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大好きな理由 『ブルネイ・ダルサラーム国』

ブルネイ・ダルサラーム国。名前くらいは聞いたことがあっても場所やこれといった特徴は知らないという方が多い気がします。しかしながら自分は昔からこの名前だけ聞き覚えのある謎の国に妙に惹かれ、実際に訪れたことで大好きな国の一つになりました。しかしその大好きな理由がこの記事冒頭を書き始めている現時点でよく分かっておらず、それをうまく言語化する意味でも今回はブルネイの記事を書くことに決めました。本記事の〆に上手いまとめが書かれていることを願いつつ、執筆を始めます。

ブルネイは北を南シナ海に面し、その他3方向をマレーシアに囲まれた、ボルネオ島内に位置する小さな国です。世界地図上でいうと香港のちょうど真下(真南)に当たります。ASEANに属しており、天然ガスの輸出入などにおいて日本とも関わりが深い国の一つです。2019年にブルネイのフラッグキャリア、ロイヤルブルネイ航空が成田と直行便を結んだこともあり、日本での知名度もじわじわと上がっています。そのせいか滞在中、一人旅のOL風の日本人女性を3人ほど、ご高齢の団体さんを2組を見かけました。ブルネイ流行ってるのかしら。

まず前提としてブルネイは他の東南アジア諸国(シンガポールやタイなど)のようなド派手なインパクトはありません。天然資源等を有することからお金持ち国家として知られている側面もありますが、国土全てからラグジュアリー感がひしひしと感じられる訳でもなく、ほとんどはローカル感漂う落ち着いた場所です。イスラム圏なだけあってお堅い雰囲気も場所も多く、お酒は販売されていない他、ナイトクラブなどの遊び場もないそうです。ここまで読んでいただいた時点で「わ〜ブルネイ素敵!行ってみたい!」と思ってくれた皆様、ぜひお友達になりましょう。

そんなブルネイのローカル感を特に強く感じられる場所が、首都バンダルスリブガワンにある巨大な水上集落「カンポン・アイール」です。風化が激しい見た目に反して水道や電気、ガスなどインフラは完全に整っている他、水上集落内に商店や学校、交番、モスクなどもあり、その生活は陸地とほぼ変わりません。さすがお金持ち国家。

カンポン・アイールには対岸から水上乗合タクシーで向かいます。時間的には5分ほど。数名現地の方が乗合い、料金や支払いのタイミングなどを丁寧に教えてくださいました。

カンポン・アイールでは現地の方々の生活を垣間見ることができました。カンポン・アイールで英語はほとんど通じません。しかし見知らぬ外国の若者にも積極的に話しかけてきてくれるおじいさんや子どもたちに心を洗われ、「英語も通じない土地で現地の方と楽しくコミュニケーション取っちゃってるオレ」にしばし酔います。

お金持ち国家の側面をこれでもかと見せつけられる場所がモスクたちです。こちらはスルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスク(行かれる方はぜひ頑張って覚えてください)。礼拝中以外は無料で中を見学することも可能です。自分は行っていませんが夜のライトアップも素敵だそうですよ。

こちらはジャミ・アス・ハサナル・ボルキア・モスク(行かれる方はぜひ頑張って覚えてください)。94年に国王の王位25周年を記念して作られたブルネイ最大のモスクだそう。ブルネイを代表する観光地なだけあって当時は韓国人団体の皆様で溢れかえっていました。ちなみに現地では、上で紹介したモスクの方が古いためオールドモスク、こちらのモスクの方が新しいためニューモスクと呼ばれて区別されていました(先に言えなどの苦情は受け付けません)。

ちなみに食文化はマレーシアとほとんど同じだそう。滞在中はナシゴレン風のもの、ミーゴレン風のものを食べる機会が多かったです。フィリピン発のジョリビーさんもいらっしゃいます。コロナ禍で海外渡航が難しい今、サクサクチキン不足という問題が深刻化を極めています。

自分がブルネイに思い入れが深い観光面以外の理由としてあげられるのが、宿泊したゲストハウスでの旅人との出会いだと思います。自分は普段からゲストハウスに泊まることがほとんどなのですが、宿泊者同士の関わりはあまり多くなく、さっと一人で食事を済ませ、さっと寝てしまうことが多いです。しかしブルネイでは宿泊者が極度に少なかったこと、旅に対するマインドが似ていたことなどがあり、毎晩のようにナイトマーケットでの夕食をとり、その後の談笑をする仲にまで発展した友達が3人(アメリカ、フィリピン、サウジアラビア)できました。

特にアメリカのダンは自分より1歳年上の(当時)22歳という若さながら国連加盟193カ国全ての渡航を目指した旅の途中でブルネイを訪れており、その後アフガニスタンやシリアも訪れた強者です。同世代ということもあり、彼には沢山の刺激と知識をいただいています。これまでの経験上、旅行先としてメジャーでない場所での出会いほど、高確率で自分と似たマインドを持つ旅人に出会える気がします。

Googleの検索ボックスに「ブルネイ 観光 」まで打ち込むと最初に出てくる予測検索ワードは「つまらない」です。周辺の東南アジア諸国と比べて観光名所も娯楽も少ないことは事実であり、自分自身そう言いたくなる気持ちも理解できます。それでも自分はブルネイが大好きになりました。

夕食後の談笑の時間、ブルネイ人のゲストハウスのオーナーに「今日は何してたの?」と尋ねると、「昼前に起きて海にいるイルカに餌をあげていた」と言っていました。もちろんお金持ち国家であれど彼のような生活をしている人は少数派でしょう。しかし、街中から感じる落ち着いた雰囲気、オーナーのイルカ発言や、街の人の態度から感じられる温かみと余裕、モスクの高級感、そして素敵な出会いたちそれぞれが、自分がブルネイという国を大好きなった理由なのだと感じました。冒頭の自分、このまとめは正解ですか。改めて、この記事からブルネイの魅力を感じてくださった純朴な皆様、ぜひお友達になりましょう。そしてあまり魅力を感じなかったパァリィピィポォの皆様、近々ドバイの年越しの様子を更新すると思いますのでご期待ください。

余談ですがブルネイはフィリピンのマニラを経由するとかなりお得に航空券が取れます。当時東京−ブルネイ間の直行便が10万円弱だったのに対し、自分は福岡からマニラを経由してのブルネイ往復で2万円代後半で購入できました(時間はかかりますが)。コロナ明け、ブルネイ旅行をご検討の際にはぜひ参考にしてください。

Camera: SONYα7Ⅲ, OLYMPUS PEN F(フィルム)

Lens: Voigtländer Nokton 40mm F1.2 Aspherical, OLYMPUS F.Zuiko 38mm F1.8

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