12月16日(土):教育現場で広がる「ラーニングコモンズ」

先日の日経新聞には「学校の図書館に異空間 人工芝やキッチン併設」と題した記事がありました。

こちらの記事で取り上げていたのは私立の中高一貫校などの図書館で進む「ラーニングコモンズ」の整備についてです。

記事内で紹介していた学校のラーニングコモンズでは、従来のような書架や静かに過ごす集中エリアに加え、人工芝が敷かれて靴を脱いで集まれる場所、様々な形や色、デザインの椅子に囲まれたテーブルやソファなど会話用のスペースのほか、電子黒板やホワイトボードを備えた一角もあるといいます。

それによって黙って読書や自習、調べ物をする場に留まらず、自習やグループ活動、くつろぐ目的で集まるなど、生徒たちが多様な目的で訪れているそうです。

同校では「機能性よりもあたたかみを重視し、コミュニケーションが生まれる場を目指した」とのコメントの通り、ラーニングコモンズを介して人がつながるハブの役割が意図されています。

これは従来の図書館が持っていた知との出会い、学びの場といった役割に加えて、対話を通した知の結合や、人と人がつながっていく機会の創出へのアップデートといえますね。

記事内では進学情報誌の編集長が「私立で設置の動きが相次いでいるのは、従来の知識詰め込み型の学習から持続型の学習への変化を意識している」点に言及をしており、それらの流れへの変化対応の面は大きいのだと思います。

また別な観点でいえば、昨今はあらゆる面が個人化をしてきた面が否めず、共有地・共有財としてのコモンズが減ったことで、人と人とが重なり合う場が限定的になってしまったり、結節点がオンラインに移行してしまった面も挙げられるでしょう。

だからこそリアルのなかに、このような場を設けていく意義は大きいと感じます。

場を設けて環境設定をすることでこそ創発されるコミュニケーションやつながりがありますからね。

私も大学時代はよく学校の図書館に足を運んでおり、そこでの静謐な空間も好きでしたが、記事にあるようなラーニングコモンズもまた魅力的です。

学校の教育現場発のコモンズとして、こうした場が少しずつ広がっていけば良いですね。

宜しければサポートお願い致します!