西嶋明子

コロナ禍の世界。石の重さも違って感じられるような日々。20年来のニューヨークの住人がみ…

西嶋明子

コロナ禍の世界。石の重さも違って感じられるような日々。20年来のニューヨークの住人がみなさんに綴る、過去、未来、現在のことがら。日記であったり、物語であったりします。

マガジン

  • コロナ時代のヨガ教師

  • たまには文化にどっぷりと(ダンス、ジャズ、三線、アート)、)

記事一覧

音の世界というもの

大雨の夜、カーネギーホールに辻井伸行さんのピアノコンサートを聴きに行った(もちろん自転車)。*ちなみに辻井さんの「辻」は点が一つのものらしいが、普通にタイプでき…

西嶋明子
1年前
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冬空に魔笛

寒い寒いクリスマス・イブのお昼に、モーツアルトのオペラ「魔笛」をリンカーンセンターのメトロポリタン・オペラハウス(メト・MET)に観に行った。オペラのことは何にも…

西嶋明子
1年前
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ダッチオーブンの哲学

アメリカに住んでいると年の瀬よりもクリスマス前が慌ただしくなる。特にうちは息子の誕生日がクリスマスイブなので、誕生日パーティとクリスマスが重なって何度もケーキや…

西嶋明子
1年前

種子島のはなし・その2

2日目。 昨日から、どうも明日は風が強く波が高くなりそうだと言われていたものの、いやいや、みんな遠くから来たんだからちょっとくらい船に乗せてくれとひっそり思ってい…

西嶋明子
1年前
3

種子島のはなし

種子島には鹿児島を経由しないと行けない。 簡単な観光マップにはちゃんとした位置にも載ってないし、島の形すらないこともある。 私たちは奄美大島から行くので船と飛行…

西嶋明子
1年前
1

からだを変える9日間のヨガワークショップ

もうすぐ日本はゴールデンウィークの期間になるので、お出かけを予定されている方も多いと思います。そして実はこの期間中、私はニューヨークの自宅からオンラインで”京都…

西嶋明子
2年前
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自分の中心を感じる

毎週2日間オンラインで教えている日本語インヤンヨガクラス。 次回のテーマは「自分の中心を感じてバランスをとる」です。 めちゃ基本で今さらって感じですが・・・ とい…

西嶋明子
2年前
2

聖者が行進するとき

3-4歳の子どもたちとヨガをさせてもらっている日本語の幼稚園(プレ・プレキンダー)にジャズバンドがやってきてミニ・ライブをしてくれた。生徒のお父さんがジャズミュー…

西嶋明子
2年前
4

ニューヨークで琉球文化の架け橋に触れる

今年が沖縄の日本復帰50年目にあたるということを沖縄県民以外の日本人で知っている人はどれくらいいるのだろう。ニューヨークでもジャパンソサエティで沖縄関連のイベント…

西嶋明子
2年前
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ニューヨークで福島ピースウォーク

今年も3.11、福島第一原発メルトダウン事故を想いながらニューヨークにあるインディアン・ポイント原発まで平和行進に参加させてもらった。 メトロノース鉄道ピークスキル…

西嶋明子
2年前
1

雪の日にニューヨークで

雪だけどせっせとマンハッタンのアッパーウェストへランチに行ったよ。 やっぱクイーンズと違って洒落てるわあ〜😀 ウェストサイドっていつも道がよくわからない。コロン…

西嶋明子
2年前
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もぐらの誕生日のひみつ

今日2月2日は、アメリカでは「グラウンドホッグ・デー」と呼ばれる地面からもぐら(本当は別名ウッドチャックと呼ばれるでかいリスですが、もぐらの方が似合うので勝手に…

西嶋明子
2年前
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昔といっても4年前だけど

(4年前にFBに書いたものを読み返してしみじみしたのでここに載せておきます) 最近は一人で眠れるようになったアカルくんだが、今度は母がさみしくなってたまに狭いベッド…

西嶋明子
2年前

こどもとヨガがたのしくてたのしくて

今年の初めからブルックリンのアフタースクールでヨガを教えている。 いろいろ感じたことがあったので今日はその話。 アフタースクールとは日本でいえば学童みたいなもの…

西嶋明子
2年前
7

アイアンガーヨガのつよい女たち

昔インドネシア人の男性同僚に「男と女の人生ってどっちが大変だと思う?」と聞いたら 「たぶん女だろうね」 という答えが返ってきた。 理由は「いろいろ責任を押し付けら…

