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OM SYSTEM OM-1、この1年

唯一無二、新しい世界へ  

2023年3月18日は、OMデジタルソリューションズ(OMDS)から「OM SYSTEM」のフラッグシップモデルである OM-1 が発売されて、ちょうど1年にあたります。

はやいものです。歳をとるハズです。

現在私の手元にあるカメラのうち、新品で買ったカメラとしては唯一の存在です。まだ発売されていない製品を現物を見ずに予約購入したという点においては無二の機体です。

OM SYSTEM OM-1。「OLYMPUS」のロゴが冠された最後のカメラ
こちらは往年の名機 OLYMPUS OM-1。50年の歳月を超えて同じ名前が受け継がれた
OLYMPUS OM-1 と OM SYSTEM OM-1

OMDS のいう「唯一無二」とはまったく違う次元ですが、「新しい世界」は確かに拡がっていました。

この1年のうちに幾度かのファームウェアアップデートをおこなって、現在のバージョンは 1.4。どうでもいいコトかもしれないけど OMDS さん、カメラ単体でファームウェアのアップデートができるようにならないですか。アップデートのためだけに、わざわざ「OM Workspace」をパソコンにインストールして待機してるんですよ。いったいこれは何の苦行ですか。あなたはやればできるコなんです。もうちょっとがんばりましょうよ。なんならティモンディの高岸さん、呼んできます?

え? 呼んでこられても無理なモノは無理? そうですか。はぁ……。 

さて、それまで OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II を使っていた私が、どうして OM SYSTEM OM-1 に乗り換えたのか。1年前にさかのぼってその理由を考え……ようかとも思ったのですが、考えるまでもなく明白な要因ファクターがふたつ存在していました。

高感度耐性とファインダー性能の向上

このふたつが、私をして、まだ見ぬカメラを予約購入してしまうという暴挙に走らせた原因です。AI 被写体認識 AF だとか、進化した顔検出 AF だとか、最高 120 コマ/秒の高速連写だとかいった本来このカメラが誇るべき性能は、だから私にしてみればただの付録おまけでしかありません。

ごめんなさい、OMDS。でも使わないものは使いませんから。

高感度耐性とファインダー性能  逆に言うと、E-M1 Mark II はそれらの性能がまったくもって全然、如何いかんともしがたく「しょんぼり」だったわけです。

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II

OM-1 における 35mm換算で倍率 0.83 倍、576 万ドットの電子ビューファインダー(EVF)は、覗いているのが EVF であることを忘れさせてくれるほど、とてつもなく素晴らしい(語彙力)解像度を誇ります。

はじめて覗いたときの感想が Twitter に残っています。

抱腹絶倒するには何のオチもないツイートですが、つまりはそういうコトです。


高感度耐性も、はずせない重要なポイントです。
マイクロフォーサーズ機では、その特性を生かしてマクロと望遠に極振りした使い方が多い私ですが、例えばマクロレンズをつけて被写体を撮ろうとした時、どうしても気になるのが被写界深度です。

ひとつ例をあげましょう。

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro をつけて 30cm 先の被写体を撮るとします。このとき、F16 での被写界深度は 8mm です。F8 にすると 4mm、開放で撮るとわずかに 2mm しかありません。虫さんたちの姿をあまりボカさずに撮りたい私は、できるだけ F 値を絞ろうとします。深度合成うんぬんのお話は、ここではちょっとお昼寝しててもらいましょう。
屋外では少なからず風の影響を受けますので、被写体ぶれを避けるためにシャッタースピードもあげます。いくらボディ単体で7段の手ぶれ補正をもっていても、被写体ぶれの前にはなすすべがありません。

F 値を絞ってシャッタースピードをあげる。
当然ながら暗くなります。他の値が決まっていますから、明るくするには ISO 感度をいじるしかありません。ストロボうんぬんのお話もお昼寝中です。F2.8 から F8 に絞れば3段ぶん感度をあげる必要がありますし、1/100 から 1/400 にすれば2段ぶん感度を大きくしないといけません。かくして ISO 感度はどんどんと巨大な数字になっていくのです。

私が高感度耐性を切望する理由は、まさにここにあります。

ちなみに、さきのレンズを使って最短撮影距離で撮影する場合には、このお話は成り立ちません。F2.8 で撮ろうが F22 で撮ろうが、被写界深度は 2mm しかないからです。

最短撮影距離では絞ってもムダです。いいですね、私。


この1年間における私の OM-1 のシャッター数は 6,193 回です。最初に使った OLYMPUS PEN E-PL9 の2年半でのシャッター数が約 47,000 回でしたから、単純に比べるとかなり少ないです。
ですが、単純に比較するコトはできません。このカメラではマクロと望遠に特化した使い方しか、私はしていないんです。さきほど「マイクロフォーサーズ機ではマクロと望遠に極振りした使い方が多い私」なんて遠慮がちな表現をしましたけど、このカメラで撮った1年間の写真を実際に見返して、ちょっと驚きました。

M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4 IS PRO + MC20
1/2 F8 ISO-4000 @ 1200mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
1/50 F5.6 ISO-200 @ 120mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4 IS PRO + MC20
1/1200 F8 ISO-800 @ 1200mm
Canon EF100mm F2.8L MACRO IS USM
1/200 F5.6 ISO-250 @ 200mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
1/200 F11 ISO-800 @ 120mm
Canon EF70-300mm F4-5.6 IS II USM
1/125 F8 ISO-200 @ 400mm
Canon EF100mm F2.8L MACRO IS USM
1/160 F6.3 ISO-640 @ 200mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
1/200 F4.5 ISO-400 @ 120mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
1/100 F6.3 ISO-400 @ 120mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4 IS PRO + MC20
1/320 F8 ISO-250 @ 1200mm
M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm Macro F3.5 IS PRO
1/320 F8 ISO-100 @ 180mm

ホントにマクロと望遠しかありません。だって、マイクロフォーサーズ用の標準レンズなんて持ってないんだもん。笑

じゃあ、他の写真は何で撮っているのかと言うと  スナップには主に Leica M (typ240) か RICOH GRIIIx を使います。テーブルフォトでは Canon EOS R6 を持ち出します。絶対にハズせない写真を撮るのも EOS R6 の役割です。1台ですべてをまかなっていた頃とはずいぶんと状況が変わってしまいました。

怖いですね、カメラ沼って。ホントに怖いです。南無阿弥陀仏。

あ、そうそう、最後にひとつ。

このカメラを買ってメニュー画面を眺めていたときに「ライブND撮影」なる機能があることを知りました。

なんでも E-M1 Mark III から搭載されている機能で、複数の画像を合成して疑似的に露光時間を延ばすんだそうです。わざわざレンズに NDフィルターをくっつけなくても、長時間露光と同じような効果が得られるらしいです。

「わぁ、面白そう。使ってみよー」

そう思って……結局のところ……ただの一度も使いませんでした。普通に、ごく普通に……ND フィルターを使っていました。

上記の記事を拝読するまで、その存在をすっかり忘れていました。
1年間、忘れきっておりました。

ごめんなさい、OMDS。そしてありがとう、ムラウチドットコムさん。


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