12月24日(火):脱、「時間縛り」の教育
先般の日経新聞には「教育進化論」と題したコラムのなかで、「子ども自ら行動、破れ『時間縛り』」と題した記事がありました。
こちらの要旨は一部の学校で授業時間の見直しを行い、子どもの主体性を重視して裁量をもたせた授業を行う取り組みを紹介しています。
具体例にあげられていたのが滋賀県愛荘町にある小学校です。
同校では「学校の当たり前を見直す」を目標に掲げ、まずは「時間」にフォーカスをしたユニークな取り組みが展開されています。
今年の4月からの変更点は1コマあたりの授業を5分短くし、午前中に5コマ行うことで、毎日午後に20分間の「学習タイム」を捻出する形です。
この時間は苦手教科の克服から得意な教科の先取りまで、児童が個々に自分にとって必要だと思うことを実施できるようにしています。
狙いとしては指示待ちの受け身による詰め込み型の授業ではなく、自分で考えて行動する「自己調整力」の育成だといいます。
これは非常に良い取り組みだと思いますね。
モチベーションの心理学の観点でいえば、内発的動機付けの本質は「自律性:自分の意思が尊重されること(=楽しいからやろう)」と「有能感:自分にできることが証明されること(=進んだ、できた、褒められた、自分にもできる)」です。
自ら学び、成果も上がり、満足を得る、そのために大切なのは「自己決定感」だから、今回のケースのように個々にそれができる裁量があるのは良いですね。
なお紹介した小学校のように授業時間の縛りを緩めて、教える内容に柔軟性をもたせる学校は少しずつ増えており、現在は100校超になってきたそうです。
ただ文部科学省の調査によると、99%の小中学校が「標準」として定められている「小学校45分、中学校50分」の授業時間を順守している状況だから、1%の先進的な取り組みに留まります。
柔軟な発想や柔軟な対応など、今後を見据えた教育の試行錯誤が広がっていけば良いなと思っています。