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書体談議

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書体に関する背景、人物、構造などニッチな分野の話をデザイナーが語り明かします。
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記事一覧

8.1 TIMES NEW ROMAN —モリスンと自動活字鋳植機—

どんな業界でもそうかもしれないが、年度末は師走よりも忙しない。 毎年ヘトヘトになりながら…

7.4 レンナー —FUTURAのたどりし道。レンナーのたどりし道—

みなさまおつかれさまです。テキスト係・伊藤です。 長らくの間、本業(校閲)や姉妹チャンネ…

7.3 レンナー —FUTURAの誕生—

伊藤「FUTURA誕生の経緯がそろそろ知りたいです」 山田「事の発端は発表の3年前、1924年だ。…

7.2 レンナー —ドイツの背負いしもの—

FUTURAの作者として名高いレンナー。彼はいかにして渾身の一作にたどり着いたのか……。 大野…

7.1 レンナー —覚醒に至る道—

渡邊「長い長いフルティガー回が終わり、次はレンナーということですね」 山田「うん、有名な…

6.4 フルティガー —UNIVERSとHelvetica—

フルティガーの代表作といっても過言ではないUNIVERS。優れたサンセリフ体が数多く生み出され…

6.3 フルティガー —UNIVERSの地平—

Frutigerジェンソンの活字に不変の美を見出し、自らの解釈を加えて発表した MERIDIEN(子午線)。続く UNIVERS で大いに話に花が咲く3人。 山田「MERIDIEN から、次にフルティガーが制作したのが UNIVERS だね」 伊藤「あのう、ちょっといいですか」 山田「ん? どうした」 伊藤「素朴な疑問なんですが、ユニヴァース(宇宙)って、英語のスペルは『Universe』ですよね。でも、フルティガーの生み出した書体の名前は UNIVERS で、最後

6.2 フルティガー —華麗なるデビュー作—

Adrian Frutiger 書体にまつわる人物にフォーカスする企画の第1回、アドリアン・フルティガー…

6.1 フルティガー —生い立ち—

Adrian Frutiger 渡邊「今回から、新しい試みが始まります!」 伊藤「はい。これまで、書体…

5.2 ジェンソン —レター・スペース構造—

Jenson 活字史におけるビッグテーマを取り扱うにあたり、導入的に史実を紹介した5.1。今回は…

5.1 ジェンソン —近代活字の礎を築いた人物—

Jenson 渡邊「お二人! もう今年も2か月終わっちゃいましたよ」 山田・伊藤「むう……。そ…

4.2 コーヴィナス —コンテンポラリー・ローマンの台頭—

初のローマン体&初ゲストでいつも以上に盛り上がりを見せる一行。Corvinusとは一体どんな書体…

4.1 コーヴィナス —ローマン体の体系—

Corvinus 伊藤「今回は、フォントポストでは初めてローマン体を扱うことになりましたが、もう…

3.2 ヴィーナス —グロテスクの系譜—

VENUS 「カレンダーには書体の魅力が詰まっている」という話で盛り上がる一同。ピークスオリジナルのフォントカレンダーは毎月書体を替えて制作し、1月はヴィーナスなのだが、意外と情報がない。 山田「さて、1907年発表とかなり古い書体だということがわかったヴィーナスなんだけど、1907年を古いと感じるか、割と最近と感じるか、このあたりで一般の人と僕たちの捉え方の差が出てきてそうだよね」 渡邊「そうですね。『デザイナー』と一括りにするには難しい問題があるように思うので、『書