東京大学陸上部、大手外資系企業出身のふたりがFLUXで再び出会うまでの歩みとは
FLUXは「日本経済に流れを」をミッションに掲げ、テクノロジーと専門人材の力でオペレーション効率を高めるサービスを提供しているスタートアップです。
そんなFLUXには大手コンサルファームでトッププレイヤーだったメンバーや、外資系投資銀行で活躍してきたメンバーなど、多様なバックグラウンドを持ったメンバーが集まっています。そうしたメンバーは、なぜ大手企業からスタートアップであるFLUXに入社してきたのでしょうか。
東京大学大学院修了後、外資系投資銀行に就職し、M&Aのアドバイザリーとしてのキャリアを歩んできた福島 洋佑。また東京大学卒業後、実業団に所属してプロの陸上選手として活躍した後に、外資系コンサルファームに就職した近藤 秀一。東大陸上部時代に先輩、後輩の関係でもあったという福島と近藤は、大手企業を経てFLUXに入社したメンバーです。
そこで今回は福島と近藤が、FLUXに入社することを決めた理由や前職との違い、二人が感じるFLUXのカルチャー、そして今後の展望について語りました。
活躍した陸上選手が外資系投資銀行やコンサルファームでのキャリアを歩んできた理由
――おふたりとも東大時代は陸上競技で全国レベル、近藤さんは卒業後もプロとして活躍されていたと伺っていますが、あらためておふたりのこれまでのキャリア遍歴を教えていただけますか?
福島:私は学生時代の中学から大学院まで約12年間、陸上競技に打ち込んできました。陸上競技は結果が数字で表れて評価される世界。自身のキャリアにおいても若くしてチャレンジすることができ、陸上競技と同じように成果を出せばしっかりと評価されるような環境で働きたいと思い、大学院修了後は外資系の投資銀行に就職しました。
投資銀行では”Up or Out”と呼ばれる最初の3年間で結果を出して昇進しなければいけない環境で約6年間、M&Aのアドバイザリーとして案件の遂行支援を担当。大手であったため、案件も数千億円といった大規模で、グローバルのチームと連携しながらM&A案件を遂行してきました。新卒入社間もない頃から、日本を代表する企業の重要なコーポレートアクションにグローバルチームと連携しながら携わることができ、非常にやりがいのある仕事でした。その後FLUXに入社し、現在はVP of Finance 兼 財務・M&A戦略部の部長としてM&A案件や資金調達等を担当しています。
近藤:私も学生時代は陸上競技をやっており、大学4年生のときに関東学生連合として箱根駅伝に出場。卒業後は実業団に入り、ニューイヤー駅伝にも出場するなど、プロとして陸上競技に取り組んできました。
そして3年後に陸上競技を引退したのですが、陸上選手だった頃から「自分の名前で戦えるようになる」ということを自分の理想像として追い求めていたため、コンサルタントであればお客様から指名で仕事を任せてもらえるのではないかと思い、外資系のコンサルティングファームに就職します。
そこでは国内大手企業の事業戦略策定支援や新規事業開発支援などを担当してきました。約2年半ほど働いた後にFLUXへ入社、現在はコンサルタントとして、FLUX Insightで企業の事業推進を伴走型で支援しています。
――前職では大手外資系企業に務めていたおふたりが転職を考えるようになったキッカケを教えてください。
福島:前職では最初の3年間で無事に昇進し、そして次の3年間でも徐々に裁量が増えていたのですが、このままM&Aアドバイザリーの専門家としてのキャリアを歩んでいくのか、それともこの専門性を活かしてまた別のキャリアを歩むべきなのかと、自身のキャリアについて考えるようになりました。
特にアドバイザリーはあくまでもアドバイザリーであって、最終的な意思決定はクライアントにあります。そしてM&A完了後の事業成長に関しては直接関与できる立場ではないため、大きなコーポレートアクションを支援するだけでなく、その事業を主体として動かしていきたいという思いが強くなっていました。
またグローバル企業であったため、常に本社の意思決定に従い、日本支社は世界の中の一部署のような位置付けでした。そして上司や同僚は能力も高く、人柄も良いメンバーが揃っているにもかかわらず、人材の流動性が高いがために、組織としては育ちづらい。もともと陸上部時代の経験や大学院での研究内容から組織づくりにも感心があったため、主体性を持って事業を動かすことができ、さらに組織としても成長していくような環境で働きたいと思うようになったことが転職のキッカケでした。
近藤:「自分の名前で戦えるようになる」という自分の理想に対して、前職は歴史と知名度がある会社でもあったため、多くの場合はクライアント起点で案件を発注いただき、それを現場がさばくという構図になっていました。そのため、このままの延長線上に自分の理想とする未来があるのだろうか、と薄々感じていました。
ただ、前職に対して不満があったわけでもなく、コンサルタントとしての仕事も好きであったため、実は転職活動は考えていませんでした。そうした中、陸上部時代の先輩だった福島さんと話す機会があり、FLUXについていろいろと話を聞いてくうちに「おもしろそうな会社がある」と思ったことが転職の大きなキッカケでした。
トップクラスの環境からFLUXでの新たな挑戦で気づいた成長するために必要な文化とマインド
――転職先として様々な候補があったかと思いますが、最終的にFLUXに決めた理由は何でしたか?
