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小鬼と駆ける者【縦書き版】
こんにちはギーの代筆者ナマケモノです。
さっそくですが、かねてよりベラゴアルドクロニクルの「縦書き版」を制作していまして、今後は整い次第、各物語をリリースしていきたいとおもいます。
とはいえ、縦書きをnoteさんで公開するのは不可能みたいなので、ファイルのアップロードという形になります。こちらとしても、はたしてちゃんとアップできているのだろうかという不安もありますし、ダウンロードという敷居の高
小鬼と駆ける者 −その5
森の入り口でソレルは脇道に逸れ、ひときわ大きな古木の元で腰を落とす。三人が不思議そうに見ていると、彼は枯葉の中から、布に包まれた長細い物を取り出す。
「ダンナ、そいつは?」 髭づらの男が訊ねてくる。ソレルと同じくらい背の高い男だ。この男はゴゴルと名乗った。
包んでいたボロ切れを解く。使い込んだ革の鞘に収められた長剣が現れる。抜いてみせると一同は感嘆の声をあげる。銀色に輝く両刃の剣。よく見る
小鬼と駆ける者 −その6
「どうするんです。おれたちゃどうなるんです」マスケスが取り乱す。
「警戒は怠るな。やつら今は目くらましを使って気配を消しているが、まだすぐそこにいる」ソレルは緩んだ弓弦を張り直す。
「でも、ここにいて、夜になっちまったら」ゴゴルも冷静さを失っている。
まずいことはまずいぞ。ソレルは考える。皆すっかり怖じけずいている。小鬼どもめ。そういう意味ではあの雄叫びは充分に効果があったといえる。
「