西嶋明子
2年前
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1月17日

あの日の前日まで私は2週間くらい風邪をこじらせていて同じ京都市内にある実家に戻っていた。 やっと熱も下がったので寒い古アパートに帰ってきて、大きな木の横にある部…

西嶋明子
2年前
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音の世界というもの

音の世界というもの

大雨の夜、カーネギーホールに辻井伸行さんのピアノコンサートを聴きに行った(もちろん自転車)。*ちなみに辻井さんの「辻」は点が一つのものらしいが、普通にタイプできないので「辻」とさせてもらいます。

クラシックのことは全くよく知らない私。でも以前辻井さんの人生を幼少時から遡ってまとめたドキュメンタリー番組を観たことがあり、彼のはち切れんばかりの笑顔と明るい弾き方がとても印象に残っていたので一度生で聴

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冬空に魔笛

冬空に魔笛

寒い寒いクリスマス・イブのお昼に、モーツアルトのオペラ「魔笛」をリンカーンセンターのメトロポリタン・オペラハウス(メト・MET)に観に行った。オペラのことは何にも知らないのだが、これは冬のホリデー・ファミリー・プログラムなので何とかなるだろうと思い、今日が誕生日の息子と行った。

この日、ニューヨークは全米を襲う大寒波の影響で日中でも-13℃。車を降りてリンカーンセンターまでのたった1ブロックが流

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ダッチオーブンの哲学

ダッチオーブンの哲学

アメリカに住んでいると年の瀬よりもクリスマス前が慌ただしくなる。特にうちは息子の誕生日がクリスマスイブなので、誕生日パーティとクリスマスが重なって何度もケーキやプレゼントを買う羽目になってしまう。といっても普段うちは慎ましい生活。年に1度だけちょっと買い物をして贅沢な気持ちになれるのでかわいいもんである。私はいつもあまり物ではなくて、みんなでどこかに行くイベントなどをプレゼントにしている。

今年

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種子島のはなし・その2

種子島のはなし・その2

2日目。
昨日から、どうも明日は風が強く波が高くなりそうだと言われていたものの、いやいや、みんな遠くから来たんだからちょっとくらい船に乗せてくれとひっそり思っていた。なのに朝起きて外に出たら何やら台風の前のような横向きの風が・・・。次第にこれはちょっと、と素人にも思えるような強風になって雨も時折降るようになってしまった。

雨はまだしも風が強いと漁船は出ない。

種子島で漁船?
と思われるかもしれ

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種子島のはなし

種子島のはなし

種子島には鹿児島を経由しないと行けない。
簡単な観光マップにはちゃんとした位置にも載ってないし、島の形すらないこともある。

私たちは奄美大島から行くので船と飛行機のどっちで行こうか考えていたが、奄美大島と種子島の距離がわかる地図を探すのにしばし時間を要してしまった。本当はフェリーで行きたかったが時間もないので奄美から飛行機で鹿児島空港に行き、それから空港リムジンバスで鹿児島港に行き(遠い)、高速

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からだを変える9日間のヨガワークショップ

からだを変える9日間のヨガワークショップ

もうすぐ日本はゴールデンウィークの期間になるので、お出かけを予定されている方も多いと思います。そして実はこの期間中、私はニューヨークの自宅からオンラインで”京都国際ダンスワークショップ・フェスティバル”というものにヨガ教師としてワークショップを教えます!

題して

「からだを変える9日間のヨガワークショップ」

ジャジャーン(⌒▽⌒)

このフェスティバルはコロナ禍以前はもちろん対面のみで、世界

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自分の中心を感じる

自分の中心を感じる

毎週2日間オンラインで教えている日本語インヤンヨガクラス。
次回のテーマは「自分の中心を感じてバランスをとる」です。

めちゃ基本で今さらって感じですが・・・
というのも

自分の中心となる軸から動けたら全てが楽に動けるんじゃないかと私はいつも思っているのです。私の体のいろんな部分はあちこち歪んでいて、お互い違うことを言い合っていることが多いのですが、それを一つ一つ聞いて何とかまとめるのではなく、

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聖者が行進するとき

聖者が行進するとき

3-4歳の子どもたちとヨガをさせてもらっている日本語の幼稚園(プレ・プレキンダー)にジャズバンドがやってきてミニ・ライブをしてくれた。生徒のお父さんがジャズミュージシャンだということでまさしくニューヨークっぽい話だけど、そんな小さい時期に一流ミュージシャンの生演奏を教室で聴けるなんて本当に素晴らしい体験だと思う。