福島:当時は新たな専門性を身に付けたいと思う一方で、M&Aのアドバイザリー業務だけをやってきた自分に対して焦りも感じており、何か新しいことにチャレンジするなら今のタイミングしかないだろうと思っていました。
そうした中、リファラルでFLUXを紹介してもらったのですが、FLUXは未上場のスタートアップにもかかわらず、積極的にM&Aをやっていこうとしていたり、資金調達やIPOの準備にも携われる可能性が高いことから、自分のスキルを活かしつつ、新しい領域に幅を広げていけそうだと感じたことが決め手のひとつです。
そして実際にFLUXのメンバーや経営層に会ってみると、みんなレベルが高い。スキルだけでなくて志も高く、事業に対してはもちろん、こういった組織にしていきたいんだという強い思いを持っていて、人の部分で安心感がありました。
そういった人たちが集まっているからこそFLUXは成長しているのだろうし、これからも成長していくFLUXで私自身も挑戦し、よりFLUXの成長を加速させられる存在になりたいと思い、FLUXへの入社を決めました。
近藤:福島さんにFLUXについての話を聞いて思ったのは、FLUXはIPOを目指しているということは持続的な成長をしていこうとしているのだということでした。
私は陸上部自体に約150人いた組織でキャプテンを務めていたのですが、短距離チームや長距離チームなど、会社で言う部門に分かれていた組織であったため、以前から組織づくりには興味を持っていました。ただ、前職のコンサルファームは非常に流動性が高い組織でしたし、それがコンサル業界の常識だとすら思っていました。しかし流動性が高いとやはり組織として成長しづらいわけです。
一方では持続的に事業を成長させ、そのために組織としての成長にも取り組んでいる会社。FLUXは私が知っているコンサルのあり方ではないからこそ、どうやって組織づくりをやっているのか知りたいという興味が湧いたことが転職の決め手でした。そして福島さんから「まわりに誰かFLUXに興味を持ちそうな人はいないか」と言われたのですが、私のまわりの人よりも私自身がFLUXに向いているだろうと思い、二つ返事で「私がいきます」と答えていました。
――実際にFLUXに入社してみて、あらためてFLUXの魅力だと感じたことは何かありますか?
