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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論680」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第23号(2006.3.25発行)「フィットネス業界にホットブーム」3~※名称等は当時、一部文章省略

溶岩浴

岩盤には様々な種類があるが、素材にこだわった岩盤を提供しているところがある。
30種のミネラルを含有する富士山の溶岩を利用した「マグマスパ富士山溶岩浴」(有限会社マグマスパジャパン・本社東京)。
浴室内では室温45℃・湿度55%に保たれている。
溶岩浴を導入したエステサロン「oliveSPA恵比寿店」では岩盤浴の利用者数が、9月のオープンから12月現在で、延べ6563名、12月の一日平均利用者数は約70名と好調である。
溶岩浴室内でヨーガを行う「マグマヨーガ」のプログラムも提供している。

これら岩盤浴が広く女性に受け入れられている背景には、サウナ特有の息苦しさがなく、高い美容効果が望めること、そして画一的な設備のサウナとは異なり、大胆に演出された空間を楽しめることなどがあると思われる。

環境づくりには注意が必要

ビクラムヨガや岩盤浴など「ホット系アイテム」を導入する施設は今後増えると思われるが、いくつか気を付けなければいけない点がある。
ビクラムヨガの設計に詳しいS氏に話を聞いた。

①必要な湿気対策

高温高湿の環境を作るとき温度と湿度を同時に上げてしまうと、壁面などの内装材が結露し、カビや感染菌が発生しやすくなる。
まず温度を上げてから湿度を上げるようにすることが大切だ。
壁には珪藻土などの吸湿素材を用い、高い湿度に耐え得る構造にしておく必要がある。
サッシなども結露対策として、二重構造にすることが望ましい。

②空調と換気のシステムを整える

家庭用のストーブに加湿器を用いて、ほとんど換気をせずにクラスを提供しているところもあるが、それでは酸素が足りなくなってしまい、息苦しく危険だ。
一時間のプログラムでの換気回数は最低3回は必要となる。
通常のエアコンは設定温度にリミッターがかけられ、想定以上の高温多湿の場では機能せず十分な換気はできないので、特殊な設備を用いる必要がある。
例えばダクティングによる熱交換器の導入だ。

③快適な環境づくりと光熱費の低減

部屋全体をまんべんなく同じ状態にして快適な環境を確保し、しかもランニングコストを抑えるためには、気密性と断熱性を確保し、適切な空調と換気システムを整えなければならない。
岩盤浴を導入するにも建物の構造設計上の床過重を厳守しなければならない。
建物の用途によって違いがあるが、多くは250㎏/㎡程度に設定されている為、施工方法を十分に検討し、出来るだけ軽く仕上げる必要がある。
ユニットタイプの岩盤浴などが有効だ。
これら以外にも注意点はたくさんある。
安易に導入を考えるのではなく、近い将来されるであろう法整備にも備えて、危険性が少なく、そして人と施設にやさしい環境づくりを検討しなければならない。

~ここまで~

前回、記載しました通り、ブーム直後に衛生面の健康被害をめぐる問題発覚により、岩盤浴は一過性でシュリンクしてしまいました。

そして現在は、これまでで最も大きなサウナブームが来ており、北欧の実践方法に倣った自然を活かした施設やテントサウナ、自家用屋内サウナなども増えてきております。

心配なのは、猫も杓子もブームに乗ってサウナ関連事業者が増え、安全面を軽視した経営により、水難事故や一酸化炭素中毒事故などが発生しないかということです。

往々にしてブームは、一つの大きな事故報道によって、一気に逆回転がかかるものですので、慎重な導入検討が求められると思います。

お読みいただきありがとうございました。

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