
5月19日(金):Jリーグ30周年、理念で乗り越えた危機
このところは開幕から30周年を迎えたJリーグのことを綴っていますが、本日も関連した話を少しばかり。
昨日は「J30ベストアウォーズ」で「ベストマッチ」に選ばれた2011年シーズンの「川崎フロンターレ対ベガルタ仙台」の試合や東日本大震災の直後に選手たちの発案で行われた復興支援のためのチャリティマッチ「日本代表対Jリーグ選抜」のことを取り上げました。
そのうえでJリーグが単にサッカーやスポーツの枠だけに収まるものではなく、多くの人が気持ちを投影する社会の公器になっている旨を記したと思います。
こうして30年を経てみるとJリーグが多くの人に受け入れられ、良い形で発展してきたのは間違いありませんが、その道のりは必ずしも順風ばかりではありませんでした。
ちょうど先般からは日経新聞で「Jリーグ30年を温ねて」という連載が始まっていて、1回目にはJリーグの初代チェアマンである川淵さんのインタビュー記事が掲載されていました。
同記事では確かな成果を感じつつも「今、思い浮かぶのは薄氷を踏む思いで乗り越えてきた危機の数々」であると述懐されています。
とりわけ98年に横浜マリノスに吸収合併されたフリューゲルスの消滅はサッカー関係者、ファンに大きな衝撃を与えるものでした。
川淵さんはこの時期と前後して10近いクラブが経営危機に陥っていた点や、それを各地域の自治体や企業が救いの手を差し伸べてくれて乗り越えられたことに言及していて、こうした壁を乗り越えながら本当の意味での地域密着が形成されたのだと感じます。
ただ、それらも決して偶然の産物ではなく、Jリーグの設立当初から100年構想を掲げ、地域に根差したクラブづくりを進めてきたからに他ならないと思います。
その意味でJリーグは確たる理念をもって邁進することの大切さを教えてくれる存在でもありますね。
また紆余曲折を経ることで理念が強固になったり、その理解者や賛同者が増えていく面もあるのだと思います。
この先でJリーグが壁にぶつかることや転換期を迎えることもあるでしょうが、引き続きサッカーファンとしてJリーグの歩みを見守っていきたいですね。