#22_英会話を演技する

私は仕事柄、英文の契約書を扱うこともあるので、ある程度時間を割いて英語を勉強してきたつもりではあります。が、特に会話にはニガテ意識がなかなか消えません。

そもそも英語でコミュニケーションがとれるということは、単に英語が話せるということではなく、身振りやしぐさを含め、英語圏の人のやり方に合わせてふるまえる、ということでしょう。それは要するに、一種の演技に似ていると思います。たしかに英語で話すとなると、妙にオーバーアクションになったりして、われながら少し恥ずかしい気も。

しかし、演技だからといって、それは自分を偽ることでも、自分をなくすことでもないと思います。生きるうえで他者とコミュニケーションをとることは絶対的に必要であり、そうであれば、まずは相手に伝わらないことには始まりません。

たとえば日本人なのだから敬意はお辞儀で示す、というポリシーもだいじはだいじですが、英語圏の人からしたらフシギな風習なんでしょうね。目的が別にあって、それを実現することが必要なのであれば、相手の目を見てつよく手を握って、“I’m FLZ. Nice to meet you.” とでも言っておいたほうが効果的でしょう。そのあたりの割り切りが、最近は自然に腹落ちしてきた気分です。

要は、私たちにとってなじみ深いことわざ、「郷に入っては郷に従え」の示す通りだと思います。“Do in Rome as the Romans do.”

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