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「社長、そろそろお客様第一主義やめませんか!」後編

どうもタルイです。

いきなりクイズを出題します。

経営理念って誰のための何の目的のためにあるのかご存知でしょうか?


このクイズは、できればあなたの会社の社長にも訊いてみてほしいですね。


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いいえ、社長。それは違います。


経営理念とは社長のためにあるのです。


経営理念の本来の目的は

社長自身を律する!

もしくは社長の事業行動に制約をつけるものなのです!

朝礼で従業員に唱和させたりするためのものではありません。


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ではその理由を説明する前に

前回までの振り返りと今回のテーマについて軽く振り返ります。

前編では

◆お客様第一主義とおもてなしの精神は別物です。

◆おもてなしの精神と自己犠牲はもっと別物です。

◆お客様第一主義とはビジネスモデルのことです。

◆CS(顧客満足度)を向上しても売上向上とはリンクしません。

について書きました。

中編では

◆お客様第一主義は時代ごとに定義が変化していることに対しての考察

1980年〜2020年まで、そしてこれからのお客様第一主義の定義について書きました。

そして最後となる今回は

お客様第一主義からテーマがスライドしますが

◆日本の9割の会社がお客様第一主義を掲げる経営理念について考察します。


9割って異常な数字だと思いませんか?


実際どうでしょう。

どこの会社も経営理念って形骸化してませんか?


■なぜ経営理念は現場に浸透しないのか?

なぜ経営理念は現場まで浸透しないのでしょうか?

古い四字熟語が多くて意味がわからないからですか?

あるいは逆に横文字ばかりを並べてキラキラしているからですか?


本来の経営理念の目的は社長の行動を律するためのもの。もしくは社長の事業行動に制約をつけるものなのです。

社長の行動を律するとは

この会社は世の中を通してどんな役割を果たしていくのか。

もしも社長自身がその道を外れそうになった時、常にここに立ち返ろるためのものです。

社長の事業行動に制約をつけるとは

人間誰しも儲かると聞いたらやりたくなるのが性分です。

だからと言って手当たり次第に事業として手を出していたら働く現場は振り回されて大変です。

またあっちもこっちも手を出すとお客様も地元の生活者も会社の経営に疑問を持ち始めます。(事業ドメインがわからなくなるから)



つまり経営理念によって社員の行動を律するのは二次的な要素でしかありません。




いま日本のほとんどの社長さんは会社が大きくなるにつれて

なんとなく「経営理念」作らなければいけないと頭を捻り出す。

そのために専門家を入れたり、参考はないかと他社の経営理念やカリスマ社長の本を読み出す。

これが日本の約9割が、お客様第一主義と掲げる経営理念ができてしまうメカニズムでしょう。

でも社長。

このようにして作らされた経営理念は

ただの大義名分です。

大義名分(たいぎめいぶん)とは、儒教に由来する考え方で、本来は臣下として守るべき道義や節度、出処進退などのあり方を指した。 今日では転じて、「行動を起こすにあたってその正当性を主張するための道理・根拠」を指す事が多い。

