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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論326」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第2号(2002.9.25発行)「フランチャイズが好機」3~※名称等は当時、一部文章省略

例えば、小規模のクラブでニッチマーケットを狙いたいと思えば、レディーズワークアウトエクスプレスが選べる。

1,200~2,000平方フィート(33~56坪)で、18,550~60,300ドル(220~720万円)ー手付金5,000ドル(60万円)以下、95%融資ーという車1台を買うのと同様の資金でクラブをオープンすることができる。

もし、もう少し大きなビジネスをしたい場合は、ワールドジムを選ぶことができる。

この場合、12,000~20,000平方フィート(337~562坪)のクラブを12,750ドル(153万円)のフランチャイズ契約料と、設立資金465,250ドル(5,583万円)と年当たりのライセンス料6,500ドル(78万円)で運営することができる。

フランチャイズやライセンス契約によるクラブ経営がブームになったのは、これまでそうした企業が努力を重ねてきた結果でもある。

しかし、この成功は、新たな課題をもたらすことになる。

魅力的なブランドイメージを守るために、これらのクラブ企業はフランチャイジーを慎重に選ばなくてはいけない。

施設を清潔に保ち、質の高いプログラムを提供し、顧客やメンバーに好ましい環境を提供できる人物を見極めなければならない。

経営者の資質と確立されたブランド力が最も価値のある資産となる。

「私たちにとって最大の課題は、成長しても高い質を保つことです。」

ゴールドジムのフランチャイズリクルートマネージャーはこう話す。

「これはフランチャイジーの方々にとって大切なことだからです。フランチャイジーの方々は、お互いに協力しながら同じブランドのクラブづくりを確実に行っていかなければなりません。」

ワールドジムのウレツ氏はまたこう話す。

「我々は抜き打ちの検査も定期的に行っています。さらに我々には270人のスパイがいます。つまり、フランチャイジーの方々がお互いにクラブを見学しているのです。ブランドを持つことで、世間に受け入れられやすくなったり、クラブ経営に自信が持てることになったりといったメリットがあり、また、生活者の方々には安心感を与えることができます。人は知っているブランドがついていることで、そこにある一定の期待が持てるのです。あとは有言実行を続けていれば、必ず成功できると確信しています。」

~ここまで~

フランチャイズやライセンス契約は、記事のように事前の信用や期待を顧客に一定程度、与えることができるメリットがあります。

これは例えば、新たにコンビニエンスストアを開業するとして、全く無名の自社ブランドで出店するよりもセブンイレブンで出店した方が、遥かに成功確率は上がるということです。

ただ、気を付けなければならない点は、フィットネスビジネスの場合、日本ではライザップやゴールドジム等ごく一部の企業しかブランド認知されておらず、フランチャイジーになる=信用のショートカットができるというメリットをあまり享受できない恐れがあります。

業界第1位の店舗数を誇るカーブスですら、家族や友人に聞いても知らない人が多いのが日本のフィットネス環境ですので、安易な業界参入はお勧めできないのが率直なところです。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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