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【おすすめアルバム】TOMORROW X TOGETHER 『minisode 2:Thursday's Child』(2022)

 今回は私の最推しグループ、TOMORROW X TOGETHER(以下TXT)の最新ミニアルバムをご紹介します!

TOMORROW X TOGETHER 『minisode 2:Thursday's Child』

 TXTのアルバムに関しては過去2回こちらのコーナーで紹介して参りました。今回のミニアルバムは昨年リリースの「The Chaos Chapter」と、この後続く「新しいChapter」とを繋ぐ「minisode」の2作品目となります。

 過去の紹介文もあわせてお読みいただけると嬉しいです!

 今作のテーマは「別れ」で、永遠だと思っていたものとの別れを経験した少年が苦しみ、もがきながらもその経験をきっかけに成長していく姿が5曲の多彩なトラックで表現されています。

①「Opening Sequence」

 このアルバムの「幕開け」となるこの曲は、別れを経験した少年の感情が赤裸々に綴られているR&Bナンバー。美しい旋律の中に時折
聴こえるザラッとしたギターの音色がアクセントとなっています。


②「Good Boy Gone Bad」

 タイトル曲であるこちらは「別れ」をしんみりとした曲ではなく、ロックとヒップホップを融合させたジャンルで表現しているところが非常にユニークです。楽曲としての面白さはもちろん、MVでの演技や音楽番組での息の合ったパフォーマンス、一人ひとりの表情、声の使い方など、どれをとってももはや「芸術」です。


③「Trust Fund Baby」

 5人の歌声がとにかく美しいバラードです。こちらは前作のタイトル曲「LO$ER=LO♡ER」ともリンクした内容となっています。どこか世界を冷めた視線で見たような歌詞が特徴的です。この曲は歌詞に韓国若者社会から生まれたスラング「スプーン階級論」を意味する「輝くスプーン」が登場したり、人生をゲームに例えていたりなど、若者らしい表現が随所に散りばめられた楽曲です。


④「Lonely Boy (The tattoo on my ring finger)」

 こちらはヨンジュンとヒュニンカイによるユニット曲です。タイトルにもあるように、別れた後に残ったカップルタトゥーをテーマに、ヨンジュンの気だるげなラップとヒュニンカイの哀愁漂うヴォーカルが魅力的です。こちらも昨年リリースの「0X1=LOVESONG (I Know I Love You) feat. Seori」とリンクした内容になっています。

⑤「Thursday's Child Has Far To Go」

 こちらはスビン、ボムギュ、テヒョンのユニット曲で、ボムギュがプロデュースに参加しています。80年代のシンセポップを思い出させる、爽快感溢れる楽曲です。マザーグースの詩にある「Thursday's Child Has Far To Go」とTikTokでよく使われるハッシュタグ「#breakupgrowup」という時代背景
の全く異なる2つの題材を同時に取り入れたユニークな1曲です。「別れ」を受け入れ前を向こうとする彼らを描いたこの曲がアルバムの最後にあることで、今後彼らにはきっと明るい未来が待ち受けているだろうと想像できます。

 今回のアルバムでは、メンバーがより制作に関わることで、これまで呼ばれてきた「Z世代の代弁者」という立ち位置はもちろんのこと、「自分達の物語を自分達の言葉やスタイルで表現する」という彼らの楽曲制作に対する姿勢までもがより一層確固たるものになったと思います。TXTは2020年にリリースした『The Dream Chapter: ETERNITY』からメンバーが楽曲制作に関わるようになりましたが、今回はなんと全曲にメンバーの誰かしらが関わることで、大人だけの力では表現できないZ世代特有の感情を全曲にエッセンスとして入れることに成功しています。

 また、今回は初めてのユニット曲が収録されたことで、一人ひとりの高い実力がさらに幅広い世代に認知してもらえるきっかけになったと思います。

 デビュー当時から、若者の成長の過程を丁寧に辿ってきた彼らのコンセプトで、今回は「別れ」にスポットが当てられました。どんな世界観でも5人それぞれが持つ独自の魅力で120%消化できることが今作で改めて証明されましたが、次待ち構えているであろう「新たなChapter」ではどんな物語を私たちに見せてくれるのか今から非常に楽しみです。最後まで読んでくださりありがとうございました!



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