近藤:どの企業もバリューを掲げていたりしますが、形骸化しているケースも珍しくありません。しかし、FLUXではバリューが評価にしっかりと落とし込まれていて、業務においてもバリューに基づいて意思決定をしているところが魅力のひとつだと感じています。
たとえば「80/20」 ”常に大事なことだけにフォーカスする” というバリューがFLUXにはあります。コンサル業界では、クライアントから何を聞かれても答えられるようにと、とにかく何十枚ものプレゼン資料を作成したりしますが、実際に使われることが無い場合もあります。ジュニアクラスの立場だと、使われない可能性がある資料までひたすら作成しないといけない局面もあり、私自身無力感を感じることも過去にありました。
しかし、FLUXではみな常に「これは本当に必要なのか」といった視点を持っており、必要ないとわかればすぐにやらないという意思決定をします。当たり前のように思われるかもしれませんが、実際の業務でそうした意思決定ができるのは新鮮でしたし、素晴らしいなと感じました。
そして、お客様が他に困っていることがあれば、その分の空いたリソースをそっちに使おうという考え方のため、結果的にお客様にとってもより重大な課題解決に繋がりますし、会社視点でも新たな提案ができて事業成長にも繋がったりと、双方にメリットがあり、働いていて大きなやりがいに繋がっています。
福島:私も前職では、非常に分厚い資料を作成し、フォントや図の位置などの細部までこだわっていましたが、結局会議では使われないこともありました。しかし、FLUXに入社間もない頃に「やることを決めることはもちろん、やらないことを決めるのも仕事」と言われて、自分自身だけでなく、メンバーに対しても余計なことをやらせない、そうした意思決定をするのが私の仕事だと言われた時はカルチャーショックを覚えると共に、改めてFLUXのバリュードリブンなカルチャーに共感しました。
また、FLUXにはグロースドリブンというカルチャーがあり、個人が成長することで企業が成長し、さらに個人ができることが増えていくという考えが浸透しています。例えば私が担当しているM&Aでは、M&Aの部署だけでなく、事業部メンバーやコーポレートサイドなど、様々な部門の人たちと協力していかなければなりません。
普通であれば「それはM&A部の仕事なのに、なぜ自分たちの仕事を増やすのだ」と思われても仕方がありませんが、FLUXでは他部署の人たちも積極的に協力してくれますし、会社が成長するためならやったほうがいいし、それが一人ひとりのキャリアにもプラスになるというマインドをみんな持っています。このように、会社のカルチャーやバリューが、どの部署、どのレイヤーにも浸透しているというのは感動しましたし、FLUXの大きな魅力だと感じています。
近藤:FLUXではみんなで称え合う文化があり、リスペクトし合う文化があるからこそ、FLUXの一つひとつを自分ゴト化できると感じています。
そしてFLUXは事業成長と組織成長がセットになって考えられています。企業によっては事業は成長しているけれども、組織としては成長していないということもあるでしょう。数字を伸ばすことだけにフォーカスしてしまい、人が代替可能なリソースとしてでしか機能していないこともあったりします。
一方でFLUXはスタートアップであるということもあり、新規のお客様から案件をもらい、そこでパフォーマンスを出さなければ信頼は得られませんし、次の案件へと繋がっていきません。だからこそ、FLUXは一人ひとりのパフォーマンスをいかに高めるかという視点で組織づくりがされていることはとても魅力的だと感じました。
大手に残り続けることはリスクにもなりうる。FLUXへの転職はキャリアアップになると思った
――大手企業からスタートアップであるFLUXへ転職することに戸惑いや不安は何かありましたか?
福島:前職の仕事は世の中的にはハイキャリアと言われるポジションではありましたが、時間が経てば経つほど、キャリアをスイッチすることは難しいだろうとも思っていた中、自分の専門性を広げていきたいと考える私にとっては、むしろそこに残り続けることのほうがリスクだと考えていました。
もちろんスタートアップと言えど、企業によってフェーズであったり、経営メンバーのレベルも様々だろうと思っていたため、はじめは本当にスタートアップに転職して大丈夫なのだろうかという不安もありました。しかしFLUXの人たちはみな優秀で、会社としても成長しており、また前述したグロースドリブンのカルチャーがあるからこそ自分の守備範囲も広げられるため、FLUXへの転職は自身にとってキャリアアップになると思えました。
また、FLUXはシリーズBのスタートアップであったというのも、ある意味ちょうどいいなと。アーリーフェーズのスタートアップだと本当に成長していけるのかわかりませんし、成長し過ぎると大企業と違いがありません。
ある程度の組織規模でありつつも、これからもっと成長角度を高めていこうというフェーズだということも、不安を払拭できた要因のひとつでした。
そして実際に入社してみたら想像以上のスピード感で、1年前といまでは自分の仕事の範囲も大きく変わっています。さらにハードスキルだけでなく、たとえば大きな変化に対応する柔軟力や胆力、部署やグループ会社横断で物事を進めていく推進力などのソフトスキルも自然と身についていくため、FLUXでやれていれば自分で起業してやっていく力が身につくなと思えるほど。
さらに、大手からスタートアップへ転職することでの報酬面を気にする方もいるかもしれませんが、FLUXはハイパフォーマーに対してしっかりと報酬を出す会社で、私自身も生活水準は変わっておらず、そういった面も安心できるポイントだと思います。
近藤:私の場合はむしろ、FLUXに入社して給与水準は上がっています。当然ながらキャリアフェーズなどによっても異なりますが、給与面で大きく不安に感じる必要はありません。
そして、私にとっては生成AIがより身近な存在になったことがFLUXに入社したメリットのひとつだと感じています。前職でも生成AIを活用する動きはありましたが、活用度は人それぞれで、体系立てて活用してはいませんでした。
しかしFLUXではAIを競合との差別化ポイントの一つとして掲げており、そもそも自分たちが生成AIを十分に使いこなすべきだという価値観が浸透しているため、生成AIを活用するためのプロンプト含め、体系立てて生成AIを活用する環境が整っています。だからこそコンサルタントにとっても生成AIが身近な存在で、生成AIの活用水準が非常に高い集団だと感じています。
――その他、前職との違いやスタートアップならではの体験ができていると感じることは何かありますか?
