かぶ小さな島の集まりだ。アイスランド・イギリス・スカンジナビア半島の三角形の真ん中に位置する。

人口は5万人、羊は10万頭という自然豊かなこの島では、5月8日に島内のCOVID-19患者がゼロとなり、その週末からはサッカーリーグも開幕されている。

そして万を持して今週、この島に4年ぶりの「Fótbóltskort」が登場したのだ!

人口5万人の島のサッカーカード

Fótbóltskortはフェロー語で「サッカーカード」を意味する。

そう、この島にはサッカーのトレーディングカードがあるのだ。

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人口5万人という市場を相手に、トレーディングカードを売り出すという発想、正直かなり飛躍している。

しかし、この島でサッカーはハンドボールと並ぶ、2大人気スポーツのひとつだ。サッカーの世界においては、宗主国デンマーク王国からの「独立」を勝ち取り、独自の代表チームやリーグ戦を持っている。

人口5万人ながら、リーグ戦は4部構成。トップリーグには10クラブが所属する。2部リーグ以下はいくつかのクラブチームに、トップリーグ所属クラブの2軍・3軍チームが混ざって戦いを繰り広げている。

そう、みんなサッカーが大好きなんだ。だから、ついトレーディングカードを作りたくなってしまったのだ。思いついてしまったなら仕方ない。

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Googleストリートビューがなかなか来ないからって、羊にカメラつけて撮影したものを公開するような島なので、思いついたらとにかく何でもやってみるのだ。

カードを彩る選手たち

Fótbóltskortは何百パック買おうとも、クリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシといったスター選手が出てくることはない。

フェロー諸島代表やフェロー諸島リーグの選手・監督しか収録されていないからだ。

フェロー諸島内で販売されるのだから、おかしな話ではないのだが、これは皆さんが思っている以上に画期的な出来事だ。

何故なら、彼らのほとんどがプロ選手ではないからだ。

フェロー諸島リーグの選手は外国人の助っ人を含め、ほとんどの選手が別の仕事を持っている。週末にサッカー選手としてプレーしているだけなのだ。

本業がトラックの運転手や大工、スポーツショップの店員という人々が、いっちょまえのトレーディングカードとなって販売されている場所は、世界でもフェロー諸島だけだと思う。

今年のFótbóltskortは475種類のカードがあるとのこと。今年からなんと女子選手も収録し始めたらしい。

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もはや買い手の需要など関係無いのだ。みんなカードにしてあげるということだ。むしろカードになりたいという需要が、選手から殺到しているのかもしれない。

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フェロー諸島代表の中で、海外でプロ選手としてプレーしている選手は10名もいないはず。なので、このトレーディングカードから出てくる選手は、95%以上がプロではないということになる。マジかよ。

4年に一度の発行

このFótbóltskort、4年に一度、夏季オリンピックの年に発行されている。前回は2016年、その前は2012年だ。しかし、それ以前は発行されていたのかすらわからない。

何故4年に一度なのかも不明だ。問い合わせているがまだ返事が無い。ここ何回かが偶然そうなっただけなのかもしれない。(返事が来たら更新する予定)

たしかに人口5万人では、毎年刷って売れるほどの市場ではない。また、島内のリーグは移籍の動きも非常に限定的なので、毎年発行してもあまり変わり映えしないのも理由のひとつと考えられる。

カードとの偶然の出会い

私がこのFótbóltskortの存在を知ったのは2013年のことだ。

私は大学卒業前の春休みにフェロー諸島を訪れた。フェロー諸島は物価が高いので、毎日現地料理のレストランに行くのは、学生の貧乏旅行では不可能だった。

中心都市のトースハウンに滞在していた時の事、島で唯一のショッピングモールにバーガーキングが入っていたので、そこで夕飯をとっていた。

ワッパーを頬張りながら、トレーに敷いてあった紙を眺めていたら、そこにフェロー諸島のサッカー選手が躍動する広告を見つけた。

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最初は食事したら何かが貰えるのかと思ったのだが、店員に聞いたらそうではないらしい。なんだろう、めちゃくちゃ気になる。

周りの人間にどこで手に入るかと、聞いて回ったら下の階のおもちゃ屋にあるかもしれないというので、この油のついた汚い紙を持っておもちゃ屋へ向かった。

すると、店員は倉庫からおもむろに箱を出してきた。2012年版のカードが、年を越しても奇跡的に残っていたのだ。

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4~5パックくらい購入しただろうか。開封したら何人かのフェロー代表選手のカードも出てきた。中には後日訪問するクラブの選手もいた。

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彼はフェロー諸島民で初めて国外リーグ(デンマークリーグ)優勝を果たした伝説的なGKだ。急にやってきた東洋人が自身のカードを持っているなんて、と驚いていた。当然の反応だと思う。それから話が弾み、クラブハウスの中でコーヒーまでご馳走になってしまった。

偶然買ったカードが思わぬ形で旅に彩りを与えてくれた。

2020年はオンラインで買える!!

このFótbóltskortは普段フェロー諸島内のMagnとEffoというガソリンスタンドのチェーン店で販売している。

フェロー諸島では所謂コンビニは無く、ガソリンスタンドに付属する商店がその役割を担っている。

2016年まではフェロー諸島内でしか買うことができなかったが、なんと今年はオンライン販売を開始し、世界中に発送してくれることになった。

フェロー諸島民がわざわざ英語でwebサイトを用意したので、島外のファンに売る気満々なのが伝わってくる。彼ら愛島心がとても強く、島内で完結することは絶対フェロー語を使うので。

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カードは1パック6枚入りで25クローネ(約400円)。最低6パックの購入が必要だ。日本に向けての送料は80クローネ(約1300円)。

例年以上の力の入りようで、カードを保管するカードフォルダーも販売しているようだ。1冊150クローネ(約2,400円)。

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しかも表紙は23種類。複数のクラブに知人がいる私は、どれを買おうかと、それだけでかなりの時間悩んでしまった。

支払いにはクレジットカードが使える。

注意すべき点は、到着までは3~4週間かかるとの見込みだが、日本郵便では現在フェロー諸島の郵便物の受け入れを一部停止しており、到着までは更に時間がかかるかもしれない。

とりあえず私は12パックとフォルダー1冊を注文した。

関心のある方は是非チェックしてみてほしい。注文までのハードルも、海外ショッピングサイトの中でも低い方だと思う。

Fótbóltskortと一緒に、いつかフェロー諸島旅行なんて、いかがでしょう?


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いつもありがとうございます😊
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サッカーを理由に旅をするマスコットヤクザ。推しクラブはジュビロ磐田。おいでよフェロー諸島のアシスタントをやらされています。