5月21日(土):メタバースとゲーミフィケーション
バンダイナムコホールディングスがガンダムのメタバースを起ち上げるニュースが出て、リリースされたら興味半分とリサーチ半分でそこへ入っていこうと思っていたので、それに先駆けて約10年ぶりにガンダムのオンラインゲームに私自身が復帰してみた旨は以前に記しました。
久しぶりにオンラインで他のユーザーと一緒にプレイをしてみた感想は、ゲーム自体の面白さはもちろんですが、ゲーミフィケーションの本家として非常にうまく設計されているな、という感覚です。
ゲームというものは衣食住や健康に関連するフィットネスと違い、日常生活にとって必需品ではないわけですが、それでも人を熱中させたり、時にお金を支払ってもらうには相応の仕組みが要ります。
ゲーミフィケーションの構成要素として代表的なものは以下のようなものです。
・即時フィードバック
自分の行動に対する反応がすぐにわかること、リアクションや目に見える結果。
・レベルアップ
自分の強さや経験の量が数字で表現されること。
・カスタマイズ
自分のオリジナリティーが追及できる状態にあること。
・イベント
時には特別感や限定感のある演出があること。
・驚嘆
驚きやワクワク感といった、ユーザーの想像を上回る体験を提供すること。
前述したガンダムのオンラインゲームでも、もちろんこれらのポイントはしっかりと押さえられていますね。
最近の日経産業新聞では「戦略フォーサイト」の欄で「メタバースビジネス最前線」という連載がされていますが、そこでもメタバースビジネスが持続可能な成長をするには、ゲーム業界から学ぶべき点が多くある、と触れていました。
そこで学ぶべき要素としてピックアップされていたのはゲームコンテンツが持つ「コンテンツ力」「ゲーム性」「コミュニティ」の3点でした。
・コンテンツ力
仮想空間やアバターのビジュアルの美しさ、ユーザーの想像力を高める演出など
・ゲーム性
ユーザー共通のミッション、クエスト設計など
・コミュニティ
他のユーザーとのコミュニケーション、インタラクションでオンライン上の仲間作りなど
同コラムではこれらの要素を現状のメタバースに当てはめ、まだ初期段階だとはいえゲームと比べるとコンテンツ力が弱く、仮にメタバースを支えるテクノロジーがどれほど進んでも、コンテンツが弱い空間に人は集まらないし、リピート訪問もしないと指摘しています。
またゲーム性についてメタバースは空間内の設計の自由度は高いものの、ミッションやクエストといったゲーム性を重視した設計がなされていないのが現状だといいます。
そしてコミュニティは一部のメタバースにも存在するけれども、ゲームのような好循環の流れはまだできていないとの認識でした。
こうした観点でメタバースを見ていくと、またいろんなものが見えてくるかもしれません。
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