芸人のビジネス感
芸人の友達が芸人を辞めてパンケーキ屋さんに就職した。
そのパンケーキ屋さんは、インバウンドのお客様が多く、単価が安いので回転率を高めて売り上げを上げるビジネスモデルだ。
その元芸人の友達がそのビジネスモデルに対して、
「食べてもらったら回転率を上げる為に、退店するのを促さないと行けないし、現状集客できているのでパンケーキのクオリティーには向上心がない。お客さんに対して心苦しい。」
と言っていた。
回転率が命のビジネスモデルなので、退店を促すのもある程度仕方ない。
パンケーキのクオリティーに対して向上心がないのも、お客さんの顧客満足度がある程度高いのであれば問題ない。
むしろインバウンドの方の心理としては美味いパンケーキが食べたい訳ではなく、日本に旅行に来て「日本で流行ってるパンケーキを食べる。」という事柄が大切で、クオリティと顧客満足度は比例しないのかもしれない。(旅行に行ったら現地のものをそんなに美味しくなくてもお決まりで食べる。みたいな感覚)
と思う。
理由を考えればそこに心苦しさなど感じる必要はないのかもしれない。
けれどここに心苦しさを感じるのは、芸人生活が長かったからではないかと考えた。
というのも芸人のビジネスモデルってとても変わっているからだ。
芸人のビジネスモデル
一言で言うと、「利益とか考えず、顧客満足度を高めるだけの仕事。」だからだ。
芸人時代、ギャラは500円、高くても一舞台2000円ほどだった。
500円のギャラでも、ネタを作るのに何十時間も喫茶店で考え、ネタ合わせを何十回もする。
もっというとネタを作れるように、色んなテレビを研究し、流行に触れ(映画を見に行ったり、本を読んだり)、先輩の舞台を勉強しに行く。
ここでかかる費用、喫茶店代、交通費、映画代はゆうにギャラの500円を超える。
そしてここに費やす時間も数十時間はかかる。
500円という対価に対し、時間対効果も、費用対効果も度外視。
そこにあるのは「どうやったらお客さんがたくさん笑ってくれるか?」という気持ちだけ。
ビジネス的にいうと「顧客満足度をあげよう。」という気持ちだけ。
チケット代1000円とかだけど、向こうがいくら払ってるかなんて気にしない。
「1000円だから今日は1000円分の笑いにおさめよう。」
なんて考える芸人はいない。
ビジネスの場合、普通は飲食店で1000円の料理を提供していたら、原価、人件費、諸々かかる費用を計算し、ある程度利益をのせ、顧客満足度とのバランスを考えて費用を抑えて提供する。
でも芸人のやる事は、原価や費用なんか考えず、自分たちが持ちうる「最高の食材」「最高の設備」「最高の技術」を提供する。
ビジネス的にはとても割に合わない考え方。
時間対効果と費用対効果を気にして舞台に挑む芸人もいたかもしれないけれど、大抵の芸人は考えていないと思う。
そんな世界に長くいたからか、顧客満足度は一定でいいから利益を得るという事に心苦しさを感じるのではないかと思った。
僕も心苦しさを感じていたのを思い出した。
僕もお店を始めた頃心苦しさを感じていた気がする。
100円で仕入れたお酒を700円で売る。
とても当たり前の事。
けれど芸人の感覚で行くと、少し罪悪感を感じる。
経営に携わって、原価、人件費、家賃代などがそこには乗っかっていて、お店を継続的に運営する為の「利益」も乗っかっているで当たり前だけれど。
芸人て本当な不思議な職業だと改めて思った話。
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中道 正彦
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