私 Fleurs et Repos は、自宅レッスンを軸に、近隣のカフェやサロンでワークショップや単発レッスンを行っているフラワー講師である。
今年で5年目。
思い返せば、立ち上げ当初は前代未聞の新型コロナ感染が蔓延し、外出を控えなくてはならない時期で、レッスン案内や生徒募集をするのも消極的だった。
そんな折、地元中学校のPTA役員さんから、保護者向け講習会の講師を依頼され、喜んで引き受けたことから、少しずつ状況が変化した。
講習会を終えると、保護者のお一人が、うちのフライヤーを手に取り、ご挨拶に来てくださった。
その方曰く、植物と触れ合って、私が求める癒しはこれだ！と直感したらしい。
とても気さくで明るいその方は、後日、お二人のご友人を連れてレッスンに来て下さるようになった。
家庭のため、仕事のため、ご近所のために、日々を精一杯過ごしている皆さんは、花と過ごすこの時間を大切にしてくださり、会話にも花が咲き、笑顔の絶えない時間を過ごしてくださった。
レッスンを重ねるごとに花への興味は膨らみ、ご自身で花を買い、花のある暮らしを独自で楽しまれているともおっしゃってくれた。
とてもうれしかった。
私がフラワーレッスンを始めた理由は、まさにそこにあったから。
子育て世代の女性にとって、自分のために使う時間やお金は限られる。
ましてや花は生活にはなくても困らない。
お祝い事やお悔やみなど、自分以外の誰かの為に、特別な時だけ華やかに彩るもの、と考える人はとても多い。
私は、日々の暮らしの中に、植物の生命力と、自然が織りなす彩りを、もっと身近に感じてもらえる機会を作りたかった。
花を眺めてひと息する時、心は穏やかになる。
花のある暮らしが、忙しさの中にほんのりとゆとりを生むことを知って欲しい。
自分のことを二の次にせざるを得ない世代の女性にこそ、可愛い花に目を向けて欲しい。
花を特別視せず、ファッションやインテリアのように、自分を表現するためのアイテムの一つとして取り入れて欲しい。
そして、花との触れ合いを通して、今の自分の心と向き合うきっかけにして欲しい…。
更には、五感で植物の癒しの力を感じてもらうべく、ハーブティーを提供して、その効能を説明できるよう整えた。
月に1度、自分だけのために、花とハーブティーの休息時間を。
そう思ってはじめたフラワーレッスンだった。
レッスン花材の仕入れは、人と同じく一期一会。
毎年やってくる季節、変わらない花、新しい花、今年はどんな花との出会いがあるのだろうとワクワクする。
色彩も豊富で、組み合わせは無限。
選ぶ人によって、魅力の引き出し方が異なるのもまた個性。
数ある花の中から、私好みのものを厳選し、調達。
そんな花達を一緒にワクワクして、可愛いと感じてくれる生徒さん。
生徒さんの喜ぶ顔を見ると、期待に応えられて良かったと安心して、そうだよねー可愛いよね！と一緒に喜ぶ。
生徒さんの笑顔は、私のやる気の源。
その笑顔をこれからもたくさん見せてもらえるように、私にできることを尽くしていきたいと思う。
ご縁のおかげで、ゆっくり少しずつ、レッスンに通ってくださる方が増えた。
カフェやコミュニティの場でワークショップのお声掛けをいただくようにもなった。
つくづく、人との繋がりの大切さとありがたさを痛感する。
決して社交的ではなく、話がうまくなくても、本当に伝えたいことがあれば、その思いを受け止めようとしてくれる人がいる。
影ながら見守ってくれている先生や先輩の存在も大きい。
背中を押してもらう度に、決して一人ではないのだと気付かされ、胸が熱くなる。
支えてくれる人がいるから、上を見上げ、前へ進むことができる。
先日、フライヤーをリニューアルした。
今後のレッスン内容を見直しているところではあるが、まずは今の自分が納得できる形に整えたかった。
便利な世の中、あらゆるものが手に入り、様々な形で心を満たす方法はある。
スピード重視の世の中、毎日忙しさに追われ、ゆったりとした時間を過ごすこともままならない人もいる。
それぞれの方法でストレス解消やリラックスタイムを取り入れて、日々を豊かに送れることが最も良いことだと思う。
ただ、どんな人も一歩外に出れば、草木に目が留まり、植物が風と共にちゃんと季節の巡りを知らせてくれているのを感じるはず。
人は、日常目にしている何気ない景色の中に、季節をしっかり感じ取っていて、その姿に、香りに、無意識に癒されている。
そもそも二十四節気は、自然の事象が原点。
人は自然との関わりなしに過ごすことはできない。
花に触れ、花を意識し、慈しむ時間は、人にとって優しく、温もりを感じられるひとときだと思う。
心がほぐれると、自然と笑顔が溢れ、周りの大切な人も幸せな気持ちになれる。
自分らしくあるために花と過ごす時間を。
暮らしに花と温もりを。
Fleurs et Repos は、花と休息するための場所。
これからも可愛い季節の花とお待ちしています。
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