
「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論292」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第1号(2002.7.25発行)「スポーツ種目が第4のアイテムに」1~※名称等は当時、一部文章省略
ボクシング
必死の形相で打ち合う2人、真剣そのものの表情でひたすらサンドバックを打つ者、入念にストレッチをする者、静かにバンテージを巻く者。
今、ゴールドジム横浜馬車道が、ボクサーたちで熱い。
毎日夕方になると、小さなリングを揃えた20坪ほどのボクシングエリアには眼をぎらつかせた男女ボクサーの汗が散り始める。
夜の7時を過ぎる頃には、このエリアは10数人のボクサーでいっぱいになってしまう。
彼ら、彼女らは皆がプロを目指すような特殊な人たちではない。
多くがごく「普通の人たち」なのである。
そんな普通の人たちが今、ここには300人以上いて、毎年100人のペースで増えている。
ここゴールドジム横浜馬車道では、8年前からスタジオなどで導入していたボクシングエクササイズのクラスを3年前に「誰でも気軽にスポーツとして楽しめる本物のボクシング」に変え、きちんとした商品に育てようと、三迫ボクシングジム、日本ボクササイズ協会などと協力して開発を進めてきた。
「クラブボクシング」と名付けられたこの商品が、この度ほぼ完成。
その成果が冒頭記した夕方以降の盛況ぶりに繋がってきているのである。
「クラブボクシング」は、本格的なボクシングの技術を、フィットネスクラブという快適な環境の中で身に付け、さらにブラッシュアップしていく商品。
カリキュラムでは①スターティングプログラム(基本スタンス、パンチの基本技術など50ステップ)、②エクササイズプログラム(フットワーク、シャドー、ミット打ちなど50ステップ)、③実践プログラム(ディフェンス、スパーリングなど50ステップ)の3種類がある。
これらは、このエリアに常駐している専任のコーチが、原則パーソナル指導で段階的に提供していくが、その課程で10回の進級テストがあり、徐々にステップアップしていけるシステムとなっている。
システムにはスイミングスクールのノウハウが一部採り入れられていて、進級に応じて、グローブに付けるカラーバンドの色が変わるといった工夫も盛り込まれている。
料金システムは会員制をとり、月額、男性12000円・女性11000円(ゴールドジム横浜馬車道の全施設アイテムが利用可能)となっている。
会員制の他にスクール制(2ヶ月会員14000円)も用意しているが、現在のところ圧倒的に前者が多い。
冒頭にも記したが、現在300名超のメンバーが汗を流しており、「この数はこれまでずっと右肩上がりで、落ちたことがない」という。
U社長は、この「ボクシング」の多くのメリットを実感しており、今年中にさらに2店舗に導入し、その後はフランチャイズまたは運営委託等の形式で他店へも広く普及を図りたいと考えている。
ボクシングが有効なプロフィットセンターになることを証明してみせたゴールドジム横浜馬車道。
拡大成長の予感がする。
~ここまで~
ボクシング系プログラムについては、記事の時期から現在まで一定のニーズがあり、息の長いアイテムであると言えます。
パンデミック前には、暗闇ボクシングが専門スタジオから火が付き、総合型クラブ内にも一斉に広がる動きがありましたが、3密に近い空間ということで下火になってしまいました。
ただ、基本的にこのアイテムが廃れることは考えにくく、専門性と気軽さのバランスや安全・安心なエクササイズ環境を整えることで、十分、発展可能性があるプログラムだとアバター近藤は評価しております。
本日もお読みいただきありがとうございます。