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foodskoleフードロスクラス 第2期_振り返り  フードロスクラス DAY5〜DAY7

フードロスクラスでは、食の課題領域に対して経験をもつ4人のスペシャルゲストとの対話を通して、フードロスの構造を理解し、じぶんで問題提起をして探究を行ってきました。

フードロスクラスチューターの玉木が、このクラスを振り返ります。
今回はDAY5からDAY7の様子をおとどけします。

DAY5:「水産のサスティナブルを学ぶ」

ゲスト:銭本慧さん(合同会社フラットアワー代表)

水産現場で起きている現実とは。出荷できない魚とは。一方で養殖するということとは。水産業の持続可能性について、長崎県対馬で水産業を営む銭本さんにお話を伺いました。当日は対馬からオンラインで繋ぎ、魚を捌く実演もしていただきました。

学びのポイント
・漁業現場の現状 持続可能な水産業とは
・持続可能な水産についてディスカッション

銭本さんは持続可能な水産業の実現を目指す中で、「獲りすぎない」「獲った魚の質を高める」「未利用魚の付加価値化」を大事にしています。「なるべくたくさん獲る」漁業がされている中でそれよりも「獲った一匹を大切に処理する」ことが大事だとおっしゃっていたことが印象的でした。また獲った魚の質を高めるためには、適切に血抜きを行っているようです。加工する段階では、加工時に生まれる残渣(ろ過した後に残ったかす)をコンポストして堆肥化し、米作りに活用されています。
また「未利用魚」とは魚の大きさが不揃いであったり流通させにくいことから、廃棄したり低価格になる魚のこと。それらの価値を高めるためにも適切な血抜きをしているとのことです。血抜きをしなければ匂いがきつくなり食べられなくなります。しかし、血抜きの作業は大変なため現場では後回しになってしまという課題があるそうです。
未利用魚について考えることはフードロスについて考えることだと学び、漁業の現場にいる銭本さんから「持続可能な水産」という大きなトピックからフードロスについて考える視点を学びました。

漁業の現場にいる銭本さんから、「持続可能な水産」というトピックでフードロスについて考える視点を学びました。

銭本さんは、漁業を初めとして1次産業に参加する若者が少ないことにも課題意識を持たれていて、伝統的な働き方にとらわれずに若手に受け入れてもらえやすい働き方を模索しています。持続可能な水産に賛同する人たちを集めてコミュニティも作っていく中で、地域の人たちとの協業することも長く事業を続くために欠かせないとのこと。地元の人や若者に参加してもらい、地に根を下ろしながら着実に取り組みを進められていました。
水産のサステナブルを考える上で理解ある人が増えることは大事なことだと感じました。

その後、オンラインでイサキやブリを見せてもらい、実際に銭本さんが魚を捌きながら、どう包丁を入れるのか、どう血抜きをするのかなど実演していただきました。内臓はコンポストに入れて、3−4ヶ月おいて堆肥化するそうです。
講義を受けた後に、実際に魚の血抜きをする様子をリアルタイムで見せてもらったことで、講義の内容への理解がより深まったように思います。

玉木の学び:
血抜きをすることで鮮度を高められる。とった魚を適切に処理する。未利用魚もちゃんと処理をすることで飲食店でも美味しく食べることができる。
縄で獲ると生命力の弱い魚だとすぐに弱って鮮度が悪くなってしまう魚がいたり、サバのように身が崩れやす魚がいるように、種類によって様々な特製があることを理解できることがまずは大事だと思いました。その上で、どうやって血抜きをするのか、などその魚に合った方法で丁寧に処理をすることがいいと思いました。

DAY6:「対話・アウトプット」

DAY6はこれまでの講義でインプットしたことやモヤモヤしたこと、よくわからなかったことを、クラスメートと共有し話し合いました。フードロスクラスでは、最終日に各自が決めたテーマについてプレゼンテーションします。考えをシェアして学びを深めながら、
プレゼンテーションのヒントを掴んだり、他の人の視点を知ることでフードロスに対する眼差しの数を増やす時間となりました。

DAY7:「プレゼンテーション」

最終日。各自の研究成果を発表しました。
フードロスクラス受講前後での変化と今後のアクションプラン
受講者の最終成果物のプレゼンテーションのテーマをご紹介します。
「プラスチックゴミ有料化について」「持続可能な農業とコンポスト」「フードロスクラスを通して変化したこと、自分が続けていきたいこと」「堆肥化、資源循環」「野菜の皮」「養鶏場を観光地にする」「食べ物が余っている人と食べ物を必要とする人を繋ぐフードシェアリング」「フードロスを減らすフードテックの活用」など、受講者それぞれの関心に沿ってオリジナリティのある発表となりました。
フードロスに対してアクションしたり、日々の食生活を変えるチャレンジをしたりと、大きなフードロスという事象に対して一人の人としてできる行動を取ることに繋がっていていました。

玉木の学び:
知ることのゴール地点がもっと遠くなった、フードロスって簡単な問題じゃない、などフードロスというものがより複雑なものだとクラスを通して感じさせられました。

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