学校の天井の高さ

ヨーロッパの鉄道の古い駅は、とても天井が高いと感じますが、当然、蒸気機関車の煙対策で設計されたものです。

2005年までは、日本の小・中・高校の学校の天井の高さは3メートル以上が必要と建築基準法で定められていました。明治時代に石炭ストーブの空気汚染対策のために1882年に定められたのが背景にあるそうです。しかし、暖房の方法も変わって、省エネのためや建築コストを考えると不要ということで2005年に改正され、2.1メートルとなっています。暖房方法が変わってから、建物の規制が変わるまでずいぶんと時間がかかるものです。
 
ところが、3密を避けるという意味では、2005年以前の学校の建物の方が換気がよくて望ましいということになります。最近の建築は密閉して冷暖房効率をあげた上で強制換気という方向でしたが、今後はコロナウイルスに強い建物が重視されていく可能性があるでしょう。

将来、コロナウイルスが当然になった時代に、どうして昔の日本の建物は天井が低く、換気が悪かったのか、不思議に思う人が出てくるかもしれません。

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