ただの社長の自己満足です。

■経営理念を再定義してみる。

私は形骸化している経営理念の有効活用を考えました。

従来型の「会社のあるべき姿」の経営理念から

「会社のありたい姿」をまとめた経営理念に

と再定義することで活用されます。


会社のありたい姿
◆働く人が安心して、自分の考えを自由に発言したり行動に移したりできる会社でありたい

Google のリサーチチームは、「心理的安全性を高めると、チームのパフォーマンスと創造性が向上する」ということを発見しました

心理的安全性とは「チームの中で自分の思ったことを自由に発言しても不利益を被らない」と感じられる状態のことです。

実際に従業員がに経営理念を朝礼で唱和することに意味がないことを社長に伝えていない会社は心理的安全性が低いと言えます。


会議での発言ルールを変えたり、数値目標管理をやめたり、ブラザー制度やシスター制度を取り入れたりと

いろいろ試してます。


◆業界の相場よりも高くお給料が出せるように、常に生産性を工夫していきたい

ジェフ・べゾスではありませんが、

結局はつまるところ事業とはビジネスモデルです。


私は現在、飲食店のコンサルタントとして

キッチンの省力化の提案と

ECに販売チャネルを増やすことコンサルとしています。

独自化された優秀なビジネスモデルは結果的に生産性が高いです。

生産性を高める目的はただ一つ。

働く人に労働市場の相場よりちょっとでも高くお給料が出したいからです。

なぜならば

これからは「顧客市場」だけでなく「労働市場」からも支持される会社が求められているからです。


「みんなのお給料あげたい。どうやったら生産性が上がるかみんなで考えよう」

目的をこのように説明すると

メンバー内ではっきりするとみんな迷わず業務に集中して働けます。


現在、人事考課制度(従業員の貢献度、職務の遂行度や業績、能力などを一定基準で査定して賃金・昇進などの人事に反映する仕組み)を取り入れている会社の方に一言だけ。

私はお給料の額は社内の頑張ってますアピールをして昇給を目指すものではなく

労働市場の相場で決まるというのが自論です。

つまり野菜や肉・魚の値段の決まり方と一緒です。

どこの会社だって求人広告を出すたびに、

お給料の相場を調べてお給料の金額を設定してますよね?

その度に既存社員の基本給を改定してませんか?

社員考課制度を作ってお給料の額を決めるなんて仕事のための仕事が増えて管理コストが増えるだけで全くもって無意味です。


◆お客様だけでなく、働く仲間にも感謝を伝えられる職場でありたい

サービス業において、ありがとうございますはただの挨拶の慣用句ではないです。

モノ(商品・サービス)とカネを等価交換することが経済活動を回すことですが

その交換の際に「ありがとうございました」の一言が添えられると

感謝の気持ちも経済活動のなかで一緒に循環していきますよね。

経済活動と一緒に感謝の気持ちも循環していけば社会に相互扶助の精神も高まって

今よりもっと住みやすい世界になるのではないか?

大いなる試行ですね。

経済を回すのはお金ですけど

社会を回すのは感謝の言葉ありがとうなんです。

だから会社の業務活動のなかでも感謝の気持ちも循環させられないかなと考えて取り組んでます。

「お願いします。」→「ありがとうございました。」

このやりとりをもっと会社内で増やすためにいろいろ試行しております。


◆働く人が1年後、3年後、5年後、10年後、そして最後にどうありたいか一緒に考える職場でありたい

今はもう終身雇用もない時代です。

それが悪いということではなく

こちらの記事にも書きましたが

会社に依存して人生の大半を費やしてはもらいたくないと考えてます。


だからと言って「自分の将来のことは自分で考えろ!」と突き放すことはしたくないです。

「ひょっとしたら何か役に立てることがあるかもしれないから、とりあえず将来の夢を聴かせてよ」

というスタンスで1on1ミーティングを導入していただいてます。



◆1日の最後に、良かったことが3つ言える毎日でありたい

自己肯定感を高めること個人の成長に重要な要素です。

考えられる現状においてオススメしているのが毎日スリーグッドシングスを日報に書くこと

私も毎日寝る前にアプリでやってますけど実際に効果を感じるので再現性が極めて高い方法であると断言します。

日報のコメント欄に

「今日は暇でした。明日は営業頑張ります!」

とアホなこと書くよりは全然いいですよね。

いかがでしょうか。

会社のありたい姿のポイントは

文章の結びが「あるべき姿」ではなく

「ありたい姿」であることです。

あるべき姿だと上から目線になりがちですが

ありたい姿だと横から目線で説明できるのです。

あなたの会社でもぜひ試してみてほしいです。


そして全然キラキラしたワードを使わないのもポイントです(言葉の響きに酔っちゃうから)

また、難しい言葉がないから現場のアルバイトの子にも説明しやすいです。

■経営理念が形骸化するのは上から目線で対話できない代物だからです。


こちらの記事にも書きましたが

人間には自己成長欲求他者貢献欲求もともと備わっています。

つまり上から目線で経営理念など唱えなくても

会社の環境整備さえされていれば社員さんは勝手にやる気を発揮しますよ。



紙に書いただけで実現するのはドラえもんの秘密道具だけです。


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そんな当たり前のことを紙に書いて経営理念として掲げて

「これが人間のあるべき姿」と上から目線で語るよりも


横から目線で会社のありたい姿を働く仲間と対話しましょうよ。


時代は上から目線で垂直に上下の優劣で考える時代から

横から目線で水平に平等と公平と公正が必要とされる時代へ移行する

今がちょうどその過渡期のようです。


会社が淘汰されないために

働く人と一緒に会社のあり方を考えてみませんか?


■無料オンライン相談はじめてます。

飲食業に関わる方を対象に無料オンライン相談を開始します。

●飲食店を経営されている方でwithコロナ対策が必要な方

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相談内容は記事の内容の質問でも構いませんよ。

私を育ててくれた飲食業界への恩返しの気持ちでやります。

モノを押し売りしたりしないのでご安心ください





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