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わりとドライな、人生への投資とコスパの話

コスパで考えた、人生のポイント配分について。

こういうのを書くと、「人生をコスパで決めるな」という声もあるけれど…それはそれで間違い。

人生において優先順位の低いものを、コスパで処理するとどうなるか。逆に、自分にとって「本当に大事なこと」を、コスト無視してトライできようになる。

そのためには、まず自分の投資する分野が、どのようなコスパのカーブをとっているか。それを理解することが大事だ。


ルール1. 一般的には高レベルほどコスパが悪くなる

世の中の大半のものは、高レベルになるほどレベルアップがしんどくなる。これは学習だけの話ではない。投資でも経営でも幸せでも8割ぐらいはそう。ドラクエとかのレベルと同じ。

英語歴が1週間と1年では、スキルに大きな差がある。一方で英語歴20年と21年では、ほとんど差がない。スキルに習熟するほど、このコストパフォーマンスは悪くなっていく。

このため、人生をかけたメイン分野「以外」では、多くの場合、上位20%に入れたら、投資を止めても問題ない。

かわりに、そこから先は別のサブスキルを習得しよう。複数のサブスキルで上位20%を目指すとよい。

なぜなら、英語がLv10であるよりも。英語Lv8、ビジネスLv5、数学Lv5、交渉Lv5のほうが強いからだ。

娯楽なども同じ。住宅だろうと、食べ物だろうと、ファッションだろうとそう。それが自分にとって本命でなければ、上位20%に入るまで投資したら、それ以上は投資しないほうが効率がよい。

投資効率が減衰する関係の例
・スキル習熟度と学習時間
・食べ物の美味しさと金額
・満足度とコレクション数
・幸福度と収入

単純に幸せを追求するなら、「深く追求した幸せを1つと、「カジュアルな小さい幸せを沢山もつのが効率がよい。


ルール2. いくつかの分野は加速度的なカーブを描く

いくつかの分野では、逆に加速度的なカーブを描くものがある。このようなカーブが、自分の人生のどこで発生するかに注意する。

たとえば、「プロポーツ選手の収入」と「能力」の関係性は、このような極端なカーブを書きやすい。1位の選手と2位の選手では、収入に大きな差がつく。「アイドルの人気」と「CDセールス」の関係も同じだ。

全体傾向として、「あなたのスペックに対する結果」は、収入であれチャンスであれ、このようなカーブを描きやすい。

またネットワーク効果のような、時間軸と複利効果のある分野でも、このようなカーブは顕著になる。

投資効率が加速する関係の例
・収入とスキル、ランキング
・チャンスと知名度
・歴史に名を残す可能性と業績
・金融投資とかけた時間
・成功のチャンスと、参入の順位

このようなカーブが発生するところでは、どれだけ早く大量にリソースをつぎ込んだか、が重要となる。そして勝者総取りでもある。

もし「自分にとって大事なもの」がこのようなカーブを書く場合、中途半端にエネルギーをかけてはダメ。全力でエネルギーをつぎ込む必要がある。

逆に、このようなカーブを描く分野は、「ちょい噛み」してもメリットはない。自分に必要のない分野であれば、手をださないほうがよい。


ルール3. 2つのカーブを組み合わせる

この2つのカーブを組み合わせることで、効率のよいスイートスポットが見つかる。

たとえば、スキル系の場合…

ルール1. スキルは学習するほど、効率が悪くなる
ルール2. スキルの順位が高くなるほど、収入が加速的にあがる

大抵のスキルは上級者の入り口で、大渋滞がおきる。そして、この大渋滞を越えると、収入やチャンスは加速度的に勝者に集中する。

ここから先は、ちょっとのスキルや順位の違いで、あらゆることに不公平なほどの差が出てくる。


というわけで、わりと効率よく充実した人生を生きるには、「自分が手を出そうとしている分野が、どのようなコスト・リターンのカーブを描くのか」に注意する必要がある。

大きくは、以下のようにまとめられる

・投資すればするほど、得られるものの効率は悪化する
・人生のサブ武器は、上位20%以上を目指す必要がない
・一分野で頂点になるよりは、複数分野を組み合わせるほうが難易度とコストが低い
・娯楽や幸福的な要素は、初級〜中級のレンジのものを沢山持つと、幸福や満足を最大化できる
・競争やランキングは渋滞を越えるまで頑張れば、急に勝者総取りになる(ただし、満足度は逓減するので、思ったより幸せではないかも)。


基本的に、人生の一定部分をコスパで処理するのは、「もっとも大事なものに、エネルギーを注ぎ込めるようにする」ためだ。たとえば音楽に命をかける人にとって、音楽そのものはコスパで判断するものではない。自分にとって、一番大事なことをコスパで処理すると、本末転倒になる。

優先順位の低い分野から、コスパで処理するようにしよう。


ここから先に、「とるべきスキルの順番と、時間軸について」を有料で書こうかと思ったけど、体力がなくなったのでまた別の機会に。


<追記>レアリティを使った順位のハック

収入やチャンスが、競争の上位に集中する。格差社会を嘆くのもいいけども、戦い方あるかもしれない。順位をハックすることができれば、人生はかなりイージーモードになる。狙うのは「希少性」の順位がオススメ。

スキルが鈍化カーブを描くということは、1万人に1人の逸材になることは無理ゲーに近い。でも10人に一人の逸材ならばそこまで難しくない。

だったら、「4分野で10人に一人の逸材」になれば、確率的なレア度は1万人に1人の逸材と等しくなる。これならば、わりと現実的に目指せる。「複数分野を組み合わせるほうが、難易度とコストが低い」とは、そういうこと。


こういう系統の話が好きな人は、「幸せとお金の経済学」とか面白いかもしれない。


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