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8月6日(土):「LOFT」なカルチャーを具現化する9つのポイント

この1週間ほどは企業文化と関連して遠藤功さんの新刊「『カルチャー』を経営のど真ん中に据える」を引き合いに自分のなかでの整理も兼ねて同書の内容と紐付けたことを記していますが、本日もその続きです。

昨日は目指すべきカルチャーとして組織全体が活力に満ち溢れる「LOFT」なカルチャーに触れ、「Light」「Open」「Flat」「Tolerant」の各要素の説明をしました。

本日はこの「LOFT」なカルチャーを具現化していくために同書で示されている9つのポイントについて順を追って見ていきます。

1、ダイエットするカルチャー
組織風土を重たいものにしている原因が無価値・無意味な業務の増大にある。そのため変革の第一歩として業務にメスを入れ、徹底的に身軽になること。具体的には「やめる」「なくす」「削る」の観点で業務の代謝を進めること。


2、何でも自分たちでやってみるカルチャー
組織の活力の有無のところで記した「身体性」とつながる話で、なんでも経済合理性だけでアウトソース中心になり、希薄化・空洞化した現場を見直すために、まずは何でも自分たちでやる、自分たちで動くことに立ち返る。そこから多くを学び、独自のケイパビリティにつなげる。

※この1~2がLOFTの「Light」につながる


3、壁を感じさせないカルチャー
大半の企業は上下関係や指示と指示待ちなどのヒエラルキーで動いているからこそ、そこにある物理的・心理的な壁を取り払う必要がある。完全に壁をなくすことは不可能だけど、壁を低くする地道な努力を続けないとオープンでフラットな関係、経営と現場の一体感は生まれない。

4、ポジティブに話し合うカルチャー
組織のカルチャーを刷新するために有効な形のひとつがポジティブな言葉、表現、言い回しを心掛けること。批判的・否定的な言葉ばかりが飛び交えば、場の空気も個人のマインドも後ろ向きになる。厳しい状況のときほど、未来志向のコミュニケーションに努める。

※3~4がLOFTの「Open」につながる


5、まかせるカルチャー
現場のカルチャーを変革するには一人ひとりの主体性とチャレンジ精神を取り戻すことにほかならない。そのために大事なことはまとまった仕事をまかせること。細切れのタスクを与えて管理するのではなく、ビジョンやミッションの共有をしたうえで信頼、信用のもとで託していくこと。

6、みんなでコーチングするカルチャー
上下関係ではなくフラットな関係性で仕事をするには対等な立場で一緒に悩み、一緒に答えを模索する関係性が肝要になる。それを実現するひとつの有効な手段がコーチングであり、新入社員からミドルに至るまであらゆる階層でコーチングを取り入れ、コーチングをカルチャーにまで高めること。

7、みんなで教え合うカルチャー
LOFTなカルチャーを持つ組織は「学習する組織」でもある。真の学習する組織になるには「学ぶ」だけでなく「教える」点も重要になる。大事なのは「みんなで教え合い」「みんなで学ぶ」カルチャーを形成すること。LOFTな組織は「みんなが先生」「みんなが講師」を務める組織のことでもある。

※5~7がLOFTの「Flat」につながる


8、感謝を伝え、賞賛するカルチャー
健全なカルチャーに満ち溢れている会社は社員の承認欲求が充たされている。「金銭的報酬」「地位報酬」「仕事報酬」の3つに加えて、4つ目の報酬である「感情報酬」としての賞賛、敬意、共感を示すこと。健全なカルチャーには相手の感情に配慮して、皆で気持ちよく働ける環境を整えることが不可欠。

9、「違い」を認め、活かすカルチャー
LOFTなカルチャーにおいて大事なのは多様性を受け入れ、活かすこと。多様性の本質はジェンダーやマイノリティに限らず、一人ひとりが持っている「違い」を認め、尊重し、活かしあうこと。多様性は「個の尊重」であり、個の違いを認め、その違いを組み合わせることで、より大きな力に変えていくこと。

※8~9がLOFTの「Tolerant」につながる

これらを見ても分かると思いますが、カルチャーとは多面的な要素で成り立っています。

何かひとつをやったから、それで直線的に定量的な結果につながるような営業施策とは全くの別物ですね。

全体視点と長期的な視点のもとで、リーダーや各個人がその必要性を理解しながら全方位的に進めていくことで、はじめて形になっていきます。

カルチャーはお金を払っても買えないし、外から簡単に移植をすることもできないうえ、創造・変革をするにも時間を要するだけに、良いカルチャーはそれだけで唯一無二であり、無形の資産だといえるのも納得だと思います。


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