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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論543」

フィットネスビズ

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第15号(2004.11.25発行)「スイミングクラブの成長戦略」16~※名称等は当時、一部文章省略

Ⅲ成長クラブの事例研究

事例研究4「制度融資と赤字クラブの継承で、元手なしでも新市場を開拓」(株式会社ときわ「ときわスイミングスクール」「ウィングス」)

その4年後、今度は近隣にあったJSS運営のスイミングスクールが撤退することになり、A氏はこれも継承しようと交渉に入った。
「当初、営業権として一般的な相場とされる月間売上高の4倍を提示されましたが、当該施設は赤字施設であったことから交渉して資金的な負担はなくして貰いました。また、ジャグジーや温浴設備の付帯などのリニューアルはオーナーさんが負担してくれましたので、持ち出しはゼロで継承することができました。現在は当時より会員数が2割増となり、オーナーさんにも喜んで頂いています。当社としても十分利益が得られる施設となっています。」

この施設はプールのみだが、大人と子どもが混在して利用するシステムはそのままにしている。
それでも収益性が大きく改善したポイントについて、A氏は「運営者のやる気の違い」と指摘する。
同じ立地でも、スタッフも施設アイテムもそれほど変わらないのに業績が向上した。
同社では各施設責任者と各店舗の目標を決め、できる限り権限を委譲する。
毎週の会議は施設責任者が一同に会して各目標に対する進捗度をP/Lを見ながら進めていく。
お互いに競争意識が働くだけでなく、目標を上回れば賞与を出すといった成果報酬を明確にすることで、モチベーションを惹き出す。
さらにA氏は、スイミングコーチとしての経験から「人は褒められるとやる気が出る、やる気が出ると成績も伸びる」ということを体験してきていることから、従業員に対しても、褒めるチャンスをいつも探しているという。
A氏の財布にはいつも黄・赤・銀・金の4枚のカードが入っており、従業員のちょっとした働きをその場で褒めたり注意したりすることに活用している。
例えば、何か気配りを怠った従業員にはイエローカードを示し、3,000円の罰金。
一方、優れたサービスを目にした時にはシルバーカードやゴールドカードを提示して、それぞれ3,000円、10,000円のボーナスがA氏のポケットマネーから出されることになっている。
ただ、これまでシルバーやゴールドのカードを出す機会は多いが、未だにイエローやレッドのカードは出していないという。

A氏は今後についても「新店を作るだけの資金力がないので、撤退を考えているクラブがあれば、そこのマーケティングをし直し、我々のスタッフとエネルギーを注いで、再生していけたらと考えています。その一方で選手コースも大事にしていきます。私にとって選手コースはやっぱり楽しいですし、夢です。選手コースはクラブ経営にとっても有難い存在です。通常、子ども専用スイミングプールが空く夜の時間を利用でき、客単価も当クラブでは12,000円と通常クラスの倍です。大会などで活躍してくれればクラブの宣伝にもなります。今後もこの子ども専用スイミングクラブとともに、大人と子どもの混合スイミングクラブ、大人専用のフィットネスクラブそれぞれの業態で、より効果的な経営を追求し、それぞれの業態でのノウハウを培っていきたいと思います。今後も継承で店舗展開を進め、スタッフにも会員の方々にも目標に向かって前進して頂けるような場を広げていきたいと考えています。」と話している。

~ここまで~

前回、競合激化に対し、スピードと勇気を持って変化対応をしていくことが、パンデミック以降、より求められると記載しましたが、それにはやはり記事にあるような個別のノウハウとそれを蓄積できる組織文化・システムが前提となることが分かります。

現在の24H化競争や小型クラブ競争は、競争力の源泉が非常に真似しやすくかつ少ないため、いずれ資金力や展開力の勝負になっていると思われます。

その先に見えるのは、生存を賭けた低価格競争であり、既に24Hジムはその局面に移っていると言えるでしょう。
この競争の局面では、基本的には1強99弱となりますので、大多数の99弱側は、戦略転換をしない限り、ジリ貧は免れないと考えられます。

お読みいただきありがとうございました。

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