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最近のエネルギー、新電力撤退について

5月末から6月にかけ、仕事が立て込んでおり、少し更新期間が空きました。

その間ウクライナ戦争の長期化、急激な円安によるさまざまな値上げなど、かなり私たちの生活に影響が出てきております。そんな中、北海道電力でも5月23日に新電力からの高圧電力の新規受付を停止いたしました。

全国的にも新電力が事業撤退し、電力会社を変えようとしても受付を停止、電力難民となる事象が発生しています。

さて、下のグラフは北海道の月別平均電力スポット価格(電力仕入原価)と北海道電力の法人向け高圧一般料金単価(販売価格)との比較グラフです。
実際には多く電力を使うお客様には15.06円よりも安く販売していたり、基本料金による収入もありますが、傾向を見るのに作成しました。

フロー作成 転載厳禁

昨年1月のスポット価格はLNGの在庫不足により、66.59円/kWhと大幅に跳ね上がりましたが、その後は平均7.63円/kWhと落ち着きました。
しかし昨年の9月より電力スポット価格が上昇しているのがわかります。
原因は世界的な新型コロナからの需要の急回復による供給不足による石炭、天然ガスの資源の高騰、そこに2月からのロシアとウクライナの戦争により化石燃料を主とする電力発電コストが上がっている為です。

現在のところ平均価格は17.94円/kWh、前年差+11.00円、一昨年差+12.33円と大幅増となっています。

今の価格だと法人の高圧電力は(販売価格)より(電力仕入原価)が高くなり、売れば売るだけ赤字が膨らむことになります。これが電力会社の相次ぐ値上げ、事業撤退となっているのです。

しかも今後円安の影響や、ウクライナ戦争の長期化から価格が下がる要素は少ないと懸念されることから、今後電力価格値上げはまだ進む可能性があります。

電力自由化で新電力は増えましたが、自社で発電所を持っていない、もしくは持っていてもFIT売電の場合は市場から仕入れる形となり、価格高騰の影響を受けます。しかし、自社でFITを使わない発電所を持ち、管理することに対する収益性やリスクは相当なものです。しかしこれからそうした思いでエネルギーを見直すことが必要となってくると感じます。

脱炭素とエネルギー転換のはざまで、国も社会も生活や価値観を変えなければならないと痛感しています。

エネルギーの話はまた次回。

十勝岳


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