
9月10日(日):産業の高度化と「コト」市場での付加価値の創出⑤
最近は日経産業新聞のコラム「労働市場の未来予測」に端を発して、「コト」市場での付加価値の創出について話をしてきましたが、本日あたりで一区切りの予定です。
これまでの数回は私たちのような「コト」を提供するサービス業での付加価値の生み方として、「サービスの特性を創意工夫によって裏返す」観点、マーケティングの7Pにおける「People(担当者)」、「Process(提供手順)」、「Physical Evidence(知覚可能な物的環境・品質)」、そこから派生して「プロセスエコノミー」などに触れました。
昨日は書籍「プロセスエコノミー」の内容も取り上げましたが、そこで示唆している観点のひとつに「EX」があります。
ここでいうところのEXとは「エンターテイメントトランスフォーメーション」を指し、人はワクワクする生き物だから、あらゆるプロセスに楽しさを実装することで、より可能性生が広がっていくのではないか、との発想です。
「正しい」を「楽しい」にすると、これまではそこに価値を感じられなかった人にも届き、いろいろな人を巻き込んでいける良さがあるといいます。
この点は私たちフィットネスにも同様なことが当てはまるように感じますね。
誰もが健康のために運動をしたほうが良いのは間違いないわけですが、そこで理詰めの正しさばかりを主張しても、重い腰が上がらない人がいるのもまた事実でしょう。
そうした人にも参加をしてもらったり、継続をしてもらうためのポイントのひとつは「楽しさ」をどこかに盛り込んでいくことだと思います。
ともするとトレーナーは職人的で「正しさ」に固執してしまうケースもありますが、人間は「論理」だけではなく「感情」で動く生き物なので、それもふまえたアプローチが大切です。
トレーニングの1から10までの全てを楽しくするのは難しいでしょうから、まずはどこか一部に楽しさとしてのエンタメ要素を盛り込めないか、そのように考えてみるのが現実的でしょう。
これまでの数回で様々な観点を示しましたが、どこからでも、誰でも着手できる要素はあるので、トレーナーがこれらの観点をもって付加価値を創出してもらえればと思っています。