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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論553」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第15号(2004.11.25発行)「スイミングクラブの成長戦略」26~※名称等は当時、一部文章省略

Ⅳスイミングクラブ成長への10箇条

1)選手育成、子どもへの情熱
成長を続けるスイミングクラブオーナーにとって、その原動力はやはり選手育成や子どもの指導への情熱である。
こうしたクラブオーナーは現在も自らプールに入り、レッスンを担当している。
子どもにスイミングを教えたいという気持ちが、新たな挑戦へと導いている。

2)苦境に屈しない発想力
現在、成長しているスイミングクラブオーナーに共通するのが、幾度の苦境を乗り越えてきていることである。
苦境の中でも柔軟に発想し、それを乗り越えてきている。
その発想力が協力者や資金を引き付けている。

3)制度融資の活用
成長への弾みをつける際に、多くのクラブオーナーが制度融資を活用している。
無担保でも資金が借りられ、金利も安い。
制度融資と通常のプロパー融資をバランス良く活用している。

4)会員制の導入と大人へのマーケティング
子どものマーケットが縮小している中では大人もターゲットすることでリスクを軽減できる。
特にフィットネスに事業ドメインを広げて成長しているクラブは、まず自社が強みを持つプールでのプログラムの種類と数を増やし、会員制を導入することから始めている例が多い。

5)大人と子どもを分ける
フィットネスクラブへの移行で成長軌道に乗せたケースの多くは、プールでの大人の会員制を導入した後に、早いタイミングで大人と子どもを分けている。
利用の時間帯はもちろん、動線を分けたり、環境が許せば利用する施設を完全に分け、特に大人の会員がより満足できる環境を整えている。

6)積極的な再投資
成長を続けるスイミングクラブはキャッシュフローに応じて積極的に再投資している。
今日の利益を投資に回すことが将来の利益と成長に繋がっている。

7)パートナーの活用
成長の各段階では多くの挑戦がある。
自身で全てやろうとするのではなく、その分野に強いパートナーを見つけ、そのパートナーの意見を柔軟に聞き入れながら事業を進めている。

8)地域のネットワークの活用
多くのスイミングクラブが小商圏に存在している。
そのため、地域のネットワークを効果的に活用している例が多い。
特に医師や教育機関との繋がりは重要である。

9)スタッフの育成
成長しているクラブは皆、スタッフのモチベーションを高く維持する独自の方法を持っている。
スタッフが活き活き働くことがクラブを成長させる。

10)後継者の育成
成長しているスイミングクラブは、創業社長から早めに異業種からの関係者や、2代目経営者に引き継いで経営されている例が多い。
新鮮な目でこの業に可能性を見出せる経営者の発掘は今後の成長の鍵となる。

~ここまで~

この成長への10箇条は、パンデミック以降、苦戦が続くフィットネスクラブにも基本的に当てはまり、各社が改めて点検すべきポイントだと思います。
(4条については、逆にスクール制の導入と子どもへのマーケティングと置き換え、検討する)

ただ、前回記載した通り、8事例のうち、記事から約20年後の現在は存続できていない企業もあることから、これらのポイントを最低限有した上で、さらに独自性を付加する必要があるとも言えます。

つまりは、この10箇条を満たしていないならば、今後の存続は難しくなるという危機感を持つべきでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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