見出し画像

私が行う施術に対する想い -志し編-


みなさんこんにちは🌺
flowerのちやです。

今日はみなさんに施術者のご紹介をしたいと思いnoteを書き連ねました。
今回は施術に対する想いとその経緯をお話しできればと思います。
flowerに興味を持っていただいている方の参考になれば幸いです。

鍼灸師になった理由と志した経緯

きっかけは祖母が長年持っていた…

よく質問していただくことNO.1なのでこちらで紹介させていただくのですが…
私が鍼灸師になろうと思い立ったきっかけは祖母の難病です。

当時一緒に暮らしていた祖母は40代の頃から自己免疫疾患に悩まされていました。祖母は働きながらも支えてくれて私の第二の母のような存在でした。

祖母から大学に行くことを勧められ、スポーツ大好き人間の私は体育の教諭を目指し新生活を邁進していたある日、祖母の病状が思わしくなく大学病院に通うようになりました。

当時祖母が受けていた処置は「病気に対して余計なものができたら切除」「投薬にて抑え込む」がメインです。しかし処置の甲斐なく痛みを訴える祖母を見ていることしかできませんでした。

私が専攻していた大学はアスレチックトレーナーを目指す人のための授業も受講でき、体育の教員免許にも必修科目でした。
そして、その授業に出てきたのが鍼灸と東洋医学でした。


東洋医学との出会い

病気のみにアプローチをする西洋医学に反して、東洋医学とは全人的医療を目的としています。全人的医療とは【病気の1点に絞らず、患者の心理や生活習慣に寄り添って個人に合った施術方法】を指します。鍼灸はその方法の1つで、他にも漢方・気功などの手技を用いた方法があります。

受講中、祖母の病気と通院している様子が頭をよぎりました。


大学病院からの提案

祖母は長年お世話になっていたのもあり大学病院に信頼を置いていました。手術が成功していなくても綺麗な封筒にお金を包み、担当医やお世話になった看護師さんに挨拶する姿をよく見ていました。

ある日のこと。
患者としてのキャリアも長く、担当医も祖母には話しやすかったようで「新薬の治験」のお話がありました。
「自己免疫疾患のために開発されたお薬、祖母さん試してみない?」と。
何が起こるかわかりませんと伝えられ、きっと不安もあったでしょう。
しかし後世のためになるなら!と祖母は喜んでその話を受けました。

結果は特に何も変化がありませんでした(正確にはわかりませんが今以上に回復はしませんでした)



祖母の一言

進路を決める時期になった頃、祖母の病状がさらに悪化していきました。
歩くのが難しく、あまり外出しなくなった祖母はTVを見るのが唯一の楽しみになりました。当時の流行りは韓国ドラマの先駆け。
例に漏れず祖母も韓国ドラマにハマっていました。

そのドラマは主人公が針治療で次々と難病を治していくお話しでした。
一緒にドラマを見ていた私に祖母が「私も針だったらよくなるのかねぇ・・・」と言いました。

この一言が私が鍼灸師になる最初のきっかけとなります。

大学卒業後は鍼灸の専門学校に通い恩師と出会います。
恩師はある流派に所属しており、癌などの難病や奇病に対応するスペシャルな治療をされていました。
私はそんな治療に憧れ、恩師から数々のことを学びました。東京生まれの私が千葉の治療院で働くことになったのも恩師の勧めでした(詳しくはまた別の機会に)


覚悟と後悔

私が鍼灸師になって一番の後悔は、祖母の治療ができなかったことでした。

え?祖母のために鍼師になったんじゃないの?

と思われますよね。


私には覚悟が足りませんでした。


ようやく鍼灸師になった頃、祖母はベッドから立ち上がれなくなっていました。

日に日に弱り細くなってしまった祖母に針を刺すことは何か壊してしまうような気がして、治療をすることに恐怖を感じていました。

好奇心ではできない、新人の私にはまだできない…と毎日自分に言い訳をしていたのです。

それから数ヶ月後

祖母は立派に生きる姿を私たち家族にすべて見せ、この世を去りました。

排便や風呂が思うようにいかない姿、自分の意思では動けない姿、記憶も曖昧になってしまう姿

祖母が弱る姿に触れながらも、私は恐怖を感じて祖母の生きる姿と向き合うことができず、息を引き取る瞬間も祖母の乾燥した肌に触れ、撫で摩ることしかできませんでした。

亡くなった後に何もしてあげられなかった自分を激しく責め、覚悟のない行動と未熟さを恥じました。


祖母の生きた姿から「人の一生」に対して、私が鍼灸でできることを深く考えました。私が鍼灸を続けているベースはきっとここにあるのです。

しかし鍼灸師として学ぶにあたり、治療の考えが変わったこともあります。


鍼は万能ではないこと

これにつきます。
未だに多くの鍼灸師は「鍼で○○改善!」「○○に効くツボ紹介!」などSNS発信をしています。
しかし臨床にいると患者さんに対して(ん?効いてる?)(あれ?そうでもない反応されてるぞ?)と思うことが多々あるのです。

私が師事した先生の中には「受け手の感受性もある」(=技術の問題じゃないよ)と教えてくださる方もいたので、当時はさほど気にしていませんでしたが何度も回数を重ねて効果を感じられない、手応えのない度に「歴史と波長」を感じています。

