中途面接と新卒面接の違い

中途面接と新卒面接は大きく異なります。
ただ、初めて中途面接を受ける方は、新卒の時の印象を引きずって、同様の感覚で面接を受けられる方も多いので、違いについてまとめたいと思います。

1.「やりたいこと」より、「できること」を伝える
新卒採用は基本的に、ポテンシャル重視です。
そのため、面接では将来の「やりたいこと」を中心に話すのがセオリーです。
一方、即戦力になるかどうかを見られる中途採用の面接では、それ以上に今「できること」を伝えたほうが良いです。
転職希望者の中にも、「新規事業を立ち上げたい」「経営に近い仕事をしたい」というように、「やりたいこと」を中心に語る方々がいます。しかし、たとえば「どんな新規事業ですか?」と質問すると、残念ながら具体的なアイデアが出てこないケースがほとんどです。また、経営に携わりたいと言う方も、会社経営に伴う泥臭い実務や、社員の生活を背負うリスクなどの現実に目を向けられていないことがよくあります。
企業側としては、こうした方を積極的に採用することはありません。やりたい仕事にチャレンジしても成果が出ない可能性が高いですし、できる仕事にアサインしても「やりたい仕事ではない」と不満を持つリスクが大きいからです。
新卒採用の時と違って、採用する側は「現実」や「成果」を期待します。
冷静に自己分析を行い、面接では自分が実際に「できること」を語りましょう。

2.「抽象的な夢」より、「明日の結果」の話をする
「3年後には、こんなサービスを作りたい」「5年後には、こんな事業を作りたい」などというように、中長期的な目標を語ることは、一見素晴らしいように思えます。しかし、この手のアピールの落とし穴は抽象度が高いところです。
目標に対して、よっぽど具体的な構想があれば話は別ですが、景気変動が激しい今の世の中、3年後や5年後の理想像を話しても、人事の心には響きません。それよりは、「明日から踏み出す第一歩」や「数ヶ月〜1年単位で、具体的かつ現実的に成果が出せる仕事」などの話をした方が、生産的なアピールになるでしょう。

3.面接官は「試験官」ではなく、「将来の同僚」
初めて転職面接を受けた方からフィードバックをいただくと、
「新卒面接とは全く違いました。社会人と学生の違いから、新卒時は面接官との上下関係が強いと感じていました。それに対して転職面接は面接官と対等な関係で、『将来の仲間を探している』という印象を持ちました」
といったフィードバックをいただくことも多いです。
この感覚は、転職先を決める上でもかなり重要です。
面接官は単なる試験官ではありません。
もしその会社に転職すれば、一緒に働く同僚になります。
「仲間として上手くやっていけるかどうか」は、転職者側もしっかりチェックした方が良いでしょう。
もちろん一定のビジネスマナーは必要ですが、面接官と会話をする際は現職で同僚と話す感覚で良いと思います。
もしそれで違和感がなければ、その会社とはかなり相性が良いと言えるでしょう。

4.「正論」ではなく、「自分の考え」を伝える
面接官にお行儀の良い話を伝えることは意味がありません。
妥当性の高い話は自分なりの考え・熱量・哲学などが含まれてこそ、意味があり、相手の心にもしっかりと響きます。
面接官だって人間です。
内定をゴールにして、「かくあるべき」という優等生的な話ばかりしては、つまらない人物と判断される可能性も大です。
面接ではぜひ自分の言葉で、本音でぶつかっていきましょう。
それを汲み取ってくれる会社の一員になれたら、納得度の高い転職になると思います。

よく言われるように、転職は結婚と似ています。
会社との相性の良さが重要になってくるので、「コレが正解!」というものはありません。
そしてやはり結婚同様、転職はゴールではなく、スタートに過ぎません。
上記の4つのポイントは、転職の合格メソッドではなく、「いかに会社と自分の相性を見定められるか」を考えた内容になっています。
転職することによってさらに充実した人生を送れるように、面接では合否ではなく、相性の良さを重視する機会にして頂きたいと思います。

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