私は演奏を聞かなかったけど短いビデオを見た。
“When the Saints g

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ニューヨークで琉球文化の架け橋に触れる

ニューヨークで琉球文化の架け橋に触れる

今年が沖縄の日本復帰50年目にあたるということを沖縄県民以外の日本人で知っている人はどれくらいいるのだろう。ニューヨークでもジャパンソサエティで沖縄関連のイベントが行われていて、メインとなる琉球舞踊のパフォーマンスに私も行ってきました。

今公演の演出ディレクターは宮城流の嘉数(かかず)道彦さんというまだ40代前半の方ですが、なんと国立おきなわ劇場の芸術監督を33歳からやっておられるとのこと。古典

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ニューヨークで福島ピースウォーク

ニューヨークで福島ピースウォーク

今年も3.11、福島第一原発メルトダウン事故を想いながらニューヨークにあるインディアン・ポイント原発まで平和行進に参加させてもらった。

メトロノース鉄道ピークスキル駅前で集まって、そこから2マイル(3.2キロ)歩いてニューヨークのインディアンポイント原子力発電所まで歩く。長年ピースウォークをやっている日本山妙法寺の純さんとマサチューセッツのピースパゴダのトビーお上人を先頭に、下は9歳、16歳の若

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雪の日にニューヨークで

雪の日にニューヨークで

雪だけどせっせとマンハッタンのアッパーウェストへランチに行ったよ。

やっぱクイーンズと違って洒落てるわあ〜😀

ウェストサイドっていつも道がよくわからない。コロンバスとかアムステルダムとか道の名前は番号にしてくれとつぶやきながらスノーブーツでわしわし歩く。

赤いラインのサブウェイってさ、なんかいつも車内暗いし、週末のゆっくり運転度も高めのような。ごとごとごと、と電車は行く。(たまにはいいけど

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もぐらの誕生日のひみつ

もぐらの誕生日のひみつ

今日2月2日は、アメリカでは「グラウンドホッグ・デー」と呼ばれる地面からもぐら(本当は別名ウッドチャックと呼ばれるでかいリスですが、もぐらの方が似合うので勝手にもぐら扱い)がそろそろ春かなと顔を出す日らしい。出てきて後ろを振り返って自分の影を見たらその年は後6週間冬が続き、影を見ずにその場にとどまっていたら春は近いそうです。何でやねん。。ちなみに今年はもちろん影が見えて冬続行。。。

この習慣はヨ

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昔といっても4年前だけど

昔といっても4年前だけど

(4年前にFBに書いたものを読み返してしみじみしたのでここに載せておきます)

最近は一人で眠れるようになったアカルくんだが、今度は母がさみしくなってたまに狭いベッドにもぐりこんで無理やり日本語の本を読んで聞かせている。

私と一緒に眠るときはいつも「マイ・キッズ」と呼んでいる4つのぬいぐるみを間に並べてひとりひとりにちゃんと毛布をかけてあげるアカルくんなのだが、たまにぬいぐるみを撫でながら"I'

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こどもとヨガがたのしくてたのしくて

こどもとヨガがたのしくてたのしくて

今年の初めからブルックリンのアフタースクールでヨガを教えている。
いろいろ感じたことがあったので今日はその話。

アフタースクールとは日本でいえば学童みたいなものだろうか。
アフタースクールは高校まであって、大抵はその日なにをするか決まっている。サッカーだったり、映画を見たり、宿題をする日だったり、好きなプログラムを自分で選んで登録する。市立は大抵無料、私立は有料などさまざま。

私が行っているの

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アイアンガーヨガのつよい女たち

アイアンガーヨガのつよい女たち

昔インドネシア人の男性同僚に「男と女の人生ってどっちが大変だと思う?」と聞いたら
「たぶん女だろうね」
という答えが返ってきた。

理由は「いろいろ責任を押し付けられて家庭を支えないとダメだし」「社会的に弱い立場でもある」だからだそう。

今の時代、「女性」と言っても生き方や環境が様々なので一括りにはできないが、やはり弱い立場、責任を押し付けられる立場というのは言えると思う。

すぐに「女」と答え

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1月17日

1月17日

あの日の前日まで私は2週間くらい風邪をこじらせていて同じ京都市内にある実家に戻っていた。

やっと熱も下がったので寒い古アパートに帰ってきて、大きな木の横にある部屋で眠っていた。そして突き上げるような揺れに飛び起きた。

京都は静かだった。周りは何もない丘の上のアパートだったせいか外からも特に物音は聞こえなかった。

すぐに電話がかかってきた。母からだった。

「大きかったな」
「すぐにテレビをつ

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