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Motion Design(モーションデザイン) ~カメラワークを考える(3)~

モーションデザインにおけるカメラワークについて、続きを記載していきます。

10.クレーンショット(Crene Shot)

カメラ自体を上方(または下方)に移動させていくショットです。レンズの方向は被写体に向け続けられることが多いです。
実写の場合では、ドリーや、パンなど様々な組み合わせを用いることで多様な動きを作れます。

与える効果の例
・視点が高くなるにつれてロケーションや周辺環境が徐々に明らかになる。
・前景にオブジェクトを入れることで、効果が明白になる。
・ティルトよりも劇的な変化を与え、重要なシーンを映し出す。

ロケーションや周辺環境が徐々に明らかになる
前景にオブジェクトを入れることで、効果が明白に

11.ステディカムショット

このショットは実写の場合だと、人間にアームのついたベストを着て、ジンバルなどを使いブレずに被写体を追いかける場合などによく使われています。

ただし、アニメーションには実際にカメラを持った人物は必要なく、どこでも自由に被写体を追いかけることができます。
ここが実写とは大きく異なる点です。

このショットは技術的にも難易度も高い分、視聴者に与える効果や印象も強いものになります。

与える効果の例
・時間や空間、滑らかな動きを損なうことなく映し出せる。
・視聴者をシーンに引き込み、まるで映像の中にいるような錯覚を起こさせる。
・実時間で見せることで緊張感を高め、何かが起きるという期待が生まれる。

緊張感を高め、何かが起きるという期待が生まれる


最後に

今回モーションデザインにおけるカメラワークの効果について記載させてもらいました。
与える効果については、参考文と筆者自身の感覚をもとに書いていますので、絶対的なものではありません。同じカメラワークを使っても、前後の文脈によって意味合いを変えることも当たり前のようにあります。

ただ、視聴者にどういう印象/メッセージを与えるかを計画し、それに沿った見せ方をするにはどうするのか、という基準を作る上では、今回の記事はお役に立てるのではないでしょうか。

この記事が、映像ディレクター、あるいはモーションデザイナーにとって、何らかのアイデアにつながることを期待しています。


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