5月9日(月):オシムさんを偲んで⑧
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5月9日(月):オシムさんを偲んで⑧

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この1週間ほどはオシムさんを偲んで自分のなかでの追悼として、オシムさんの関連書籍からピックアップした事柄を記載してきましたが本日で一区切りにしようと思います。

これまでは「ディシプリン」、「準備」、「責任」、「日本の教育、因習」、「リスク」、そしてオシムさんにとっての代名詞ともいえる「考える」ことに触れてきましたが、最後はオシムさん自身についてです。

オシムさんのことを人々がどう評していたのか、どういった存在であったのかを記憶に留めておくのが、追悼の締め括りとして望ましいんじゃないかと感じたためです。

オシムさんは日本でも多くの人に影響を与えましたが、ボスニアの方々にとってはそれ以上に大きな存在だと思うので、最後はそうした方々の言葉を借りたいと思います。

以下は書籍「オシム 終わりなき戦い」からの抜粋です。

「ボスニアの人間は二度もシュワーボ(オシムさんのこと)に大きな力をもらっている。最初は彼がユーゴ代表監督を辞任したとき。サラエボへの軍事攻撃に対する抗議をあのような形で示してくれた。我々は戦火の絶望の中で自分たちのことを思ってくれている人がまだいることに励まされた。二度目は今回の正常化委員会です。3つの民族をまとめてサッカー協会をひとつにしてくれました。」

──オシムがどのようにして協会をひとつにまとめて FIFAの除名処分を撤回させたのかご存じですか?「もちろんです。経緯も知っています。ユーゴが生んだノーベル賞作家のイヴォ・アンドリッチはこう言っています。『単純明快でシンプルな人間に育つということこそが芸術だ』と。イビツァ・オシムという名から思うことは、彼の近くに居られること自体がすでに僥倖を得たということです。彼のカリスマ性は偶然ではない。まず偉大なサッカー選手であった。そしてピッチの中でも外でも、地位のある人もない人も誰彼問わずどんな人とでも同じようにシンプルに接し、会話をする。彼は自分の中のエゴを飼いならしたのです。彼の精神性と性格、そしてその接し方でボスニアが FIFAから離れてゆくのを救った」

──彼が、対立が続く 3民族をまとめることができた理由はどこにあったのでしょうか。あなたも 3民族が融和したトゥズラで最後まで戦って武装勢力から町を守った。その経験から見てどうでしょうか。「オシムがスポーツの有名人としてではなく、人間として行動したからだと思います。ときにセレブな有名人はそのような人格は持ち合わせていない。反対に素晴らしい人格者だがスポーツに関しては何もできない人もいる。オシムはその両方を持ち合わせた希有の人でした。彼がスポーツのみならずボスニアの社会にとってどれだけ重要な人物であるかを本当のところは誰もわかっていないのではないでしょうか。政府にとっても大きな意味を持っていると思います」

「あの会見はよく考えられたもので、聡明で正常なものでした。黒と白、善と悪、何が故郷で起こっているかをオシムはすべて理解していました。今でもボスニアではあのシュワーボの言葉をよく使っています。人々は様々なカテゴリーに分けられる。ジャズが好きな人、バラードが好きな人、山が好きな人、海が好きな人、そして、仕事のできる人とできない人。できるというのは勉強のことではありません。私は映画製作で無教育の人と話をし、彼らから多くの人生を学びました。反対に2つの博士号を持っている人も知っていますが、彼は何ひとつ社会のために現実化していません。イビツァ・オシムは現実的な人です。彼は地球規模の顔を持っています。そのような顔を持つ彼は間違いを起こせなかった。自分の故郷が侵略されて無実の人々が理由もなく殺害されていく。他に選択肢はなかったのです」

(ここまで)

これらを読むだけでもオシムさんがどんな人間であったのか、どのように生きてきたのか、その一端をうかがい知ることができるんじゃないかと思います。

脳梗塞によって日本代表の監督を退いて母国に帰国して以降は日本でオシムさんのことが報道される機会は極めて限定的になりましたが、その後もオシムさんは様々なことと向き合い、戦ってこられました。

書籍「オシム 終わりなき戦い」にはそのあたりのことが触れられているし、オシムさんの足跡をたどるように過去のことも記しているので、興味のある方はぜひ、こちらを手に取ってもらえると良いですね。

そして同書を読むとオシムさんが日本のことをいつも気にかけてくれていたことも分かります。

そんな思いを汲みながら考え続けること、そして歩み続けることを大切にしていきたいと思います。


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