福島:前職はグローバルチームとのやり取りもあったため、時差の関係もあり、必然と労働時間は長くなりがちでした。そのため、まわりからはFLUXに入ってラクになったかと聞かれることもあります。もちろん労働時間は改善されましたが、80/20のバリュー含め、FLUXでは自ら意思決定する機会が多くあるため、毎日ヘトヘトになっています。フルマラソンから、100m走100本に競技が変わったイメージです。
ただ、それは筋トレのようなもので、自分の成長のために必要な負荷であり、自分の責任で意思決定を行い、その結果に対してまたどうアクションを起こしていくかを決めていくというのはとても面白く、スタートアップならではの経験だと感じており、グローバル企業での働き方との大きな違いだと思います。
近藤:物事の進むスピード感は、前職とは圧倒的に違うと感じています。前職ではクライアントと会うのは週1の定例のみで、2~3ヶ月経ってプロジェクトが終わってから、クライアント側で最終的な意思決定を下すという性質の案件もありました。
しかし、いまは新規事業の立ち上げ支援を行っているのですが、1日単位でクライアントと意思決定を積み重ね、アクションに落とし込むといった動き方のため、事業を推進している手触り感が強くあります。
また、クライアントにとっては窓口である私がFLUXの代表であるからこそ、FLUXが他のコンサル会社よりも水準が高いと思われるか、低いと思われるかは私次第です。だからこそ責任感を感じていますが、大手のコンサルティングファームよりもFLUXのほうが良いと思われるよう、最大限のパフォーマンスを発揮したいと常に思っています。
――最後に、おふたりの今後の展望を教えてください。
近藤:もともと持っていた「自分の名前で戦えるようになる」という大きなゴールを、FLUXの環境なら実現できると思っていますし、実現していきたいと考えています。
そして、すでにFLUXのトッププレイヤーの人たちはそれを当然のように実現しているロールモデルがいて、自分と変わらないレイヤーのメンバーであっても、その方を起点に継続案件が生まれたりと、個人がクライアントから信頼されて次の仕事に繋がっているケースがFLUXでは多く目の当たりにしています。そういった人たちが普通にいる環境だからこそ、私自身も早く結果を出し、信頼を獲得して、自分の名前で戦えるようになりたいです。
福島:M&Aという自分のスキルセットからできることを広げていきたいと思って入社しましたが、この1年間でM&Aだけでもチームの立ち上げから、2件の買収、そしてPMIまで実行することができ、また資金調達やIPO準備、取締役会・経営会議の運営、事業計画の策定など任せてもらえる領域が想像以上に増えてきました。
今後、FLUX自体のステージが上がっていくにつれて、できることや規模はより大きくなっていきますが、コーポレートアクションを通じて、事業や会社の成長をドライブする人材になっていきたいと思っています。
そしてM&Aを進めていく上で、買収して終わりではなく、買収後も一緒に成長していくところまで注力していき、FLUXという会社体や株主だけでなく、グループジョインいただいた会社や経営陣・従業員の皆さん、FLUXでPMIに携わるメンバーも含めて皆が良かったと思えるようにしていきたいですし、そうした事例をつくっていくことでFLUXに入りたいという企業が増え、より多くの人や企業が幸せになるようなことにチャレンジしていきたいと思っています。