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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論347」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第5号(2003.3.25発行)「新世界秩序ー世界のクラブマーケット」2~※名称等は当時、一部文章省略

ブラジル~サンパウロの大手チェーンがブラジル以外にも目を向ける(S・R氏)

ブラジルではまだ継続的に行われている業界調査がないのですが、ある程度信頼できる調査によると、ブラジル内の施設数は7,000軒、従業員は12万人、1クラブあたりの平均メンバー数は400名、ブラジルの総クラブ会員数は280万人で、参加率は1.6%となっています。

市場規模は6億ドル(720億円)程度と推定されています。

私はランナーズグループを1984年にサンパウロに創設し、現在国内最大手のフィットネスとウェルネスサービスの提供者になっています。

近い将来、ラテンアメリカ地域でも最大手になることを目指せるところまで来ました。

現在ランナーズグループは、サンパウロの利便性の高い立地に9施設を展開し、年齢層は18歳から65歳まで様々で、年収で18,000ドル(216万円)程度の人が会員の中心となっています。

年間の会費収入は1,000万ドル(12億円)で、このほかに会費外収入として小売販売収入、ビューティーサービス収入、病院や大学などでのワークショップ収入などがあります。

ランナーズグループはエアロビクスと近代的なジムのスタイルをブラジルに持ち込みました。

現在も我々のクラブには最新の輸入マシンを備え、多彩なプログラムを提供しています。

施設アイテムも次々に増やしてきており、現在はテニス、スカッシュ、スイミング、グループサイクリング、フィットネスコンディショニング、武道、アクアプログラム、ストリートダンス、ストンプ、屋外アドベンチャー、フィットキッズなども提供しています。

各アイテムでさらに新しいクラスを定期的に導入するようにしています。

最近我々の会社ではコストを10%節減することに取り組んでいます。

また既存店の改修により、会費収入を15%高められる予定です。

これらにより財務力をつけ、将来的にはサンパウロ以外のエリアにも、直営とフランチャイズ両方の方法で進出していきたいと考えています。

~ここまで~

南米のフィットネス事情は、ほとんどデータがありませんので、現在の参加率は分かりませんが、当時1.6%であったということは、日本より低い状況であったと言えます。

ただブラジルという国の印象としての一般的ワードは、サッカー、リオのカーニバルなどアウトドアのイメージであり、温暖な気候や美しい海岸などおよそ室内で黙々とトレーニングする顧客が想像しにくい環境のように感じます。

格差社会もありそうですので、中心地の富裕層を主な対象としたクラブが展開されているように思えます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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