まず歴史とは

私も賢い方ではないので簡単にお話ししてしまうのですが、鍼灸の教科書や専門書はウン千年の歴史から紐解いたツボや施術の方法が記されています。
私たち鍼灸師はその参考書、または経験からツボを選び回復を促していくのですが、現代には参考書には載っていないもので溢れています。

例えばスマホ、スマートウォッチ、ワイヤレスイヤホンなどの肌に身につける電磁波、深夜まで行なっているコンテンツ、加工食、農薬、夜勤、長時間のデスクワークなど。
これらをきっかけに起こる病症は古典には載っておらず、経験頼りの施術になります。(もちろん脈や腹診、舌診などから施術を行っています)

また、これらを日常的に行う現代人が鍼の刺激に対してどのくらいの回復力があるか。

過去の参考書に載る架空の患者Aさんより、現代人の回復は遅いことが計り知れます。
当時はスマホも深夜まで集中することも食事の環境もPCもないのです。

波長とは

人にはそれぞれ考えがあり、宗教に入っていなくても「自分が信じていること・もの」が誰しもあると思います。

例えば
当分車の通らない横断歩道があったとして
Aさんは赤信号が青に変わるまで絶対に止まり赤なのに渡る人を注意しますが、Bさんは車がいないからと気にせず渡り注意してくるAさんのような人が嫌い…と、こんなふうに各々に信念や考えがあって行動が伴うような、そんな個人個人の常識のようなものがあると思うのです。

鍼灸にもこれがあり
完璧な施術だった!と術者が感じていても患者は何にも感じていなかったり、言い方は悪いですが適当な施術だったとしても患者が大喜びで感謝してファンになってくれたりという現象が結構あります。
(私は適当にやってません、例えですよ!笑)

最近のSNSでは個人の想いを発信する施術者やセラピストが増えましたが、これもこの施術者とお客様との「波長」のすり合わせなんじゃないかなと勝手に思っています。

私が感じる鍼灸の役割

以上の経験や考えから私が行える鍼灸はその方にとっての人生の一部であり、主役ではないと自覚しています。

前述の通り鍼灸は万能ではないので「鍼が効くって聞いたので…」という考えの方よりも「自分の身体を改善・綺麗にする方法の一つ」であることを理解している方のほうが効果や受ける甲斐はあるのではないかと思います。

たまに「美容鍼効くのかなと思って来ました!」と期待してきてくださる方もいるのですが、鍼は効いてもその日から数週間しか効果を感じられないし、その方の生活習慣や美容ケア次第ではもっと持続しないこともザラなので美容鍼1回に価値を感じていただくならもっと安くできるところで試した方がいいです。(突き放す意味ではなく、効果を期待される場合はそっちの方が確実で安い!)

生き方への敬意を持って接する


私は一人っ子なのですが何かと祖母と過ごす時間が多く、第二の母と言っても過言ではない生粋のおばあちゃん子です。
祖母は戦争体験者でもあったため、戦争中の景色、戦後の疎開先での苦労話をたくさん話してくれました。
学生時代は勉学に励み、当時では珍しい女性公務員になり家族を支えました。
お金も人並み以上に得て、孫である私に洋服や美味しいもの、綺麗なものをたくさん教えてくれました。
すらっとしてスタイルが良く、男性のように働き仕事のできる、大変格好の良い祖母でした。

しかし、戦争から生活が安定するまで我慢をたくさんして気力・体力を消耗しました。
職場、家族やパートナーに気を使い続けた祖母がかかった病が自己免疫疾患でした。

そして反感を買ってしまうかもしれませんが、どうなるかわからない治験や意味のない手術は相手の生きる姿に敬意がなくとても残念に思うのです。

決して西洋医学批判ではなく、西洋医学も万能ではないということを私たち患者自身も知っておく方がいいのと、医療者として同じ時代や時間を生きて出会える方に敬意を払い接したいと思うのです。

技術の進歩に犠牲はつきものです。私も祖母に何もできませんでしたから美談にするつもりもないですが、おかげでこれが鍼灸を行なう上で私が意識する信念になりました。

病は気から


脱線しましたが、祖母の自己免疫疾患を抱える生き方を見てきた私だからこそ提供できる鍼灸があるのではないかと思い施術に励んでいます。

毎日を豊かに過ごす、ものの捉え方を変える。思っていてもなかなかできることではありませんし、世の中はネガティブで溢れています。
しかし、情報にとらわれて自分を落ち込ませるよりは、健康で楽しく過ごせる時間を1秒でも長く日頃から積み重ねてほしいです。

みなさんの身近にも大切な人が生き方を教えてくれているはずです。
彼らが病気になるまでの経緯で心の疲労期間があったはず。
病は気から、は決して相手の病を軽々しく扱う言葉ではないと私は思います。

FLOWERで行う鍼灸は、そういう自分軸を取り戻すための時間になればいいなと思って施術しています。

宗教ではないですから症状に対してお説教も過度なアドバイスはもちろんしません。
日常のお話やくだらないことでも悲しかったことでも話して、笑える時間になればよくて、悩みを吐き出す場所になってもいい。
きっと鍼灸ってそんなもんです。

FLOWERは映えませんねw

痛いかな、とかそういう心配はある程度調節できるのと、他院よりはめちゃめちゃ融通の効く治療院だと自負しています笑
初体験でも緊張せずそれくらいの気概でお越しください。


今回は長かったし思ったことをそのまま書いていたので本当に読みづらくなってしまいました。そう?いつもと変わらないよ?という鋭いツッコミ待ってます笑

最後までご覧いただき本当にありがとうございました

flower chiya

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?