
「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論294」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第1号(2002.7.25発行)「スポーツ種目が第4のアイテムに」3~※名称等は当時、一部文章省略
卓球・バドミントン
「子供の頃、家族や友だちとよくやったスポーツは?」
現役の若者なら恐らく野球やサッカー、バスケット、ボウリングなどと答えるのかもしれない。
でも、30~40代の世代ならどうか。
きっと「卓球」や「バドミントン」と答える人が多いのではないか。
最近は小アリーナを設けるクラブが増えてきているが、そうしたトレンドを作り出したクラブの1つ、株式会社リーヴ・スポーツでも盛んなのが卓球やバドミントンだ。
リーヴ・スポーツのひばりヶ丘店や相模大野店では、昼を挟む11:00~14:00の間に1種目80分間のコマを2つ設け、各々に「ゲームプログラム」を取り入れているが、この時間帯に参加する中高年のスポーツ愛好家に特にそれらの種目は人気が高い。
失礼ながら、年に似合わぬラケットさばきでプロ顔負けのスマッシュを決める中年男性を何人か見かけた。
リーヴ・スポーツ相模大野店支配人S氏はいう。
「バスケットやバレーなども取り入れているのですが、卓球とバドミントンの人気は群を抜いています。ゲームプログラム自体も人気があって、同じ時間帯の他のプログラムへの参加率(単位時間帯あたりの参加者の在籍会員数に対する割合)が、どれもほぼ20%なのに対して、ゲームプログラムは30%ほどとなっています。」
相応の集客ができていることから、同クラブでは「秋には冠スポンサーを見つけて、一般からの参加者も募り、大会を開催する予定」(同支配人)だという。
これらゲームプログラムはまだ有料化していないが、確実に顧客のハートを捕らえてきているようだ。
グループプログラムに、ユニークなスマッシュが打ち込まれたとも言える。
テニス・バスケットボール・ソフトボール
「スポーツクラブってゲーム(試合)とかやったりはしないんでしょう?」
「トレーニングしているだけではつまらない。でも、1人じゃゲームもできないし。」
そんな人々の声に応えようとNASは、7月よりテニスやバスケットボール、ソフトボールなどのゲームを積極的にコーディネートすることにした。
同社が体育館や野球場などを借り、各店で活動しているサークル、グループを組み合わせて対戦する大会を開く。
会員の参加料は無料。
まずは首都圏に立地しているクラブ間で行う。
これと連動して引き続き新しいスポーツサークルの結成も呼びかける。
フィットネスの先にスポーツが見えるクラブ作りを目指すことで、会員のクラブ利用を促進し、継続率の向上を狙う。
参加サークル数が増えてくれば、集客にも好影響を与えそうだ。
~ここまで~
トレーニングが好きな人に比べてスポーツが好きな人は圧倒的に多いと思います。
実際に働いているスタッフもほとんどが何らかのスポーツを経験し、そういった活動の中で運動に関連する仕事としてフィットネスジムを選んだ人も多いでしょう。
つまり、フィットネスビジネスをトレーニングという括りの範囲を超えてスポーツ領域も包含すれば、より参加したいという人が増えることを記事は示唆しています。
この観点は、ニューノーマル時代における新しい総合型クラブ像を創り出すヒントになるのではないかとアバター近藤は考えます。
本日もお読みいただきありがとうございます。