沼落ちした私の与太話でも

1年前の今日、2018.2.16。

それは奇跡が始まった日──。

うん。初のnote、なかなか小説みたいでいい書き出しだ。
これでいこう。

一年前の今日、
私は五輪をまったく観る気がなかった。

こう書くとなんだかおかしな感じだけれど、
実は私はソチのエキシビジョンもリアルタイムでは見ていない。

理由は、「見てしまったら何かが変わる」という恐怖に近い感覚があったからだ。

それは今となってみると明らかに、

"沼落ちしたらヤバイ"

というオタクとしての危機感めいたものなのだが、当時の私には深刻だったらしい。

平昌もそうだった。

そんなわけだから、観る気もない。
だけど結果は気になると言った具合で、とりあえずぽちぽちとツイッターを覗いていた。

ニュースは、競技時間は朝からだってことしか知らせてくれなかったから。
そっとケータイを覗き込んで、まだ羽生結弦が滑ってないのを知った私は、彼の競技時刻を調べ出した。

うちの母親は彼の安否を気にしていたからだ。
「どう?結果は?彼は無事?」なんてラインに、
「まだ滑ってなかった」ということだけ連絡を入れて、そのまま昼飯を買いにコンビニに出た。

13:47。
私のケータイに彼らの演技の動画と写真が残っている。
タイムリミットは13:30くらいだと勝手に決めた。
起きたのは12:30。
慌ててコンビニまで行った記憶がある。

そのまま謎の緊張に吐きそうになりながらご飯を詰め込んだ。

13:47。はっきり時間が残っている。
なんでかというと母親に画面録りをして送ったからだ。

長くて短い演技の時間の後、
とんでもない数字が画面の前に躍り出た。111。

何が何だかさっぱりわからなかった。

放心している私は、
「しょーまはげんきか?」なんて続け様に聞いてくる母上のために、
そのあとも動悸を抑えて画面どりを続けることとなった。

元気も何もない。二人ともすごく好調ではないか。

詰めていた息を吐き出して、ゆっくりと深呼吸をする。

全員が演技を終えて、映ったリザルト画面を見ながら私は

何かとんでもないことが、
たった今目の前で起きた。

という気持ちでいっぱいになっていた。

これが沼落ちへの一歩である。