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勝部祐子から記事がきました#5

勝部祐子から新しい記事が来ました。このあとアップいたしますが、鵜山仁さんの有料記事もぜひご覧ください。100円です。間違って有料配信を購入してしまったり、Pringを確認していない人も、ぜひ。100円です。


『勝部、お前は10年頑張れ』

今回は、この言葉と公演との出会いについて書いてみようかなと思います。

入団して半年くらいだったかな。ちょうど俳優座劇場で公演していて、私は毎日表方の手伝い。ある日のマチネとソワレの間に、ある先輩が俳優座劇場のそばにあった吉野家に急に連れて行ってくれて、牛丼食べながら「勝部、お前は10年頑張れ」って言葉をかけてくれたんです。なんの素養もない社会人が、養成所の訓練だけで入団しちゃったからすぐにキャスティングされないのは承知してたけど、レッスン以外何をしたらいいのか悩んでた私は、「続ける」をやっていけばいいんだと、すごく納得したのを覚えている。

入団2年目にアンサンブルで初舞台を踏んでから、いくつか作品について、気づいたら入団4年目。とにかくレッスンしてた。それでも、思うように出来なかったり、オーディションに落ちるたび落ち込んでた。「続ける」って結構難しい。

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ミュージカルリーディング『野菊の墓』

最初はアトリエでのワークショップ公演から始まりました。

写真は、学校公演の楽屋でお美津役の米谷さん、民さん役の王子さん、兼子役の茂木さんと。そう言えば、ワークショップ公演の時のオーディション。女性はみんな同じ歌で審査だったかな……。で、私の番。私が歌い始めたら演出の雁坂先生が席を立って、誰かに声かけてたばこ吸いに行っちゃったんです。心の中で「ちょっと先生、待って~!」ですよ。でも、それまでにも先生とご一緒したことがあったから、一瞬だけビックリして、「先生の中ではもう全部決まっているんだなぁ」って、かえって力が抜けたのが入団6年目です。松田聖子さんの映画では樹木希林さんが演じた使用人のお増役でした。今でも一番演じたい役です。

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ミュージカル『おれたちは天使じゃない』

劇団の伝説的演目の久しぶりの再演に黒子として参加。その頃は、ワークショップのチーフをやったり、劇団公演も振付け助手やスタッフワークが主になっていたから少し腐ってたんだと思う。だから、制作の石川さんが声をかけてくれなかったら、今いなかったかもしれないな……と思う。東京公演のあと九州1ヶ月半。毎日舞台に立てる幸せと舞台に立ち続けるために必要な準備、集中力、色んなものを学んだ入団7年目でした。

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そして、ファンタジーミュージカル『霧のむこうのふしぎな町』

原作を読んで古本屋のナータをどうしても演じたかった。だから、オーディションに命をかけてた。はじめて本公演での役付きです。しかし、あまりに色んな事が出来なくてスタッフを悩ませてた入団8年目です。演出の河田園子さんを囲んでの集合写真は、先日配信された『Midsummer Night’s Dream』 にも客演して下さった劇団SETの田上ひろしさんがピコットばあさんです。

そして気づいたら10年目でした。

人や公演との出会いがあったから10年続けることが出来たのは本当。と同時に、自分の中で覚悟を決めたと言うか、肚を据えた瞬間があって、それからなんですよね、世界が動き出したのって。もちろんその時はわからないんです。それ以降の10年を過ごしてきて、あの時の先輩の言葉、出会い、決意の意味がやっとわかると言うか……。

考えたら今の私、吉野家で牛丼・並を奢ってくれた時の先輩の年齢に追い付いている。でも、後輩に「続ける」と言うことを話してあげることが出来るのだろうかと考えてしまう……。う~ん、難しい。

ちなみに、今は吉野家ではなくてラーメン屋さんになってしまいました。


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