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姫明朝ともえごぜんについて言えないこと書いてみた

新作フォントの姫明朝ともえごぜんを公開しました。やっとです。なんとか姫明朝体のシリーズもスタート切れた感じです。ざっくり先にフォントの説明しておきます。

「大刀と強弓の女武者・巴御前をイメージした明朝体」です。

noteでは普通に説明してもサイトやブログと違いが出ないので、言いにくいこと書いておきます。なので、すごく分かり易い内容で無いことをご了承下さい。

目次
❶きっかけの秘密
❷フォント制作の秘密
❸クラウドファンディングの秘密
❹イラスト依頼の秘密
❺公開時期の秘密

❶きっかけの秘密

2016年のモリサワタイプフェイスコンテストで落選しました。前回のサクッとオートマチックに作った「かんじゅくゴシック」でさえ最終選考だったのに。ちょっとがっかり。

コンテストに落ちた作品は99%以上この世から消えます。私は落選した他人の公開作品を100%アーカイブして保存してあります。賞って、わずかな審査員の感性で決めているので、気にする必要ないです。価値は色々。

偉い人にはそれが分からんのですよ

と心の中でつぶやきましょう。賞を取ったり、選んだりしている私が言うので大丈夫。ましてや賞を取っても、生活はそれほど変わりません。もちろん取ったら、嬉しいし励みになります。最高。

しかし、落ちた中にも見落としはあるし、磨けば光る作品もあります。あきらめるのはまだ早い。

まだだ!まだ終わらんよ!

と心の中で叫びましょう。私のフォントは応募時は「HI-ME」という名前で、全言語に対応できるフォントデザインがあるとしたら…というテーマで作りました。審査員が事前にコメントしていたテーマでしたので、私は真面目なので一ヶ月間100%向かい合いました。中東やアジアを考えると、こういう筆っぽいヌルッとした感じかなと。※フォント名「HI-ME」は色々な受け取り方ができる感じにしました「姫」というよりもハイミーと読みたい。

❷フォント制作の秘密

はっきり言うと、多言語対応のフォントは1人ではムリなので、まずは日本語の完成を目指してみました。実は他の方のフォントで落ちた作品で欲しいのあるんですが、無理なので、落ちても終わらないという姿勢を自分で見せる必要がありました。

この俺がいる限り、やらせはせんぞーっ!

本当にフォントとして公開しないのもったいないと思っているんです。鳥海氏の文字塾の作品も、ぜひフォントとして使いたいの一杯あるんです。そんな気持ちで、まずは自分が作ってみようと思いました。そして二年が経ち…

あ、今日になりました。

最初の1年はいろいろあって、進みませんでしたが、2年目は結構がんばりました。根気が無くて、一ヶ月以内でフォントを終わらせたい性格の私にはちょっとたいへんでした。テクニカル的なことは、またの機会に書いてみたいです。

❸クラウドファンディングの秘密

今回、クラウドファンディングCampfireを活用させて貰いました。1年目は自力でやってみようと思っていたのですが、2年目に入って、完全に気持ちは折れ始めていました。私は臆病なので2年という時間が無駄に終わるのが、ちょっと怖かったのです。たぶんフォント制作者はみんなそう思っているし、それが原因で制作に踏み切れない人が多いのではないでしょうか。

こういうときは臆病なくらいがちょうどいいのよね。

自嘲気味につぶやきながら、クラウドファンディングをしてみることをオススメします。私は応援して貰えて、資金的に安定して制作時間が取れたので、気持ちが変化しました。プラスに!

本当に応援してくれた全員に直接ありがとうを言いたいです。

あと、いくつかフィードバックが取れたことも良かったです。ドイツ語の希望があったので、ヨーロッパ域はカバーする気にもなりましたし、キリル文字も作り直しました。

❹イラスト依頼の秘密

イラストレーターは決めていました。私はイラストのためにフォントを作っている部分もあるので、結構重要なんです。またいつもイラストからフォントのデザインを変更することも多いです。

今回はアリストレーター様に決めていました。

ただ、いつもながら気弱な性格な私は、躊躇っていつまでも頼めませんでした。ただTwitterを眺めるだけの日々。あぁ勇気が欲しい。

大丈夫。あなたなら出来るわ。

と女神の啓示は無いですが、結局逃げることはできないんですよ。やるしかない。でも、イラストを頼むのって結構難しい。現実を言うと、イラストやデザインって思い通りに仕上がらない場合多いです。表に出てきている作品って「うまくいった例」が多いし、クリエイター側の意見で言えば

100%を尽くしても失敗する事はある

なので、あまりやり直しをさせたくない私は完全に「信じて、託す」という気持ちでいます。あと、イラストやデザインって他の芸術と比較して、実用的なのにコストパフォーマンスが高い。イラストで100万円ということは無いですから普通。自分の大好きな人に、描き下ろししてもらえるというだけで最高に手放しでハッピーです。

今回も、今までも100%最高なイラストを描いて頂いています。

❺公開時期の秘密

実は姫明朝しらゆきが先に公開されています。姫明朝ともえごぜんの方が先に取りかかっているにもかかわらず。シリーズとして作りたいと思っているのですが、1書体目は王道中の王道が良いのかなと思ったので。ディズニーも長編第一作は白雪姫ですし。

姫とは言っていますが、プリンセスの枠に、とらわれすぎないようにしています。姫のように可愛い、姫のように凜としているでもコンセプトとしてありだと考えています。またこのシリーズは7書体は作りたいと思っているので、この公開はスタートでしかないとも言えます。7書体くらい作れば、超すごいフォント生まれそうだなとも思っています。

戦いは数だよ

今年はそういう気持ちでリラックスして制作したいと思います。実際、前回のシリーズ本丸ゴシックでも「あさご本丸ゴシック」というヒットフォントが3書体目で偶然生まれました。偶然と言っても本気で作っています。しかし❹で言っているように100%を尽くしても失敗する事はあるのがクリエイティブです。自分を信じて数を作るのも大切だと思っています。正直、私自身がヒットも評価も、何を基準にそうなっているのかわからないので。

❻デザイン使用例

ここからはオマケというか余談です。

最後にデザイン使用例を載せておきます。使用例とか記載例って私、大好きなんです。いつもフォント買うときイメージできなくて悩むので、私はイメージが湧きやすい工夫をしています。

話はそれますが、デザインのコンテスト・賞の応募などで、応募用紙に記載例・作品例がないのいつも気になっています。何度読んでも応募して、記載ミス・規程外れで、失格にならないかなと心配してしまいます。

言葉も大切ですが、目で見てわかる情報ってすごく大切だと思うんです。時短にもなりますし。私のような、ビジュアル情報や感覚で理解するタイプ&ドジなタイプには、言葉の説明以外に補足が欲しいです。

世の中には写真・イラストなど情報を補足できるものが、一杯あるので活用していきたいと考えています。

姫明朝ともえごぜんのダウンロードはこちらです。

長々と読んで&見ていただき、ありがとうございました!

📝memo 今回の記事を一言で表現すると
何が起こるか分からないから、自分を信じろ!


もし、よかったらフォント制作の元気を下さい。新作フォントを頑張って制作します。