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TOEIC 450 から海外駐在に至るまでに大切だったと思うこと

TOEIC 450 だった私が英語を勉強して、仕事で英語を使うようになって、ようやくノンネイティブとの仕事は問題ないな、と感じるまでに大切だと思うことをまとめてみます。

英語学習における心構え

心得1 | 英語学習は、穴の空いたバケツに水を貯めるようなもの

英語学習は、穴の開いたバケツに水を貯めるようなものです。

穴は塞げないので、漏れる水は気にしないでおきましょう。覚えたことを忘れても構いません。また覚えればいいんです。

水が漏れるよりも、たくさん水を注がないと、水は溜まりません。忘れる量を気にするよりも、今日覚える量を気にしましょう。

水を注げない日があれば、その分減ります。英語学習を休んだ日は進まないのではなく、その分、後退するのです。毎日英語に触れましょう。勉強した時間をアプリ(Studyplus など)で毎回記録することもお勧めです。

心得2 | お金ではなく、時間をかけること

英語学習に限って言えば、教材の浮気性は大成しません。欲しい教材があっても我慢です。まずは目の前の教材を使い倒すことに時間を使ってください。新しい教材に移るのは(よほど質の悪い教材をつかまされていない限り)、それが終わってからでも遅くないのですから。

唯一、お金をかけた方が良いと思うのは海外旅行です。友達や同僚が海外に住んでいるのであれば、会いに行ってみましょう。留学したい大学があるのであれば、行ってみましょう。モチベーションを高めるためにお金を使うことは、良い使い方だと思います。

心得3 | 英語を学ぶだけでなく、使う機会を作ること

何でも構いません。好きな映画の原作を英語原文で読むことでも、旅行に行ってレストランを英語で予約したり注文したりすることでも、何でも良いんです。英語を使う業務に手を挙げても、業務上のチャンスがなければ英語を使うボランティアを探しても良いかもしれません。

英語学習は、アウトプットを重視する方が伸びます。活きた英語に触れる機会も増えるからです。完璧でなくて構いません。まずはバッターボックスに立つことを意識しましょう。


英語学習の順番

全てをバランス良くやることが重要だと思いますが、土台を作らないと次に進めないことは意識しておいた方が良いです(読めない英語は聞けない、など)。聞くのがしんどいな、というときは読めるレベルよりも少し低いレベルのリスニングから始めた方が近道だったりします。

英語学習の順番

英語→脳内映像化の速度を上げる

Good morning と聞いて、良い朝という意味だから、日本語でおはようだよね、と思う人はいないと思います。Good morning は Good morning なんです。これを、全ての単語、センテンスでできることを目指します。

英語→イメージを瞬間的に

diaper と聞いたときに、おむつの画像が頭の中に瞬時に出てくることが重要です。この速度を上げるために、単語もセンテンスも何回も頭の中に染み込ませるようにします。修行です。

英語を聞いたら、すぐにイメージが頭の中に浮かぶようにする


英語の持久力をつける

海外に出てきて、一番面食らってしまったのは自分の持久力のなさです。

英語のテストは長くても2,3時間くらいかと思います。瞬間最大風速を測っているだけです。現実の海外生活では、 24 時間字幕なしの世界に放り込まれてしまいます。休む暇がないんです。

月曜日、火曜日くらいは聞けているんですけど、水曜日の午後くらいになると「あれ?何言ってるんだろう?」という英語リスニングのゲシュタルト崩壊が起きました。

これを避けるために、一番効果があったのは好きな英語の本の多読でした。単語や文法で大きな問題がないレベルの本を、休みなくひたすら読み続けます。読んでいる間は、日本語に触れること(スマホをいじったりすること)は厳禁です。ひたすら英語を読み続けます。

少し古い例えですが、ドラゴンボールのセル戦で、スーパーサイヤ人になることを当たり前にする修行がありました。まさに、あれです。TOEIC や TOEFLといった英語のテストという特別な時間だけ全力を出していては足りないのです。常に英語のスイッチをオンにし続ける訓練、これが海外駐在後に大きく役立ちました。

英語は手札の一つに過ぎない

英語は結局コミュニケーションの一部なので、英語ができたからといってそれで充分ではありません。むしろ、英語しかできない人で仕事ができる人はいないと思います(日本語話せるだけで仕事ができるのであれば、誰も苦労しないですよね)。

例えば、アメリカ人は子どもの頃からNo. 1になることを求められて生きてきています。そのため、No. 1 でなくても No. 1 であることを強要されているように思います。また、キリスト教が少し歪んで解釈されているように見える部分もあり、例えば善人が神様に好かれて成功するのではなく、成功している人は神様に好かれるくらい善人なはずだというロジックが働いています(日本の判官びいきとは真逆ですね)。そのため、米国英語で強いイメージを出すということは、優秀さだけでなく善人としても見られることになります。ちなみに、TOEFL iBT のスピーキングなどで、いつもより低い声を出すと大人=強いイメージを出せて高得点になるといったこともあるようです。また、女性の教授やマネジャーは、学生や部下と話すときに威厳を見せるためわざと低い声で話すこともあります。こういった背景を知っておくことも極めて重要です。

ある国でうまく働くルールが、他の国では真逆に働いてしまうのは、よくあることです。もっと言ってしまえば、海外ではそのルールを自分たちの都合の良い様に書き換えることも、ゲームの一部となっていたりします。

繰り返しますが、英語はあくまでツールのひとつです。英語というカードが弱ければ、他の手札で勝負すれば良いだけです。もっと言うと、その組み合わせをどう魅せるかも含め、戦略的に戦う必要があります。

総合力で勝負しましょう。日本人にしかできないこと、海外で勝てる勝ち筋はいくらでもあります。英語がどうしてもだめなら、自分の土俵で勝負できるようにすれば良いです。

と、少し脱線してしまいましたが、英語を学ぶ・使う上でお伝えしたいことでした。


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