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今できる操縦体験という選択肢

Discovery FlightとかIntroductory Flight Trainingと言う仕組みがアメリカには一般的に存在します。パイロット資格取得に興味を持った人たちに対して提要する「操縦体験プログラム」です。

玉那覇が在籍していたFlight Training Centerも頻繁にこのプログラムを実施していて、多くの方々へ提供をしてきた経験があります。ほとんどの方が30分程度のフライトで驚くこと簡単に基本的な操縦はできてしまいます。そのための教官のテクニックも必要です。1番の目的は飛行機の操縦は意外と簡単であることを知ってもらい、尚且つ楽しいと思ってもらうことです。このプログラムを終えると、訓練に移行する者は多く、実際に免許取得はもちろん、プロパイロットとして活躍している者もたくさんいます。いわゆるパイロットの道への第一歩という大切なプログラムです。

アメリカで行われているDiscovery FlightやIntroductory Flight Trainingとはどういうものかという記事をご紹介します。この記事を見つけた時には「あ!同じだ!」と感動していつか紹介したいと思っていました。今のコロナの時期だからそこ紹介すべきだと思いました。

① It Will Be Casual

担当するパイロットはめちゃくちゃカジュアルです。フレンドリーでリラックスして「これから楽しもう〜」って意識です。なので笑顔いっぱいです。どんどん気軽に質問して構わない雰囲気です。

② It May Be a Small Airplane

みなさんが一般的に乗ったことのない小型飛行機です。座席数4席ほどの飛行機で、前席に座り担当するパイロットも横に並んで座ります。肩が触れ合うような小さい飛行機です。パイロット訓練を実施している機材であること=安全で信頼のできる機材であることの証です。

③ You Might Participate

ここの部分はプログラムを提供するスクールによって、パイロットによって異なりますが、基本的には空を楽しむことが一番のDiscovery Flightなので、操縦をしない可能性もありますが、操縦をさせてくれることもあります。操縦をさせてくれるところが上空に行ってからなのか、地上滑走や離陸を含めてほとんどさせてくれるところなど様々です。

玉那覇が所属していたFlight Training Centerでは地上滑走から全てやらせるというのが基本。なので体験者の満足度が高いのですが、未経験者に操縦させるには担当パイロットの訓練が必須でした。なぜならそこには高いレベルの知識・技術・経験が必要なのです。未経験者がやってしまうミスを把握しているか?機長としての安全運航を実現しながらも、目の前のカスタマーをおしゃべりで楽しませることができるか?これは単純にパイロットだからできるということではありません。

これをコンセプトとして国内に本格的なFSOフライトシミュレーション施設を立ち上げたのが2009年。これまで多くの操縦体験者を担当してきました。実機同様パイロット資格取得者も誕生しています。プロパイロットとして活躍している方もいます。

④ A Casual but Professional Preflight Briefing

実際の飛行機を乗る際にはドアの開け閉めやシートベルトの着脱方法他の安全ブリーフィングが航空法上必要となっています。フライトシミュレーターで実施する際にはここは割愛しますが、代わりに操縦方法の簡単な説明や飛ばす内容などを説明する時間としてしっかり抑えていきます。

⑤ There Might Be a Few (Small) Bumps

実際の飛行機を乗る際には気流の乱れなどで揺れが生じることもあります。フライトシミュレーターの場合には設定をあえて「揺れなし」にしています。もちろん揺れを設定することもできますよ。

⑥ You Will Wear a Headset

実際の飛行機を乗る際にはパイロットはヘッドセット(ヘッドフォンとマイクが合体したもの)を着用します。上空での騒音をカットし、管制官との無線通信を容易にし、パイロット同士の会話を容易にする効果があります。フライトシミュレーターの場合には実機ほどの騒音はないので、その必要はありませんがご希望で用意することもできます。フライトシミュレーターでの訓練に入った場合には、騒音がなくともヘッドセットを通しての無線通信やパイロットとのコミュニケーションの練習のためにあえてヘッドセットは着用するのがFSO流です。

⑦ You May Get Airsick

実際の飛行機では前述したとおり上空での揺れも一つの原因ですが、自分で操縦桿を動かして感ずる揺れも加わって「飛行機酔い」を引き起こしてしますこともあります。フライトシミュレーターでも実は目の錯覚で酔う人もいます。そのくらいリアルな体験とも言えるでしょう。

⑧ Learn What it Takes to Become a Pilot

担当するパイロットから飛行の楽しい体験談をたくさん聞くことができます。彼(彼女)らだって最初は皆さんと同じスタートラインに立っていたわけです。どうやってここまで来ることができたのかという体験談は貴重なお話になるはずです。

⑨ See the Local Area

実際の飛行機の場合には馴染みのある場所が小さく見えます。空から見る街、山、川、湖などまるで鳥になったような気分です。フライトシミュレーターではぜひ自分の街の上空を飛んでみてはいかがでしょうか。

⑩ Discovery Flights Usually Take 1-2 Hours

実際の飛行機の場合には、フライト前に15~20分程度のブリーフィングから始まり、30分から1時間程度のフライト、フライトを終えてからは写真撮影やパイロットへの質問タイムなどがある流れになり、約1時間から2時間程度かかるのが一般的です。フライトシミュレーターとはいえ同じ程度時間をかけてじっくり楽しんでいくことをお勧めします。

Most Importantly, Expect to Have Fun

最も大切なこと。ワクワク感満載の楽しい操縦体験プログラムであることを期待してください。

日本国内では実機での操縦体験にはある程度の書類手続きが必要であること。渡米してフライトするにはコロナの現状では厳しい状況であること。パイロット資格取得に興味を持っているのであれば、アメリカのDiscovery Flightと同じコンセプトで実施しているFSOフライトシミュレーター体験をお勧めします。

そしてFSO下地島訓練センターでは、元JALの訓練センターを活用して、フライトシミュレーターや座学講習を通して自家用操縦士の訓練を体験できる様々なプログラムを用意しています。

今週のパイロットクラブメンバーシップデイではこれらの参加者を募って下地島訓練ツアーを提案したいと思います。


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