「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論254」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌(元々はクラブマネジメント誌としてスタート)のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~クラブマネジメント通巻第36号(2001.9.25発行)「業界再編期のクラブ経営」17~※名称等は当時、一部文章省略
パネリスト
斎藤敏一氏(株式会社ディックルネサンス代表取締役社長)
白井省三氏(株式会社ティップネス代表取締役社長)
中島良一氏(株式会社フィットネスマネジメント代表取締役社長)
3.企業の進路
斎藤:出店については従来通りどんどん行っていきます。
新規出店もしていくつもりですし、お申し出があれば経営肩代わりもさせていただくつもりです。
その資金調達の方法の1つとしてIPO(株式公開)ということを考えています。
また店舗形態としてはこれまでの郊外・延床面積1500坪のタイプだけでなく、ジム・スタジオタイプを何らかの方法で実現したいと考えています。
まだ適当な物件がないので出ていませんが、この形態ですと既存の建物にも入れますからかなり出店スピードが上がるだろうと思います。
新分野の取り組みという点については、色々やりたいことはあるのですが、まだまだ私たちは株式公開の準備を含めて本業部分でやるべきことがたくさんあるので、今は控えています。
既存クラブの特定部門の改善や会社のシステム整備など今、やることが山積みなのです。
ただリスクの少ない提携の様な形だったら何かやれるかな、とも思っています。
ホームフィットネス器具メーカー、あるいはコンピュータ関連の企業を交えて事業を起こしませんか、といったお誘いはたくさんあります。
モデルとなる事業もアメリカにはたくさんあります。
この展示会(HFJ2001)にもいくつか出ていましたね。
アメリカではネットパルスやEゾーンなどのようなエンターテイメント系やネット系のハード・ソフトが色々と出てきています。
本当にいいものがまだ無いので、外部の知恵を集めて連携して何かを作るということは面白いなと思っています。
具体的なビジネスにきちんと出来る事業者と組んで、今フィットネスクラブに来ていない97%の人たちがワクワクして楽しめる「商品」やその供給システムを作ったら、あっという間に私たちの業界のトップ企業さえも抜いて、健康という切り口で売上高NO.1の事業を作ることができる可能性はあると思います。
フィットネスクラブの経営者や企画の中枢にいる人はこういった新規事業の可能性には常に目を光らせていなければいけないと思います。
~ここまで~
ルネサンスはその後、目標としていたIPO(株式公開)を実現し、店舗網や業態を広げることも実行していきました。
また、記事にあるエンターテイメント系、ネット系の業際事業者もここ20年で急激に増え、健康(ヘルスケア)という領域において、フィットネス業界とは桁違いの売上規模となっていることも予想された通りにはなっています。
ただ残念なことに、業界企業はその部分での発展は大きく見られず、変わらず狭い領域での陣取り合戦を続けてきたというのが実情です。
本日もお読みいただきありがとうございます。