
「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論780」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第33号(2007.11.25発行)「地域貢献というサービス(商業アドバイザー・小柳剛照)」2~※名称等は当時、一部文章省略
アネッサクラブ
(のきさきギャラリー)
各店が店頭にひな人形などを一斉に飾り、まち並みが美術館のように楽しめる事業です。
買い物をしてくれなくてもいい。
まち歩きを楽しんでもらいたい。
そういう気持ちで店頭を飾った人形たちは、大きな評判を呼びました。
今では季節ごとに、さまざまな飾り付けが行われるようになっています。
(四つのどうぞ)
消費者がまちなかで不便を感じることに対し、「四つのどうぞ」が提供されています。
・トイレをどうぞ。お使いください。
・椅子をとうぞ。おやすみください。
・お茶をどうぞ。お飲みください。
・荷物をどうぞ。お預かりします。
買い物をしていただくより先に、まずはまち歩きを楽しんでほしいという気持ちが消費者に伝わり、まちなかを歩く人は増えてきました。
商店街のおかみさんたちとしては、店の売上を増やすことを第一に考えたいところです。
でも、まちづくりという地域貢献を前面に押し出したことにより、活動が全国的に注目を集めるようになりました。
そして、その活動が評価され、2004年11月に「ふるさとづくり賞」総理大臣賞を受賞しました。
企業のステイタスアップを
考えてみれば、企業をもうけさせてあげたい、という気持ちでお金を払う消費者は一人もいません。
いいサービス、いい商品に満足したいから利用するものです。
でも、地域のために貢献している企業ならどうでしょう。
「そんな素晴らしい企業なら、利用してみたい」という思いが、自然と消費者の心の中に浸透していくのではないでしょうか。
地域貢献というサービス。
それは売上の即効薬とはいえません。
でも確実に「あの会社はとても素晴らしい」といわれ、住民の評価は高まっていくのではないでしょうか。
クラブのサービスは、会員の方に対し、クラブの中で実施するもの。
でも周囲の住民の方、まだ一度もクラブを利用したことのない方にも、喜んでもらえる地域貢献サービスも考えてみてはどうでしょう。
それが従業員のサービス精神も、一段高いレベルに引き上げる効果を生みそうです。
難しいことではありません。
地域の清掃活動でも、ボランティア活動でもいいのです。
そして、地域のために真剣になれる企業なら、顧客も、顧客外の住民の皆さんも、心からの支援をしてくれるような気がします。
さあ、どうでしょう。
そんなところに長寿企業への道がありそうに思えませんか。
~ここまで~
先日も、地域の要請で、住民イベント協力の出店をしたり、地域の健康セミナー、自治会への運動機会提供など、当社各クラブは出来る範囲で、クラブ外活動を実施しております。
それらの活動が、収益に大きく貢献することはありませんが、スタッフはクラブ内では感じ取れない様々な経験をすることができ、それだけで得るものがあると言えます。
クラブ勤務あるあるは、全てが施設内で完結することによって、その世界の範疇で物事を考え、判断してしまうことです。
これだけ先行き不透明な時代においては、視野狭窄イコール事業停滞を意味しますので、長寿企業を目指すならば、必須な活動とも言えるでしょう。
お読みいただきありがとうございました。