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ハードカレンシーとは?【世界から信頼を集める通貨】


「ハードカレンシー」という言葉をご存じでしょうか?

世界のお金はハードカレンシーソフトカレンシーの2つに分かれます。
カレンシーとは通貨という意味ですが、通貨にもハードとソフトがあるのです。
さらにハードカレンシーの中にはキーカレンシーと呼ばれるもの、ソフトカレンシーにはローカルカレンシーと呼ばれるものがあります。

では、
・なぜカレンシーはハードとソフトに分かれているのか?
・ハードカレンシー、ソフトカレンシーとは何なのか?
・キーカレンシー、ローカルカレンシーとは何なのか?

について紹介していきましょう。




【ハードカレンシーとは?】

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ハードカレンシーとは「国際決済通貨」のことです。

国際決済通貨とは国際市場で信用があり、他国の通貨と交換しやすい通貨のことを指します。他国の通貨との交換のほか、穀物や原油などを他国から買い入れるときの決済に使用できることも特徴の一つです。
ハードカレンシーを端的に表現すると「経済的に信用できる国の通貨であり、よほどのことがない限り持っていて損にはならない」という印象の通貨でしょうか。

ハードカレンシーの「カレンシー」は先述のとおり通貨という意味ですが、なぜ最初に「ハード」が付くかと言うと昔の通貨の価値は「どれだけの金と交換できるか?」で決まっていた時代がありました。
この体制を金本位制と言いますが、その時代の名残として
金は硬い物、硬い物=ハードと連想してハードカレンシーと呼ばれるようになったのです。

ハードカレンシーの対義語としてソフトカレンシーがありますが、ハードとは逆に「金との交換に使えない通貨」と見なされます。
そのため「信用が低いため他国の通貨と交換しづらく、国際間の取引で決済に使えない通貨」として扱われます。


ハードカレンシーとして扱われる通貨は以下のとおりです。

◇米ドル
ユーロ
日本円
英ポンド
スイスフラン

基準が明確でないため、場合によってはカナダドル、中国元を含めることもあるようです。


ハードカレンシーとして認められる条件には次のようなものがあります。

◇経済的に強国であり、外交的に信用できる国であること
多くの国が必要とする財(資源、食料、製品、サービスなど)を
 提供する力があること
国際市場のあらゆる場所で換金可能であること
国際的な銀行での取引が可能であること



【他にカレンシーにはどんなものがあるか?】

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前項でハードカレンシーについて紹介しました。

この項目ではハードカレンシー以外のものについて紹介します。


①キーカレンシー

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キーカレンシーとは「基軸通貨」のことです。
基軸通貨とは、国際間の貿易や金融取引で最も決済に使われる割合が多い通貨のことを指します。

現在の基軸通貨は米ドルです。

かつては英ポンドが基軸通貨でしたが、第一次世界大戦でヨーロッパの経済が疲弊した影響からその役割が米ドルに移りました。キーカレンシーには世界で最も経済的、軍事的に影響力のある強い国の通貨が選ばれます。

キーカレンシーとして選ばれる条件は以下のとおりです。

◇軍事的に指導的立場にあること
(戦争によって国家が消滅したり、壊滅的打撃を受けない)
◇発行国が多様な物産を産出していること
(いつでも望む財と交換できること)
◇通貨価値が安定していること
◇高度に発達した為替市場と金融・資本市場を持つこと
◇対外取引が容易なこと


(Wikipediaより引用)



②ソフトカレンシーとローカルカレンシー

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先ほども触れましたがソフトカレンシーはハードカレンシーとちがい、他国の通貨と交換しづらい通貨です。国際間の貿易で決済にも使われることはほぼありません。そのため、発行国の国内でのみ使われることがほとんどです。
他にソフトカレンシーとほぼ同様に扱われるものにローカルカレンシーがありますが、こちらも発行国の国内専用通貨と考えていいでしょう。
先ほどハードカレンシーとして扱われる通貨を紹介しましたが、あの中に含まれていない通貨はすべてソフトカレンシーです。

自国の通貨がソフトカレンシーとして扱われる場合、他国との取引での決済には使えません。そのため、決済のためにハードカレンシーとして扱われる国の通貨、いわゆる「外貨」が必要になります。
ソフトカレンシーの国は、外貨を持っていなければ貿易ができないと言っても過言ではないので、外貨準備と言われる国際間決済が可能な通貨をできるだけ多く用意する必要があります。ソフトカレンシーの国にとってハードカレンシーとして扱われる通貨を確保すること、その中でも基軸通貨である米ドルをできるだけ多く確保することは国の生命線だと言えるのです。
なぜなら、世界で最も流通していると言われる基軸通貨の米ドルさえあればどこの国とも取引ができ、どこの国の通貨とも交換することが可能だと考えられるからです。

ニュースでよく聞こえてくる二国間通貨スワップも、この生命線を守るための協力体制の一つと言えます。

日本も当然、米ドル、ユーロ、ポンドなどの外貨を確保しています。


【まとめ】

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ハードカレンシーとして扱われる通貨は、その発行国が積み重ねてきた信用を形にしたものと言えます。
この信用は一朝一夕には得られないものでしょう。

最後にカレンシーについて簡単にまとめます。

ハードカレンシー
・どの国の通貨との交換も簡単にできる
・国際間貿易の決済で使用できる


ソフトカレンシー
・他国の通貨との交換に時間が掛かるなどの不便さがある
・国際間貿易では決済に使えない

キーカレンシー
国際間貿易の決済で一番使われている通貨

ローカルカレンシー
発行国の国内でのみ流通する通貨

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