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「好き」についての考察


好きなものは何?
答えたものに対して、どうして好きかと問われることがある。
人にしろモノにしろ、それを好きな理由を聞かれた時、
言葉につまることはないだろうか。


理由を知って何になるのか。
例えば趣味を聞かれた時。好きな理由のある趣味は説得力がある。
そのため、その趣味に対する真剣な熱意が感じられる。
だけどなんとなく好き、である場合、この人はあんまり好きではないのかなと思ってしまう時がある。
こう考えると、確かに好きに理由を求めることも良いかもしれない。
就活のESで趣味や好きなことが聞かれることが多いのも、趣味を通してその人の物事に対する熱意を測ろうとしているのではないだろうか。
あとは純粋にその人の好きな理由を知りたい場合がある。
前にテレビでマンホールが好きな人を見たが、純粋にその理由を知りたいなとぼくも思う。


このように、好きの理由は結構いろんな人が気にする。
だけどあえてぼくはこう言いたい。


理由が曖昧で、でもなんとなく好きなものは好きでいていいのだ。


パンかごはんどっちが好きと聞かれて、ごはんが好きと答える。
じゃあなんでと聞かれて、そりゃあの米を口に運んだときのふっくら感や口の中で広がるわずかな甘みが・・・、みたいに語れたらすごい。
でも実際殆どの人は、なんとなく好きなんだ。

じゃあやっぱり好きじゃないじゃん、とか言う人は正直、無粋だ。
好きの理由はあってもなくても良い。
そうでなければ好きと簡単に言い出せない世界になってしまう。

あと、理由を求めたいなら無機物のみにすべきだ。
比較的一定の性質をもったものに対しての理由は変化しにくい。
それに対して有機物、特に人を好きな理由を求めることは危険を伴う。
なぜなら人は常に変化し続け、好きの理由に値する性質が変化した時に好きのよりどころがなくなるからだ。

ここに実は恋愛を長続きさせる秘訣があるのではと思う。
恋人を好きな理由をあえて考えない。
そうすることであれこの人のどこがよかったんだっけ?となる状況に陥りにくくなる。
なんとなく好き、実は恋人からの一番の褒め言葉かもしれない。



好きに理由を作らない。
あえて空白を残しておく。
そんなマインドが世界に好きを増やしてくれる。



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