ディストピアの正しい壊し方

西暦3000年の社会!
栄養がすごい固形食! 味気ない!
白と黒だけの風景! カラー印刷不要!
そして衣食住の完全保障!

そんな街中に突如、ビビッドな巨大フードトラックが出現!
ざわめく市民!

「何だ!?」「ピンク色!? 極刑モノだぞ!」

たちまち監視警官が囲む! 中から躍り出るエプロン姿の男女四人!

「そういきり立つなよ……これでも食らいな!」

四人が投げるは、艶かしい黒さを放つ塊!
警官らの口元へ過たず放り込まれた異物!
しかし誰一人として吐き出さない!
否、吐き出せないのだ!
脳髄へと抉り込まれる、悪魔的甘味!
それこそはまさに……チョコレートである!!

「こちらもどうぞ~♪」

セクシーなエプロン女から警官達に差し出される水入りコップ!
恐るべき心配りに抗うこともできず、銘々に飲み干していく!

「き……貴様らまさか、噂の……!」

四人のギラついた笑顔。
この街にあってはならない眼光に、警官達は一様に戦慄した。

「飯テロリスト!!」

【続く】

スシが供給されます。