就活ってなんだっけ?
就職活動。略して就活。
僕は就活をした経験がない。
あるいは、ずっとしていたのかもしれない。
20歳を過ぎた頃から、
学生時代の同級生の多くが就活で悩んでいた。
「早く始めたほうがいい。」
「面接はこう受け応えすべきだ。」
「就職先選びが重要だ。」
とにかく、忙しそうだった。
当時の食事会や飲み会は
就活の話で持ちきりだった。
そんな時、かなりの確率でこう言われた。
「 就活がないお前は良いよなぁ 」
本人も悪気は一切ない。
その時、就活に頭を悩ませていない僕を見て
心底そう思ったのだろう。仲の良い友人で信頼関係も出来ていたので別に僕もそう言われても嫌ではなかった。
だが、同時にこうも思った。
ある意味、
小学生でサッカーを始めて以降
長い就職活動だったのかもしれない、と。
友達が学校終わりに集まってゲーセンに行く時間に僕は練習に通っていた。みんなが夏休みに旅行やレジャーの計画を立てるのを傍目に厳しい夏合宿をこなした。
今思えば、紛れもない就職活動だったと思う。
当然、サッカーが大好きでそれらが辛かったわけではないけど、楽しそうに遊ぶ友達が全く羨ましくなかった、と言えば嘘になる。
友達と遊んでいた方が楽だったこともあるだろう。あんなにキツい走り込みやトレーニングは
いくらサッカーが好きでも、2度とやりたくないと思うくらいしんどかった。
だけど、
僕には『Jリーガーになりたい!』という
夢があった。就きたい職業があった。
誰よりも本気で就職活動をしたのだ。
たまたま20歳前後の数年間にまとまった就職活動をしなかっただけで、逆に長い長い就職活動をしていたのかもしれない。
明確に、なりたい職業を見つけ
早い段階でそこに向けて努力をした。
自分で言うのはおこがましいが、
僕は自分の就活においてかなり先手を取れたと思う。やりたいことを見つけられることは、とても素晴らしいことだとつくづく思う。
だが一方で、僕たちサッカー選手にはまだ就職活動が残されている。
サッカー選手を引退した後だ。
いわゆるセカンドキャリアだ。
この記事にも書いたが、
僕たちには次のステージに進む時が必ず来る。
プロサッカー選手という職業である以上、自分がどれだけ続けたくても限界がある。その時のために、また長い就活が始まっているのかもしれない。
別にどこかの企業に就職することだけが選択肢ではない。
僕の言う就職活動とは、
広い意味で職を探して目指すということだ。
サッカーの指導者になるのであれば
現役選手として学んでいることがそのまま生きるかもしれない。
サッカー選手だからこそ出会えた人たちが
次のステップで助けになってくれるかもしれない。
そういう広い意味での就職活動であれば
もう既に始まっているのではないかと思う。
大切なのは、何気なく起こる日々の出来事や経験も、捉え方次第で自分の人生を左右するかもしれないという認識を持つことだと考えている。
毎日のトレーニングや試合、プライベートの過ごし方も含めて、自分の人生は自分の言動で出来ている。
だからこそ1日1日を大切に
充実感に溢れる毎日を送りたい。
それが、自然と自分のキャリア形成に繋がると思うから。そしてその先には自分や家族の幸せが待っていると信じている。
これからもサッカーと正面から向き合いながら、その過程にある様々な貴重な体験に目を光らせながら毎日を過ごしていこうと思う。
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