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ロボットに仕事を奪われるが、本当の敵は資本主義という話

『ロボットに仕事を奪われるぞ!』

近年ではもう聞き飽きた言葉だ。
実際物流から接客に至るまでほとんどの仕事はロボットに代替可能だと思う。
彼らは疲れを知らないし24時間動けるし精神を病んだりしない。「賃金を上げろ」「休暇を増やせ」なんて声もあげないだろう。

仕事が奪われると何故困るか。
答えは明白で『仕事をしなければお金を稼ぐことができない』からで、これは言い換えると『お金が無ければ生きていくことができない』からだ。

家賃水道光熱費。衣食住まで全て一定の金額がかかる。
言ってしまえば日本という国で生きる為のサブスクが生活費+税金の金額になる。
だから仕事を奪われる=ホームレスという恐怖に自動変換されるのだと思う。

実際に日本は『労働の義務』が法律で定められているし、『働かざる者食うべからず』という風潮が強い。
世間が生活保護受給者を叩く傾向が強いのも
「俺達はこんなに苦労してやっとのことで食い繋いでいるのに、何故お前らは働かずに生きているんだ」
というヘイト値が高いからだ。

さて。
大多数の仕事がロボットに奪われ、同時に大多数の成人が無職になった場合社会はどうなるのだろうか?
『働かなければ生きていけない』社会のままなら一部のホワイトカラーとロボットのメンテナンスができる技術者以外は淘汰されて死ぬしかない。
国に「仕事が無いのでお金を稼げません」と言ったところで「アナタは健康なので働く場所を探してください」と追い出されてしまう。
『働く場所が物理的に無い』という事実に対して国は『働けないのは個人の怠慢である』というお門違いの回答をしてくるのだ。
なんて典型的なディストピアだろう。

日本という国はそうまでしてお金を稼がなければならない事情がある。
多額の借金を抱えている上に、戦いを放棄する代わりに外国の軍事力に頼り切っているからだ。
何ならそれにプラスして『先進国』という立場を降りたくないために世界各国にお金をばら撒いている。ちなみに撒いているお金は借金で借りた金である。

これを個人単位に例えると、インスタでリッチなリア充という見栄を張りたいが為に流行を追いかけているが、実際にそんな余裕は無いのでインスタに載せる写真の為だけに借金をして素材を用意している。なおそのインスタから得られる物はイイネの数だけである。
といった感じだろうか。
根本的に何か大きくはき違えてるという違和感が伝わったら幸いだ。

パッと見て分かる通り、とっくの昔に日本という国は経済的に破綻している。様々な税率が上がるのも、やれ年金だ保証だので稼いだ金額から諸々差っ引かれるのも、日本がインスタでリア充のフリをし続けたいからのように見える。
国民は疲弊しきって自殺しているのに。
心を壊して息も絶え絶えになってまで働いて、やっと何とか生活しているのに。
辛い死にたいしか聞こえてこない労働力を背景に、リア充を気取っている国にピントを合わせた写真が全世界に公開されているのだ。

なんてバカバカしい。
それでもこの国が目を覚ますのはもっとずっと先のことなんだろう。
何なら死んだことに気づかずにバエる写真を撮っている可能性すらある。
それに耐え切れない国民は自ら死を選ぶ。
生き残った上澄みが甘い蜜を吸う。
蜜が無くなったら他の国にでも飛んで行くのだろう。

これは格差ではないと思う。
もっと根本的な歪みの派生に過ぎないのだと。
しかし半分は洗脳されてしまったこの頭では、その歪みに気付けても直す為の案は思い描けない。直った先の世界のことも。
だから死ぬしかないのだと思う。
死ぬ自由も無いのなら、生き地獄を這うしかないのだと。

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