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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論186」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌(元々はクラブマネジメント誌としてスタート)のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~クラブマネジメント通巻第28号(2000.5.25発行)「予算のマネジメント」23~※名称等は当時、一部文章省略

4.予算統制

予算統制とは、予算とそれを達成するための業務計画に基づいて行動した結果である実績を比較することで差異を明らかにし、一定レベルの差異が生じそうな場合、あるいは生じた場合に、その原因を分析し、代替案、修正案を立て、スピーディーに行動(プロセス)の修正を図ることで、できる限り計画的に業務を進め最終的な利益目標を実現していくための一連のアクションをいう。

予算統制を機能させるためには、何よりまずそれをすることが「便利で、役立ち、必要なもの」との理解が管理者と実行者らになければいけない。

統率者は管理者、実行者らに予算のマネジメントの必要性、有用性をまず、きちんと伝達することから始めねばならない。

また確実な統制のためには次の4つのシステムを整備することが不可欠である。

(1)管理会計

当業界の場合、まず管理会計のシステム以前に、一般的な財務会計のシステムすらまだきちんと整備しきれていない企業が多い。

例えば、1年一括で会費を支払われる方の1年分の会費や来月から会員になられる方の入会金を入会時点で、つまり現金主義で、売上処理している企業が数多く見受けられる。

これらは本来、発生主義で売上処理しなければならない。

つまり前者は12ヶ月で均等に割って、毎月売上処理されなければならない。

まず財務会計のシステムがきちんと整備されていないと、独自の管理会計のシステムを導入しても抽出されるデータと実態との間に狂いが生じてしまう。

なるべく早く改めなければいけない。

その上で、主に金額と数量による予実差異分析・前年実績対比分析・構成比分析・全店平均値比較分析(入退会者、在籍者をベースにした損益シミュレーション分析)などを行うための管理会計のシステムをつくる。

それには、コンピュータが不可欠だ。

できる限り多くの分析が行え、その表示も単なる表形式だけでなく、グラフや図、マップなどの形式で出力できるもので、日次でチェックできるように設計されたものでなければならない。

クラブ経営企業は管理会計システムの構築~運用~成果向上のためにIT(情報技術)をもっと活用すべきだ。

「ツール」がきちんと整えられていなければ、ミーティングの質も落ちてしまう。

~ここまで~

さすがに、上記に書かれた現金主義会計を取っていたり、会計データをデジタル管理していない企業は少ないと思われますが、会計データのリアル把握が出来ていない企業はいまだに多いと感じます。

それは会計資料作成が迅速でないという経理上の問題もありますが、やはり店舗マネジメントにおける予算統制が徹底されていないことが根本原因だと思います。

フィットネス業界は、どちらかというと数字が嫌いまたは弱い方が多い傾向にあり、及び腰になりがちなことと深く関係しているでしょう。

ニューノーマル時代は、そのような感覚で乗り越えられる環境ではありませんので、ここはしっかりと身に付ける必要があるとアバター近藤は考えます。

本日もお読みいただきありがとうございます。

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