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foodskoleフードロスクラス第2期_振り返り  フードロスクラス DAY1、DAY2

(フードロスクラス全7回:11/24、12/8、12/15、12/22、1/12、1/19、1/26)

こんにちは。フードロスクラスのチューター玉木春那です。各クラスで学んだことを振り返ります。

フードロスクラスでは食の課題領域に対して経験をもつ4人のスペシャルゲストとの対話を通して、フードロスの構造を理解し、じぶんで問題提起をして探究を行うクラスです。フードロスクラスの第2期では第1期に引き続き、フードロスの川上から川下まで多様な部分で取り組まれるゲストを招き、フードロスを多面的に学び合いました。

▼フードロスクラス 各回のトピック
DAY1:「オリエンテーション」
 講師:フードロスクラス長 平井巧(foodskole校長)
DAY2:「フードシステムを学ぶ」
 ゲスト講師:菊池紳さん(Business Designer/Incubator/研究者)
DAY3:「飲食現場のこれからを学ぶ」
 ゲスト講師:川越一磨さん(株式会社コークッキング代表)
DAY4:「廃棄・資源循環を学ぶ」
 ゲスト講師:荒井里沙さん(廃棄物処理コンサルタント)
DAY5:「水産のサスティナブルを学ぶ」
 ゲスト:銭本慧さん(合同会社フラットアワー代表)
DAY6:「対話・アウトプット」
DAY7:「プレゼンテーション」

フードロスクラス全7回分の内容を、3回に分けて振り返っていきます。
まず最初は、DAY1、DAY2です。

DAY1:「オリエンテーション」クラス長 平井巧(foodskole校長)

DAY1は校長によるオリエンテーション。フードロスの概要を学びました。

・フードロスクラスの概要
・フードロスを勉強する時の心構え

この日は受講生同士初めての顔合わせ。最初に受講生同士で自己紹介をし、これからフードロスについて共に学んでいくメンバー間の緊張がほぐれた時間となりました。その後、フードスコーレ校長の平井より、フードロスクラスで学んでいく内容を共有し、クラスを受講するにあたって大事にしてもらいたい心構えについてレクチャーを受けました。「フードロスを学ぶことは楽しいということを体感してもらいたい」というメッセージを受け取った初日でした。

DAY2:「フードシステムを学ぶ」
ゲスト:菊池紳さん(Business Designer/Incubator/研究者)需要と供給の不均衡に着目した食材流通サービス「SEND」の創業者菊池さんから、国内のフードシステムについて学びました。食品の生産から流通、そこで起きている余剰の種類に触れながら、フードロスなどの食料問題に向き合う時の視点を学びました。

学びのポイント
・フードロスへの姿勢
・フードシステムの概要
・余らない世界を作るには?
・「余る」を分解する

序盤から「昨日食べた料理って何?」「どこでどうやって作られているか知ってる?」と身近な食習慣についての菊池さんから問いかけられました。それに対して瞬時に答えることができなかったことから、日々食べている身近な食事の背景について知らず、食べ物についていかに無知であるかハッとさせられました。

その後、フードシステムについてレクチャーを受けました。フードシステムとは、私たちの日々の食事を支える基盤のことです。フードシステムには主に生産・加工・流通の流れがあること、またフードシステムについて考えるためには食の市場規模や国際関係など様々な視点があることを学びました。食材ひとつとっても、消費者の手元に届くまでには生産→加工→流通のようにいくつもの段階を経ていることから、「私たちの大半は生きていくために必要な食事を外部に依存している」ことに気付かされました。フードロスは、この大きなフードシステムに関わるそれぞれのチャネルで発生しているようです。

フードロスを減らす取り組みが増えている中で、「もったいないから食べる」とか「捨てないように活用する」などの目的のイベントが多くあります。しかし、俯瞰してフードシステムを捉えると、そもそも食べ手の胃袋の数は変わらないため、余ったものを食べてもフードロスは無くならない。「余っている食材を食べるだけでは解決策にはならず、フードシステムの仕組みを変える必要がある」。菊池さん独自の意見や知識を沢山学びました。また「フードロスを減らすことが必ずしも正義ではない」など、菊池さんから多くの知識と視点をもらい、受講生はDAY2からフードロスに対して自身では考えていなかった意見にぶつかり、視野が広がったのではと思います。

その後、フードロスが発生している中で、では「どうやって余らない世界を作るか?」「食糧の最低配分とは?」という問いを投げかけられ、参加者が頭を抱えながらも様々なアイデアを話し合いました。

チューターとして参加しましたが、フードロス(余剰)が起きることで、少なくとも日本において資源の取り合いが起きず争いが起きない秩序な世界が保たれているのであれば、少しの余剰があることはいいことなのではないか?と思わされました。
またフードロスのように一言で考えるのではなく、「余る」を分解することも必要だということ。例えば、場所・時間・によって。このように、分解して考えることで、フードロスに対してどう向き合って取り組むのか、という思考を学びました。

チューター玉木の学び:フードロスに関心が持たれる入り口として、私自身がそうだったのですが、日本は世界的にもフードロス大国だと言われていたり、年間645万トン捨てられている、という事実が背景にあることだと思います。感情的に訴えかけられる中で、問題だと感じながらも大きすぎる事象に対してもったいないと叫ぶことしかできない人が多いのではないか。それはフードロスが生まれる背景には様々な要素が絡み合っているからこそ、菊地さんのように「落として視る力」が必要だと思いました。
フードロスがもったいないと思っていて、余っている食材をいかに活用するかを考えていたけれど、それだとフードロスは無くならない。だから余剰が生まれている世界の枠組みの中で、フードロスとどう向き合うか?もしくは、どうしたら枠組みを変えることができるのだろうか?と考えさせられました。ロスをゼロにすることが求められていますが、果たして一元的になってフードロスをゼロにできたとして、より良い世界が待っているのでしょうか?
また「完璧を求めすぎない」ことも大事な心持ちだと思いました。完璧を求めるから規格外食材が生まれるのならば、フードロスも完璧にゼロにしなくてもいいのではないか?完璧じゃなくていいから、最大限に最適だと思える仕組みを作ることがいいのだと思いました。

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