ケチ根性!!
昨日放送されたMBSラジオ「松井愛のすこーし愛して」の中であった話。
USJにて、“乗りたい!“アトラクションではなく、待ち時間を惜しんで、とにかく
“すぐ乗れる!“アトラクションへと走る人。
数年前までの私は、間違いなく後者だ。
この両者の違いは何か。
それは、まさしく“ケチ根性!!“だろう。
私は、年に一度は必ず遊びに行くほどUSJが好きだ。
もっとも、中には常に年パスを切らさず、毎日のようにパークを訪れる方もいらっしゃる。
そんな方々からすれば、私なんぞはW杯の時だけユニフォームを着て、首にタオルをかけ、ろくにルールも知らないくせに1プレーごとに一喜一憂する“にわかファン“同然だろう。
しかし、日常の中で無性にパークに行きたくなる時があるのだ。
人気絵本「ウォーリーをさがせ!」ぐらい不幸そうな人を見つけ出すことが難しく思えるほど、皆が幸せオーラに満ち満ちたパーク内の“非日常空間“に浸かりたくなる時がある。
そんな私のパーク内での過ごし方は、情緒もへったくれもなく、落ち着きがなかった。
乗るアトラクションの基準は「乗りたい!/乗りたくない!」ではなく、
「待ち時間」。
120分を超えるアトラクションは空くまで待つ。
90分を超えると要検討。
60分以内はすかさずGO。
パークを出た後の感想は、「〇〇に乗れたな!」とか「〇〇楽しかったな!」ではなく、「10個乗れたな!」とか「本気出したら、後2個は乗れたな!」の応酬。
まさしく、“質より量“。
それはまるで、バイキングで元を取るのに躍起になっているイケズなマダムのようだ。
一つでも多くのおかずを胃袋に入れるように、一つでも多くのアトラクションの爽快感を体に染み込ませる。
待ち時間次第では、1日のうちに同じアトラクションに2回も3回も乗ることもあった。
これは、その日のメニューの中で最も高価と思われるローストビーフに、何度も何度も繰り返し並ぶマダムに似た感覚だろうか。
そんなケチ根性の我々にとって、パレードの時間は絶好のチャンスだ。
テーマパークのパレードと言えば、コース料理における“デザート“のようなお待ちかねの存在だ。
中には、パレードを目当てにパークへ足を運ぶ方もいらっしゃる。
ハロウインやクリスマスになると、毎年必ずと言っていいほど情報番組で特集される。
それほど、テーマパークのパレードは人気の目玉イベントになっている。
だから、パレードの時間はパレード会場にお客さんが殺到する。
そして、アトラクションから人が消える。
昼間は3時間待ちだった期間限定の人気アトラクションが、その半分以下の時間で乗れたりする。
言うならば、真夏のリゾートシーズンに敢えて北海道に行く、真冬のスキーシーズンに会えて沖縄に行く、といったような感覚に近いだろうか。
シーズン真っ只中は観光客が集中するスポットも、時期をずらせば意外とゆったり過ごせることもある。
このように、ほんの数年前までの私はテーマパークではケチ根性が暴れ出し、忙しなく待ち時間が少ないアトラクションへと走った。
しかし、20歳をすぎた今となっては、パーク内の情景を観察しながらパーク内をのんびり散歩できるほどの情緒が身につき始めたのである。
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